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海外の避難所に届くもの。日本で今からできることとは?

避難所を運営するのは誰?
避難所は、大きな災害を経験したことがない方にとっては、行ったことがない場所。どのような生活になるのかなかなか想像がつかないかもしれません。
災害時にテレビを観ていると、小学校の体育館が映り、床に毛布などを敷いて、多くの方が座ったり、寝転んだりされている様子が放映されることがあるかと思います。避難所は誰が開設し、誰が整備してくれているのでしょうか。
主体は住民です。被災したその地域に住んでいる人たち自身で、避難所に来る人を受け入れ、整備し、物資の配給も受け取ります。「あれれ?行政の職員の人がやってくれるのではないの?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
もちろん職員の方が各避難所に配置され、一緒に避難所を守ってくださいます。しかし、その職員の方の身動きが取れなかったとしたら?全員一緒に被災をしている中で、動くことができる職員数が減っていて、緊急の災害対応に人員が取られ、避難所には職員が来ることができないかもしれません。主体となって動くのは住民なのです。


避難所生活を想像して、備蓄品について考えよう!
住民が主体で動くことはわかった。では、避難所でどんな生活をするのかを想像すると、、、
「食事をする」、「寝る」、「排泄する」など。この行為をするときに、どのような道具が必要でしょうか。
・食事をする=食材、調理道具、お皿、お箸 など
・寝る=布団、毛布、ベッド、間仕切り など
・排泄する=トイレ(便器)、トイレットペーパー、流す水
ということが想像できそうです。
(※他にも浮かんだ方は、その考えを大切にして備えに加えてください。皆様の想像の一つ一つが大切な備えの要素になるので、必ず、そのままにしないで備えに加えるようにしてください。)

 皆さんが生活する避難所には、調理道具や毛布などは備蓄されているのでしょうか。またどこに備蓄されているのでしょうか。「ベッドで眠る」という生活が望めるのでしょうか。ライフラインが止まり、水が流せないと排泄は一体どうするのでしょうか。事前に考えておいた方が良いことがたくさんあるようです。
 上記の疑問を解決するために、まずはご自身が向かう避難所ではどこに備蓄倉庫があり、何が備蓄されているのか、皆様お一人お一人の目で見て、知っておくことが大切かと思います。そのためには、まずお住まいの自治体の防災関係の窓口に質問に行きましょう。一人では不安だと思うので、ご友人と一緒に行ってみることをお薦めします。まずは踏み出さないと何も変わりません。


海外の避難所で活躍しているのは「民間のボランティア団体」
 少し海外の避難所に視点を変えたいと思います。イタリアに着目してみます。
 避難所に真っ先に届くものとして、「イタリアの避難所に被災後真っ先に届く3つのもの(あんどうりす_リスク対策.com 2018.)」にまとめられています。
 まずは、仮設トイレ。届くトイレは車椅子対応のものもあり、スロープがついている場合もあるそうです。次に届くのは、キッチンカー!その場で作るので温かい食事ができることが利点です。そして、3つ目は、ベッド。体育館の冷たい床に薄い毛布を敷いて、毛布がなければ、直接床に寝転がって眠る、という状態にはならないようです。
 この3つのものを運ぶ際に活躍する一つの組織は民間ボランティア団体。自前でベッドやキッチンカーなどを備えている団体があるようです。災害時は行政との協働は必須ですが、民間団体・企業の日頃からの備えも重要な要素となりそうです。
 

日本での災害時に向けた新しい取り組み
 一方で、日本でも新しい取り組みが生まれつつあります。沖縄県宮古島市で日常は、楽しいおもちゃや読んで学べる書籍の設置、月に一回の「こども食堂」に活用されているトレーラーハウス。子どもが楽しく学ぶ空間創出を目的にトレーラーハウスを活用されているのです。月に一回の「こども食堂」は災害時の炊き出し訓練にもつながります。また、現在は、コロナ感染者の方の隔離施設にも活用されているとのこと。トレーラーハウスの管理は、宮古島でリゾート開発を行う株式会社オーシャンズリゾート。この企画を株式会社ビタブリッドジャパン(東京都港区)が支え、運営をSWITCH株式会社が担われています。このように民間企業が協働して、日常も災害時も活用できるトレーラーハウスで活動をしている地域もあるのです。

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運営を行うSWITCH株式会社の代表取締役社長 松澤寛之さんは、「災害時は、日常で実施しているトレーラーハウスからの炊き出し提供、傷病者の隔離部屋としても使え、お役に立てる存在になるのではないかと思っています。日頃からの活動で使い方に慣れておくことが大切だと思います。」とお話してくださいました。

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「受け身」から「主体的」に。そして「みんなで生き延びる」
 災害が発生して、避難所に行った時も、日頃からの準備をする時も「受け身」ではなく、
「主体的」に動くことで状況や環境が変わると感じています。宮古島の事例では、行政がやってくれることを待っている人たちの活動ではないです。民間企業の協働で活動が行われ、災害時にも主体的に動かれると思います。民間だけの力で、独自!ではなく、この主体的な行動に行政の助け(公助)が加わり、協働が生まれて、災害をみんなで生き延びる体制が整うのではないでしょうか。
 
 周りを見渡して、協力できそうなご友人、企業の方々はいませんか?少し声をかけて、みんなで分け合って、災害時の準備をすることを一緒に始めませんか?
 動きたいけどどう動けばいいかわからない。動く上で百年防災社に聞いておきたいことがある、などお問い合わせは以下からお願いいたします!
問い合わせ先:info@100bou.jp
 準備を日常から一緒に実践して、災害時もみんなで生き延びよう!!


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