高齢者向け水害講座にお邪魔しました!
みなさま、こんにちは!
お正月ムードもあっという間に過ぎ去り、普段通りの日々に段々身体が慣れてきました。
息子もいよいよ3学期がスタート!
初めての小学校生活もまもなく1年が経過しようとしています。
時間が経つのはあっという間ですね。
今回は、昨年末お邪魔した高齢者向けの水害講座の様子をお届けします!
【講座概要】
大規模水害時の避難を考える~大規模水害に高齢者はどうしたらいいか~
開催日:2021年12月19日(土)
第一部 解説「水害ハザードマップ」 葛飾区危機管理課 災害対策係長
第二部 講演「大規模水害に 高齢者はどうしたら良いか」 新小岩北地区連合町会長
主催:NPO法人葛飾アクティブ.com
NPO法人葛飾アクティブ.comは、シニアの生活地域社会の活性化を図るため、サークル活動や講座などの開設などを行っている団体です。
今回の水害講座は、主催の方が少しでも多くのシニア層にも知ってほしいと企画・開催されました。
当日は30名近い方が参加されていました。
【第一部 水害ハザードマップ】
第一部は水害ハザードマップの講座です。
担当されたのは葛飾区危機管理課の災害対策係長の筒井さんです。
昨年2021年4月より、東京消防庁から出向された消防士経験のある方なんだそうです。
講座では水害ハザードマップが一人一セット用意されており、中身を一緒に確認しながら解説して下さいました。
危機管理課の職員さんが特に大切な部分をピックアップして教えて下さるので、どこの部分をどのように見たらいいのかとても分かりやすく、勉強になりました。
また、水害ハザードマップの重要な点を抑えつつも、
「豪雨の翌日晴れていて安全だと思っていても、川は増水したままで氾濫の危険性が残っている場合もある。
そんな時に屋外の広い公園に避難をするケースもある。水害ハザードマップで近くの避難場所を確認しておいて、お散歩ついでに実際に場所を確認をしてほしい。」
と、日常に寄り添ったお話もして下さっていたのが印象的でした。
確かに、水害ハザードマップには屋外の大きな公園もわかりやすい色で表記されています。
災害級の大雨が降っている時に、わざわざ公園に避難する必要なんてあるのか…?
と疑問に感じましたが、翌日以降晴れていても河川の増水等で、油断できない場合もあるんだなと初めて知ることが出来ました!
ハザードマップもよく見てみると「雨風がやんでから氾濫が発生することもあるため、浸水しない公園も記載しています。」と注釈があることに気が付きました。
河川の近くに住んでいる方は、浸水しない公園を事前にチェックしておくことをオススメします!
水害ハザードマップの解説はとても分かりやすく、それに加えて実践しやすい・考えやすい内容を付け加えてくれたので、すぐにでも家族と話し合ったり試してみたくなる内容だなと感じました。
【第二部 大規模水害に高齢者はどうしたら良いか】
第二部は「大規模水害に備えて高齢者はどうしたら良いか」という講演です。
講師を務めるのは新小岩北地区連合町会長の中川さん。
1947年のカスリーン台風による浸水被害を少年時代に体験されているそうです。
まずは水害がいかに恐ろしいものかという事を、カスリーン台風の体験をもとに教えてくださいました。
当時はあたり一帯が浸水し、2週間以上屋根の上で生活せざるをえない状態だったそうです。
被災された住民の方々は、支給品を受け取りに家庭でこしらえた船を漕いで列を作っていたそうです。
当時の貴重な体験を聞かせて頂くと、実際に大規模な水害が発生した場合、とても大変で、日常生活に戻るのにはかなり長い時間を要するのだと感じました。
またいつ大規模な水害が発生するかも分かりません。
しかし、水害は地震と違って、ある程度は事前に予測できる災害の一つです。
自身の住まいの環境や、家族構成などに合わせて事前に「備える」ことができます。
今回は「広域避難」に焦点を当てて、下記にあげた様々な避難の方法を紹介して下さいました。
それぞれメリットだけではなく、デメリットも教えて下さったので、自分にあった避難方法を考えるきっかけになったのではないかと思います。
①要介護者避難
要介護者の避難は行政だけでは不可能です。
各自治町会が要介護者を平常時から把握しておくことや、事前に自家用車等で避難所に避難をさせる段取りを取っておくことも必要であるというお話がありました。
②縁故避難
知人・親類宅等に避難する避難方法です。
事前にお互い何かあった時の避難先として頼りたい旨のお話をしておくのが大切です。
③集団避難
地域住民全体で遠方に避難する方法です。
中川さんが会長を務めている自治会では、実際に電車や徒歩等で集団避難の訓練を行ったそうですが、誘導や集合・避難場所の確保など多くの課題が発生したそうです。
事前に町会等で取り決め・訓練等が必要ですが、共助の力が発揮できる方法だと思います。
④垂直避難
上記①~③での避難が困難な方々が、近隣の高所に避難を余儀なくされた場青の避難です。
万が一逃げ遅れた場合には近くの高い建物に避難する必要があります。
葛飾区では浸水しないフロアを確保できる施設を「洪水緊急避難建物」として指定しています。
このピクトグラムプレートが目印です。
万が一、垂直避難をせざるを得ない場合の為に、近くの施設を確認しておくことをお勧めします。
(写真は我が家の一番近い洪水緊急避難建物です)
在宅避難としてマンションなど自宅の高所に避難する場合、被災時も個人のプライバシーが守られ、他者に干渉されずに生活をすることができます。
しかし、カスリーン台風レベルの水害で地域一帯が浸水した場合、水や食料・薬の不足、急病時に早急な対応が難しくなるというデメリットもあります。
新小岩地区連合長会では、垂直避難時の手助けとして、ゴムボードを用意しています。
発病者の移動や搬送などの支援を行えるよう、日々ゴムボートでの訓練も定期的に行っているそうです。
緊急時に備えて日々訓練などの活動を行う自治町会の方々には本当に頭が下がりますし、私自身も見習いたいなと思いました。
【講座の感想】
一番最悪の水害発生を想定し、自身の身体・家庭環境に合わせた避難方法を事前に考えておくことが大切なんだと感じました。
また、自治町会でも災害に対して手助けとなるよう日々様々な活動・訓練をしています。
いざという時、助け合いが出来るように普段から地元で顔見知りを作っておくことの重要さを実感しました。
私自身は30代でまだまだ心も身体も元気ですが、高齢になるにつれ身体の衰え、病気の発症など、環境は大きく変わってきます。
しかし災害はいつどこで起こるか分かりません。
私自身も両親とは別の場所に住んでいるので、それぞれが災害発生時にどのように避難行動を取るべきなのか、皆で話し合っておきたい。
そう感じることができた講座でした。
皆さんも是非一度、「もし大きな水害が発生したら…」という想定の元、避難について話し合ってみて下さいね。
(執筆:山岸朋子)
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