嘉代子さんの魔法
吉澤嘉代子さんのことが好きだ。歌のふり幅がすごくて、レトロでちょっとベタだと思わせるほどの表現力と歌唱力を「妄想」と「魔法」で括ってしまう鬼才。なにに惹かれていた/いるのか、どうしても書いてみたくなったのでnoteにする。
大学生のいま
とはいえ久しぶりに聞いた。そして、この曲に心を持っていかれた。かわいすぎる。嫉妬と他にもある女子のめんどうくさい感情をこんな世界観に昇華できるのか。
この曲に共感できるような女子になりたい…。遠きものへの憧れ。
仮想OL日記主題歌のセーラームーンな「月曜日戦争」とか、夢追い人へのゆるい切なさがたゆたう「東京絶景」もそれぞれすごく好きだった。声がレトロポップなのはなんでだろう。魔法みたいな歌唱力の持ち主だ。
高校生のころ
高校生くらいのときに「泣き虫ジュゴン」を聴いて衝撃を受けた。泣き虫な自分が嫌いだったこと、ゆずれない夢のこと、海の底にいるような負の感情に沈むこと。吉澤嘉代子さんにとっては、歌手として表現し、生きていくこと、広い海のような社会の中で芸術家として産声を上げたふるえを表していたのであろう歌詞に勝手に自分を寄せて、憧れていた。
夢に真摯だからこそ、厳しい歌だとも思う。この歌を聴くたびに駆られていた焦燥を失ってしまったけど、憧れていたことを自覚できてよかった。
高校生の無駄に潔癖な私には「ケケケ」「美少女」「ストッキング」は、なんかヤベー人がいる…と引いてしまう原因になってしまった感があるのだけど、今もう一度聞くと、恥ずかしさとないまぜの可愛さを発見する。「未成年の主張」も、未成年のでっかい自意識の恥ずかしさを自覚的に切り取っている、ある意味大人すぎる吉澤嘉代子さんがYouTubeに残されてる。
結論。わたしは、吉澤嘉代子さんの声が好き。歌詞の世界観とか、語るべき魅力は沢山あるけれど、高校生に出会ってから大学生のいまも、この人の歌う声が好きなんだと分かった。