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子供たちが考える環境と未来

先日、千葉県山武市にある成東中学校にて講話させて頂きました。
その中でいくつか感じた事を。また今回はチバレザー関連の視察で兵庫県の職員の方が来葉されていましたので我々の業界としての課題を考え意見交換しました。併記しますのでいのちを伝えることの肝と難しさを知って頂ければと思います。


理科で習う食物連鎖に不足するもの

このような記述があります。

シャチ:海の食物連鎖の頂点にいる。
ヒト:食物連鎖の頂点に立つ

高校教科書 帝国書院 高校生物「生物基礎」より

少し調べましたがどうやら中小学校向けの教科書にはヒトが登場するものは無さそうでした。
※頂点捕食者に対する考え方は異論もあり学問として教える場合にはなおナイーブな問題かと思いますがここでは割愛します。
大切なのは我々ヒトがあらゆる動物のいのちを頂いて生きているという事。店舗、市場に並んでいる商品からは中々想像が難しいですが全ては生物で生きていたという事です。高校教科書と中小向けと何の基準で差が出ているのかはわかりませんが世代的には若いほどいのちの教育は必要なのでは?と。なのでヒトの入っていない食物連鎖は違うと考えています。

生徒からの質問

限られた時間の中でしたが生徒たちの予習の効果もあっていくつか質疑応答の際に大変良い質問が飛んできました。中から一つ抜粋します。
「エシカル自体は解ってきたけれど私達が何をしら良いかわからない」
これは核心ですよね。こういった事は日常多いのではないかな?と思います。伝えた答えは
環境性能を謳った製品を購入する
です。これは何も子供たちに限ったことではなく我々大人も一緒です。自ら作るという事はあまりないですから製品を購入することになります。その際に環境配慮型の製品を買う事で直接的にはもちろん、企業を応援することになりお金が良い回り方をします。そういった製品は得てして単価が高い方向にありますが少し高くてもそっちを選ぶことが大事。なぜならそれは環境コストでありそこを削ったものであることが多い。例えばフェアトレードの観点から適切では無かったり、児童就労や違法操業等により適切ではないコストカットが行われている可能性がより高くなる。純粋に企業努力の場合ももちろんあるだろうが今後は単純に安くする努力だけではなく適切にコストをかけて持続可能になっている製品でなければならないです。
物の価格は価値の対価であって安い高いではない。


生徒や児童に何処まで見せるか問題

※最後に血肉写る画像がありますので苦手な方は閲覧をお控えください
少し視点を変えて、いのちを頂くという事は必ず命を奪うという行為が発生します。ここを伝えないと本当の意味での食物連鎖やいのちの循環は解らないと思います。頂点捕食者としてそこがわからないと命の尊さに対して理解が浅くなる事になります。
しかしそこをどう伝えるかというのはかなりデリケート。大人でも血肉を見て体調を崩すしたりします。子供たちにはさらにトラウマという形で悪いインパクトを与えかねません。他方、私は時代と田舎がそうさせたのか鳥などの小動物をと殺するシーンを幼少期に見ていたのであまり抵抗がありません。物心つく前の純粋な年齢でこれらを見ているとトラウマにはなり難いのかもしれませんが一般には見ることは少ないと思いますのでやはり見せ方は考える必要があります。
皮はお肉の副産物である以上、どうしてもいのちが絡みます。年齢や学年によってどこまで見せるかは常に考えながら伝えていかなくてはと革の本場、姫路の職員さんと美味しいジビエを頂きながら話しました。

猪コロッケとチバレザー(猪革)製品

豆知識ですが皮と革の違い知ってますか?
皮=skin
革=leater
と表記し前者は腐りますが後者は違います。これは革を柔らかくすると書いて「鞣す」という作業を行い腐らないように加工しますがその作業を挟んで表記が変わるとお知りおきください。



これより先、画像が出てきますが進むにつれていのちに近くなります。本記事の主旨に照らしカラーでの掲載をしています。閲覧の際、体調の変化などにご留意頂きご自身の判断でお願い致します。

これは一般にお肉としての見方が強いでしょうか?


解体の最中です。左手で掴んでいるのが皮、右の赤いのがお肉


内臓を取り出しています。


血を洗い流します


計量して洗浄工程へ向かいます


止め刺し後の血抜き
止め刺しの瞬間

これを見てどこまでなら見せられる、処理(例えば白黒)をしてほしいなどご意見あれば匿名で構いませんのでどうぞコメントにてお知らせください。
その際
・ご自身の年代
・お子様の学年or年齢
をご教示いただけると資料作りの参考になりますのでお願い致します。

本来であれば避けては通れない、避けてはいけないいのちを頂く場面ですがそういった機会に触れるのは少なく現実的には難しいのが正直なところ。しかし、全く知らないのは問題外で工夫をしながら時代に合わせた伝え方をしていかなくてはいけません。
ご意見含めご支援やご指導いただきながらモアベターを模索しながら伝えていきます。

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