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同じ「音楽」の瞬間は二度と訪れない、という話 [座右の銘]

今回も話の内容を絞りながら綴っていきます。
「常に私自身が大事にしていること」
どの立場でもどんな現場でも大事にしていること。

同じ「音楽」の瞬間は、絶対に二度と訪れることはない という話。

まず…物理的に捉えてしまえば簡単なことです。
長年、中学1年生の理科の学習指導要領に入っている「光、音、力」の分野を少しでも覚えていれば、

“音の正体は「波」である”

ということを知識的に知っている方は少なくないはず。音の正体を細か〜〜〜〜〜く見ていくと、電子音源などでない限り、同じ波形が生み出すことは至難の業だと分かります。
しかし、ここで触れたい内容はそういうことではありません。

「その日、その時間、その瞬間に」
「その場所に」
「そこに集まったメンバーで」

音楽をすることは、たったの「1回」しかないものであり、二度と同じものが生まれることは絶対に有り得ない、ということ。堅苦しく感じられるかも分かりませんが、常にこう考えた上で、いつでもどの現場に立つ時も気を付けるようにしています。

 … … …

私は現在、「中学生バンド」「社会人バンド」「専門性を有する音楽集団」の3つに定期的に関わる機会があります。特に中学生、社会人の場合は既に現場経験が10年近くあるので、何となくここ数年の変化を肌で感じることなどもあるのですが、
近年、音楽現場に対して“時間の効率化”がテーマとなることが多くなってきたように感じます。

それ自体は以前から大切なことだと思うのですが、あまりに初期の頃から言われる環境となり、受け手側もより自然的に、練習の「意味」を問うことが多くなります。
そうすると、特に楽器を始めたての頃ではその「意味」がよく分からなかったり、ダイレクトに意義を感じれることが少なかったりして、あまり練習に身が入らない、中途半端なうちに他のことに手を出しがちになる、といった現象を、年を追う毎により多く目にするようになりました。

十分に楽しめていない内に他のことに目移りしてしまっては、それはとても勿体無いこと…という背景に対応する形で、私自身から展開する時間の使い方も時間をかけて変化していきました。

特に合奏指導などを行う際は、以下の3つのバランスを意識して時間構成をしています。

①「音楽」の楽しさを実感できること
 = 活動の原点を常に忘れない
② 新しいメニューや知識を触れられること
 = 前進、レベルアップの感覚
③ 先の展望や到達点までの道筋が見れること
 = 継続的な練習や意識へ繋げる

ということで、以前よりも1回の機会に盛り込みたい要素も増え、時間の使い方をより工夫していく必要があると感じる次第です。

 … … …

少し話が脱線しましたが…、

これだけ多くのことに触れたいと思う分、発信側だけでなく受信側の考え方、姿勢も重要視されることでしょう。考えなしに音を奏でるだけであればそれはただの「演奏作業」であり、感動や興奮という先の景色に辿り着くことは難しいでしょう。(学生だろうが、大人だろうが。)
そういった意味でも「同じ「音楽」の瞬間は二度と訪れない」という考えを第一に取り組んで欲しいからこそ、自分自身が体現するよう注力しています。

相手にそうして欲しければ、まずは自分自身がそういった姿勢を見せる必要がありますからね。

特に中学生など経験歴が浅い生徒が多い場合、初期の頃には堅苦しいような内容かもしれませんが、1年間、又は常勤学校においては3年間を通して、その本質まで少しでも多く伝わることを目指しています。
一見すると難しい内容でも、体験や実感を通して自分のものにしていくことができる指導、私自身がそのサポートに少しでも回れたら良いな…と考える次第です。

同じ音楽は二度と訪れないからこそ、

「事前に思い付く準備はとことんやっておく」
「その“瞬間”をより細かにイメージしておく」
「一番の集中力を持って打ち込む」
「次の“瞬間”に向けて反省と改善を繰り返す」

結局はこれに尽きる、という考えです。

 … … …

ということで結びますが、
私の座右の銘は「一座建立」です。

(茶道の世界の言葉で「一期一会」と似た境遇を持ちますが、簡単に言えば「同席者全員で心地良い場を作り上げること」という意味です。
1度の機会に向けて、全員が事前から意識を向け努力をすることで、初めて良い空間や瞬間が構築できるという精神性に、強い共感を覚えます。)

音楽1つ1つが、これに尽きると思うのです。そしてこの考えは、音楽に限った話でもないと思うのです。
(書きながら…とてもとても自戒中…!)

このnoteも少しずつ習慣に組み込んでいきながら…お読みいただける皆様とのご縁をより大切にできるような投稿ができますよう、尽力してまいります。どうぞよろしくお願いいたします🌱

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