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【fromラボ】ココアを飲むと「からだが温まる」を科学的に検証 森永製菓

 ココアを飲むと「からだが温まる」―

 森永製菓は9日、「カカオフラバノール」を含むココアを一杯飲むと、「皮膚血流量」「皮膚温度」「指先の冷えの感覚」が改善することがヒト試験で認められたと発表した。体が冷え切った寒い冬などにココアを飲むと「からだが温まる」「手足の冷えが和らぐ」といった、巷でまことしやかにささやかれる人々の経験談が今回の試験により科学的にも立証された格好となった。同社はその健康機能の高さに注目が集まる「カカオの機能性」の研究に力を注いでいる。これまで抗インフルエンザウイルス効果、抗歯周病菌効果、便臭改善効果、認知機能の一部である記憶力や判断力の維持・改善などの研究成果を報告してきた。同社は「今後もココアとカカオに関する健康機能研究に継続的に取り組む」と意欲を燃やしている。

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森永製菓「純ココア」 

 今回の試験はココアを飲んだ後、手先の血流量、皮膚温度、体感としての冷えの感じ方にどのような影響があるのか。自治医科大学医学部の間藤卓教授監修の下、日ごろ手足の冷えを感じやすいと自覚する20歳~60歳の成人男女27人(最終解析対象者24人)を対象とした試験により検証した。試験は2021年7月に、環境を一定に調節した恒温恒湿室内(室温 23℃±1℃、湿度 40%±5%)で実施した。

 試験ではカカオポリフェノールの中でも機能性の高さが注目されているカカオフラバノール30mgを含むココア20gを、お湯120mlで溶かした「ココア」とカカオフラバノールを含まないエネルギー、タンパク質、脂質を同一に調整した「ココア風味飲料(プラセボ)」を同量、同じ温度でそれぞれ飲用。親指を除く左手の指先の血流量と温度を、それぞれレーザー血流計、サーモグラフィーカメラを使って10分間隔で飲用後60分まで測定した。

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 この結果、成人男女がカカオフラバノール30mgを含んだココアを飲むと、皮膚血流量が40~60分の間、有意に高まることが明らかになった。また、皮膚温度もココアを飲むと有意に高く推移することを確認したという。(図1)は平均的な皮膚温度変化を示した試験参加者の測定画像例で、これを見るとココアの効果が見てとれる。測定後半にかけて「ココア風味飲料(プラセボ)」よりも「ココア」を飲んだ方が赤みが維持している(=温度が高い)ことがわかる。また、アンケートによる冷えに関する感覚の評価でも、温かいココアを飲んだ60分後に「指先の冷え」の有意な改善が認められたという。森永製菓は「カカオフラバノール30mgを含むココアを飲むと、指先の血流量と皮膚温度を高め、冷えの感覚をやわらげると考えられる」と指摘している。今回の試験に関する論文は、査読付き学術誌「薬理と治療(2021年49巻10号)」に掲載されている。


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