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減塩食の塩味を約1.5倍に増強する“夢の食器”が登場

 飲料大手のキリンホールディングスは7日、明治大学総合数理学部先端メディアサイエンス学科の宮下芳明研究室との共同研究で、電気の力で減塩食の塩味を約1.5倍に増強するスプーンとお椀を開発した。国民的アニメの人気キャラクター「ドラえもん」の四次元ポケットから出てくるような“夢の食器”ともいえそうだが、実用化の時期は意外と早そうだ。キリンHDは9~11月に実施する実証実験で有用性を検証し、2023年にも発売すると意欲を燃やしている。

 近年、健康志向の高まりを受け、日本の減塩・無塩食品市場はここ数年右肩上がりで伸びている。しかし、その味は「もの足りない」「味気ない」といった厳しい声も少なくない。しかし、キリンHDが実施した調査によると、減塩食の味に対し約8割の人が不満を抱えているという。そこで、同社と明治大は塩分を控えた食事でも満足できるように、微弱な電流を食器に流し、疑似的に食品の味の感じ方を変化させる「電気味覚」の技術を活用したデバイスの開発に着手した。

 “夢の食器”の使い方はこうだ。スプーン「エレキソルト –スプーン-」の場合、まずスプーンの柄に付いているスイッチで電源を入れる。好みの強度(4段階)を選択すると、スプーンの先端から微弱な電流が食品に流れて効果を発揮するという。一方、お椀「エレキソルト –椀-」はスプーンと同様にお椀の側面にあるスイッチで電源を入れ、お好みの強度(4段階)を選択。お椀の底部を手で持つと、お椀の内部に微弱な電流が流れて効果が発揮するとしている。なお、食器に流れる電気は人体に影響しないごく微弱なものだという。


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