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【eco最先端】アサヒ飲料、自動販売機横の使用済PETボトルの循環を開始


 アサヒ飲料は同社グループが管理・運営する自動販売機横のリサイクルボックスで回収した使用済みPETボトルを化学分解により中間原料に戻したうえで、不純物を除去して再重合し、新たなPET樹脂をつくる方法「ケミカルリサイクル」で同社のPET商品に再利用する取り組み「水平リサイクル」を5月中旬に開始する。同社傘下のアサヒ飲料販売が管理・運営する首都圏エリアの自動販売機約3万台で回収する約2000トンの使用済みペットボトルを対象に、水平リサイクルを展開する。今後、取り組み量を順次、拡大するほか、年内には中部・近畿エリアへ拡げる計画だ。さらに、将来的には全ての同社グループの自動販売機販社へも拡大し、アサヒグループが管理する約7万台の自動販売機で回収した全ての PETボトルをボトルにリサイクルし、アサヒ飲料のPET商品に再利用することを目指す。

アサヒ飲料が展開する「水平リサイクル」の循環イメージ

 今回の取り組みの流れは、まず回収した飲料の空容器を中間処理業者で容器ごとに分別する。その後、ベール化・フレーク化したPETボトルを日本環境設計(東京都千代田区)の子会社で、世界で唯一ボトル to ボトル向けのケミカルリサイクルの商業運転を行うペットリファインテクノロジー(川崎市川崎区)の工場でリサイクル PET 原料に再生し、アサヒ飲料の商品に再利用する。

アサヒ飲料の米女太一社長(左)と日本環境設計の高尾正樹社長

 自動販売機横で回収される使用済みPETボトルは、回収ボックス内にラベルやキャップ、ゴミが混入しているほか、飲み残しなどが多いことからボトルからボトルへの水平リサイクルは難しかった。しかし、今回は使用済PETを化学的に中間原料まで分子レベルに分解した後に不純物を除去し、精製することにより石油由来の素材とほぼ同等の品質である PET 原料に何度も再生できるケミカルリサイクル技術を導入することで実現したという。


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