【新型コロナ対策“最前線”】ソフトバンクグループの子会社、「移動式PCR検査車」を開発
ソフトバンクグループの子会社であるSB新型コロナウイルス検査センターはこのほど唾液によるPCR検査ができる「移動式PCR検査車」を開発した。現在、同社は移動式PCR検査サービス提供の開始に向け準備を進めている。“ウィズコロナ時代”におけるスクリーニング検査を活用した検査体制の構築を支援することで、新型コロナウイルス感染症の拡大防止、地域経済活性化をはじめとする経済活動の早期正常化に貢献することを目指す。
現行の臨床検査技師等に関する法律では、検査機関が検査を行う場合、その所在地の都道府県または市区ごとの衛生検査所登録が必要となる。このため、登録を受けた所在地とは別の場所での検査ができない状況となっており、内閣府の規制改革推進会議で柔軟な運用に向けた議論が進められている。
SB新型コロナウイルス検査センターはこれまで衛生検査所として登録された唾液PCR検査の専用施設を拠点に、宅配によるPCR検査サービスを提供している。移動式PCR検査サービスが解禁されると、検査を希望する自治体などの要望に応じて移動式PCR検査車を特定の場所に派遣し、その場で検体採取、検査、検査結果を通知するなど、検査施設への検体輸送時間や輸送コストによる制約を受けない機動的な検査を提供することが可能となる。
移動式PCR検査車の検査室には、PCR検査機器や安全キャビネットが実装され、常駐する2人の検査スタッフが唾液検体の管理や試薬を使った前処理やPCR検査を行う。車両1台につき、1日最大376件の検査が可能で、検査結果は検体受付から最短2時間半で通知する。SB新型コロナウイルス検査センターは今後、移動式PCR検査車を3台配置し、既存の検査施設と組み合わせ、感染状況により変動する検査需要に柔軟に対応できる検査体制を構築する。
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