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【新型コロナ対策“最前線”】岩崎電気の紫外線(UV)ランプ、新型コロナウイルスの不活化に有効

 電機メーカーの岩崎電気は13日、空気循環式紫外線清浄機「AIRLIA(エアーリア)シリーズ」や紫外線殺菌装置「STERI-EYE(ステリアイ)シリーズ」などの製品に搭載している紫外線(UV)ランプが新型コロナウイルスの従来株と変異株(デルタ株)の不活化に高い有効性を確認したと発表した。評価試験は広島大学病院感染症科の大毛宏喜教授、広島大学大学院医系科学研究科ウイルス学研究室の坂口剛正教授と共同で行った。同社は「引き続き、新型コロナウイルス感染症に対する予防対策として紫外線光源を用いた空気殺菌、表面殺菌、水の殺菌で安全で安心な空間と環境を提供していきたい」と意欲を燃やしている。

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紫外線(UV)ランプを搭載した岩崎電気の空気循環式紫外線清浄機「エアーリア シリーズ」

 今回の評価試験は新型コロナウイルスの従来株と変異株(デルタ株)のウイルス液をそれぞれのプラスチックシャーレに塗布し、UVランプの紫外光を2、4、6mJ/cm2 (※)をそれぞれ照射。照射後、回収したウイルスの感染価はウイルスの感染価を測定する際に用いられる測定方法である「TCID50法」で測定した。新型コロナウイルスの従来株と変異株(デルタ株)の不活化効果を比較評価した結果、変異株(デルタ株)においても従来株と不活化効果が同等(別掲グラフ参照)で、有意差は認められなかったことも確認した。

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 紫外線による新型コロナウイルス不活化のメカニズムは、紫外線によるウイルスRNAの損傷によるものと考えられている。岩崎電気は今回の評価試験で「現在、世界的に感染者数の増加が懸念されるオミクロン株をはじめ、今後、新たに発生し得る新型コロナウイルス変異株に対しても紫外線は同様の不活化効果があるものと考えられるとの評価をいただいた」としている。

 評価試験を行った広島大学病院感染症科の大毛宏喜教授は「紫外線による殺菌技術は種々の細菌やウイルスを殺菌する技術です。医療介護施設や公共エリア、商業施設、飲食店など多くの人が集まる場所や換気状態の悪い空間環境における、新型コロナウイルス及びその他のさまざまな感染症対策として非常に高い期待を寄せている」という。

※UV照射での積算照射量(積算光量)を示す単位


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