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在宅勤務をするまでと子育て、お金のことなどインタビューされました。

宮城県にて主婦業とリモートワークをされている高橋千佳子さんへのインタビュー7

佐藤 彰
2020/05/09 11:30
今回は、宮城県にて主婦業とリモートワークをされている高橋千佳子さんに取材をさせていただきました。

高橋さんとお話していて感じたのは、主婦業や子育ての価値です。

主婦業や子育てそのものは、お金を生むものではありません。しかしその経験を通じて、仕事にも通じる様々なスキルを用いることができます。そういう意味においても主婦業も女性のキャリアの1つとして位置付けることが可能だと考えました。

また、子育てはお子さんへのお金の教育を通じて親御さん自身のお金のリテラシー教育にもなることもあらためて感じました。とても実践的ですし親子でお金の勉強ができるので、お金の教育の1手法として価値を感じました。

以下、インタビュー記事記事です。

佐藤:本日はお時間をいただきありがとうございます。今までどんなお仕事をされてきたのかお伺いしてもよろしいでしょうか?

高橋:大学を卒業後に保険会社で事務の仕事を始めました。その後は結婚をして専業主婦になり、家事と子育てに取り組んできました。その生活を15年間続けた後に派遣会社に登録し社会復帰をしました。その後いつくかの仕事を経て今は正社員でリモートワークの仕事をしています。

佐藤:最初は長いこと専業主婦をされていたのですね。専業主婦をされる中で大事にしていたことは何ですか?

高橋:家事を「仕事」という感覚で取り組み子育てを精一杯楽しむことです。専業主婦というと夫に養われていて引け目を感じるという話を聞くことがあります。ただ個人的にはそういう感覚はなく、あくまでフラットな感覚でした。

佐藤:お仕事という感覚で家事や子育てに取り組まれてきたのですね。経済の統計では家事労働は所得として換算しないのが一般的ですが、経済学者の中には家事労働も所得して含めるべきだという考え方もあります。僕も仕事という感覚が家事や子育てをとらえた方が自然だと考えていますが、10年以上も前からすでにそのような感覚で実践されてきた女性のお話をうかがう機会はなかなかないので貴重です。専業主婦を15年間続けられた要因は何だと思いますか?

高橋:子どもを自分の手で育てて一緒に過ごしたいという気持ちです。専業主婦をしていると、ときには働いている女性から色眼鏡で見られることがあったり、周囲の人から「いつ働くの?」と聞かれたり、PTAの役員に選ばれやすかったり…と大変なこともありました。ただ、子どもと一緒にいられるので、それらを苦労と考えたことはありませんでした。

佐藤:大変なこともありつつ充実感があったのだなと感じました。この辺りは結婚後の女性のライフスタイルの観点で、みなさんとても悩まれるところではないかと思ったのですが、この点で何か感じることはありますか?

高橋:女性の生き方には「働かない」という選択肢もありだということです。専業主婦をしていると「肩身が狭い」思いをするという話を聞くことがあります、ただそれでも、家事を仕事としてこなしていれば、そして、子ども一緒にいたいという価値観があるなら、それを尊重したライフスタイルを選ぶのもありだと思います。もちろん、働きながら家事や育児に取り組むことも悪いということではありません。多様なあり方があっていいと考えています。

佐藤:聞いていて感じたのは、結婚後の女性支援というと働きながら家事や育児をすることが前提となっていて、もしかしたら専業主婦として生きる選択肢が抜け落ちている可能性もあるのではないかということです。あまり表では声に出して言いにくいものの、専業主婦を選択したいとお考えの女性も多いのではないかと想像しています。専業主婦として生活する上で気をつけていたことなどあれば聞かせていただいてもよろしいですか?

高橋:私の場合実家も隣県でしたし、今で言うワンオペ育児でしたので、住んだ場所で自分の関わる様々な人たちと信頼関係を築くことだと思います。今思うとたくさんの人に今まで助けられてもらっていたと思います。それは、そういう方々と信頼関係を築くことができたらからではないかと今質問されて感じました。

佐藤:具体的な信頼関係を築けた人としてはどんな方が挙げられますか?

高橋:子どもを通じて知り合った同じ母親の女性たちです。母親になるといわゆる「ママ友」を作ろうとしがちですが、「ママ友」というよりはフラットな関係を築ける人間関係を築くことが大事です。私の中にはママ友という概念がありません。人間関係をつくるきっかけが幼稚園で知り合ったママだっただけで、ここでつながった人たちを「ママ友」とは思っていません。ここで仲良くなった女性たちとは家族ぐるみの付き合いになっています。こういうところで仲良くなった人たちは、ご主人も子供たちも、私のことを下の名前で「ちかちゃん」と呼んでくれます(笑)。
あとは一部の学校の先生も挙げられます。先生にあれこれ要望を出すというよりも一緒にどうやっていけたらよいか一緒に考えたり、学級崩壊も経験したので、逆に生徒を指導する悩みを聴くこともありました。ときには先生が泣きだされて、びっくりしたこともあります。先生も大変なのだなと。

佐藤:まさに信頼関係ですね!フラットな人間関係を築くことを実践されてきたのだなと感じました。また「ママ」だから仲良くするのではなく、ちゃんと相手の「1人の人間」として付き合うというところはお子さんをお持ちの女性だけではなくもっと広くいろんな人にとって見習う点だと思いました。主婦業というと家事に加えてお子さんとの関り方も大きな仕事だと思うのですが、子育てで大事にしていることは何かありますか?

高橋:常に一生懸命であることと子どもの意思を尊重することです。「いい母」ではなかったと感じていますが、子どものために「完璧に」何かをするというよりは「最大限に」何をするという感覚です。

佐藤:一生懸命というのはいいですね。お子さんからはその点に対して何かフィードバックというか反応はありますか?

高橋:まさに「一生懸命にやっているよね」という言葉はときどきかけてくれることがあります。この言葉を聞けるときは本当に嬉しいですね。専業主婦は子どもに「時間」を投資することができます。金額面での投資は働く場合と比べて少なくなりがちですが、子どもに時間を投資するという観点はもっとクローズアップされていいと個人的には感じます。

佐藤:ちゃんと言葉で伝えてくれるのは素晴らしいですね!専業主婦は15年間でその後に家事に加えお仕事も開始されていますが、この点は何かきっかけがあったのですか?

高橋:子どもが大きくなっていくにつれてやる気さえあればいつでも働ける働姿を子どもに見せたいと感じるようになり、15年のブランクはありましたが、パートに出てみることにしました。

佐藤:15年のブランクがあった中で社会復帰されるのは、とても苦労したのではないかと想像するのですが、お仕事を再開されるにあたって意識したことはありますか?

高橋:パートでは面接試験があるのですが、そのときには主婦業としてやってきたこと、PTAの役員としてやってきたこと、そういった活動の中でワード、エクセル、パワーポイントも使うことができることなどをアピールしました。PC操作は会社でなくても学べる機会はあります。出産退職後、ワード、エクセル、パワーポイントが主流になったのでOL時代全くやってなかったんですよwww。

佐藤:主婦業を仕事と捉えてやってきたことが生きていますね!最初は外にお仕事を出られていたもののその後は在宅でのお仕事に切り替えられていますが、在宅ワークを選ばれた理由は何ですか?

高橋:仕事をしていつも忙しい母に育てられてとても寂しい気落ちでした。社会復帰後も家にいた時と同じ状況に近い状況にするよう努力しました。数年前になりますが、前回派遣会社で働いていたときリモートワークが主流になることを同僚から教えてもらって、偶然見つけて応募したら採用になりました。どんなに子供が大きくなっても普段はうちにいる母親でいるという気持ちが強かったからだと思います。仕事内容で選んだというより仕事は適職でよくって、自分でありたい母親像を考えた結果、そうなったという感じです。

佐藤:お子さんを大事にするというポリシーが一貫されていますね。主婦業に加えて労働も行うとなると時間のやり繰りが大変になったのではないかと思いました。この点で工夫したことはありますか?

高橋:家事を完璧にやろうとしないことでしょうか。何をもって完璧というんでしょうねw。あとは子どもにも協力を求めたことも挙げられます。結果として、子どものごはんのおかずなどを冷凍庫に入れていたら自分か進んで温めてご飯を食べてくれたりと、子どもも幸い協力してくれました。

佐藤:自分だけですべてを解決しないという視点はとても大事だと思いました。主婦業というと家計のやりくりなどお金という観点も重要な要素だと思うのですが、お金に対してはどんな感覚をお持ちですか?

高橋:お金には「いいも悪いもない」と考えています。独身時代に保険会社に勤務していたときにはお金でどろどろした話を聞くことがありましたが、子どもが生まれたときに子どもにもお金に対してしっかりした感覚を持ってほしいと思い、いろんなことをしました。

佐藤:例えばどんなことがありますか?

高橋:知り合いの経営者のおすすめで、子どものおこづかいを子どもと一緒にドルに交換したりしていました。おこづかいなので、大きく得をすることも損をすることもありませんでしたが、子どもにとっては100円くらいでも大金なので何かと感じることがあったようです。また、教育費などもいくらかかっているのか子どもに見せていました。大学入学費も支払った後に明細を子どものLINEに送っていました(笑)。あいあい。とか、あざーす!!ってレス来ますよw。クレジットカードも家族の口座から引き落としになるカードが1枚あって他に個人の子ども本人の口座から引き落としになるカードの2枚を持たせています。

佐藤:様々な工夫をされていたのですね!高橋さんのお話をうかがっていると、いろいろとやっていることがあっても、その背後にはフラットな人間関係を築く点や子どもを大切にするというあり方があるように感じます。最後に高橋さんの自分軸というか、そういうものとして大事にしていることがあれば伺いたいのですがいかがですか?

高橋:普通の暮らしをすることです。美味しいごはんを食べるよく眠る。気の合う仲間と過ごす。こういうことを大事にしたいです。当たり前のことが当たり前ではないことは、大病などして身をもって知ってます。なので、きっと人生に多くは求めない性格なのだと思います。

佐藤:いいですね!こういうインタビューだと何か立派なことを言わなきゃという感覚になりがちな気がしていました。ですので、こういったメッセージをいただけてよかったです。本日はありがとうございました。

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