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嫁の回顧録~結婚前夜~


私は、遠方から嫁いで来たけれど。
妙に用心深かった。

「旦那は長男だし。跡継ぎだというし。もし、親戚一同に受け入れられなかったら大変。」

入籍までの期間は、そのあたりを確認してからの方が良いね…と、旦那と話し。特に焦りもせず、おかしくも思わず。結婚前提の同棲状態をスタート。

はじめから同居…と旦那からは言われていたけれど。実際には義母が「無理!」と仰り、近所の団地に仮住まいして、今年で22年。長い仮住まい。



旦那の実家からは、歩いて5分程度。

皆さんの意向で、働いていない私は、義祖父母の「茶坊主」に、自然とそうなった。


3/31に千葉に来て。その年の6月始め。

義祖父母を筆頭に、皆さんから不満の声が出始めた。

「何故籍を入れない?騙されているのでは?」

結婚詐欺を疑われた。



旦那と私、そろそろ頃合いか…と。

「にさんがろく」。6/23に入籍届を出した。



今度はしばらくすると、結婚式の催促が。
旦那は多忙で、やらねばならないだろうけれど…と消極的。
私も、人間、どうなるか解らないから。お金をかけても何年か後に別れるかもしれないし…。

そんなこともあり、ほったらかしておいたら、叔父が叱りにやって来た。


「あのね、結婚式しないと、ここの地域では嫁として受け入れられないの。あんた誰?って一生言われるよ」


そこからなんやかんや準備して。


「嫁ぶるまい」、親戚の各家の奥様方20人くらい?お越しになり、お茶とお菓子で談笑してお帰りになるイベント開催。

~~この方々は、「初子」に当たる娘の「桃の節句」にも「花見」という、ハレの日に謡われる行事をしていただいた。

今はきっと、どちらも消えかけているのでは?と思うので、貴重な体験だったと思う。~~


1年後の義祖母の誕生日に、挙式。

一般的な親戚、知人よりも。
地域や義祖父母の関係者が多かった。
「誰の結婚式だと思ってるの!?」といった義母は、「じいさん達が金を出すのだから、私は口を出さない」と、手助けなし。沢山失敗して、そう言う時はめちゃくちゃ怒られもしましたが。

ぼちぼち、及第点だったでしょ。
きっと。


そんなこんなを、思い出して書いているのは。

きっと、義祖母が命日で、近くにいるから。世間話をしてるのと一緒なのでしょう。

心の対話なのかな。
一通り書いたら、気持ちが落ち着いた。

今日は雨。
義祖母の戒名の一文字「潤」通り。

有休を使っておいて、良かったです。



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