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「NFTに価値がない」という評価に対する捉え方

※この記事は2023年9/23に公開されたものです

こんにちは、先日BONSAI NFT CLUBのNFTを購入をしましたGussanです。

購入したから盆栽がもらえると思ってたんですが10個買う必要があったようで、お金があるタイミングで少しずつ買っていく積み立て盆栽方式をとっていこうかと考えています。

さて本日はこちらの投稿でもあるNFTの価値についてネットワークの観点を交えながら記事を書いていこうと思います。


レポートの概要

レポートをさらっと読んだ要点は以下のような内容です。

レポート

引用記事

NFTマーケットの現状

  • 2021年8月には、NFTの取引量が月に約28億ドルに達しましたが、2023年7月には8000万ドルに減少(ピーク時の3%ほど)

  • 73,257のNFTコレクションのうち、69,795は市場価値が0 ETHで、95%の人々が価値のない資産を保有

  • 供給が需要を上回っており、79%のNFTコレクションが未売で、買い手市場が形成

環境への影響

  • NFTの作成はエネルギーを消費し、特に価値のないNFTの鋳造は環境に悪影響を与える可能性あり

  • 195,699のNFTコレクションがオーナーや市場シェアがなく、これらのNFTを鋳造するためのエネルギーは約27,789,258 kWhに相当し、約16,243メトリックトンのCO2を排出

トップNFTアセットの現状

  • トップ8850のNFTコレクションのうち、18%がフロアプライスがゼロで、41%が5ドルから100ドルの間で価格で取引

  • これらのトップNFTのうち、1%未満が6,000ドル以上の価格

NFTの未来

  • NFTは未来においても存在する可能性がありますが、価値と実用性が重要

  • NFTは文化資産の保存、ゲーム、特別なアクセス権の付与、所有権の分割、不動産、デジタルアイデンティティなど、多くの実用的な用途に可能性あり

正直、環境への影響というところに関してはあまりピンと来ませんが、マーケットの全体感としては認識と一致しているかなと思います。僕自身がオンチェーン情報を全て見てるわけではないので具体的な数字の正確性はおいておきます。NFTの未来に関しても、よく言われていることです。

「ほとんどのNFTに価値がない」という主張の正しさ

レポートでは95%近くのNFTは無価値であるという主張がありました。

取引されていない大量のNFTが存在し、数字としても表れているので「NFTに価値がない」というのは正しい主張です。

NFTというナウでイケてるツールを使えば、ある程度のリテンションを集められて、売れるというのが通用しなくなったということです。現在のマーケットを見ても自明ですし、そもそもNFTプロジェクトをやってる事業者が明らかに減りました。

いわゆる「ハイプサイクル」というもので、NFTが登場して、プロジェクトが勃興した当初は、NFTの持つ技術に革新性があって、多くの人が可能性を感じていました(かくいう僕も2021年とかかのバブル真っ只中でWeb3領域に参入しているのでその一人です)。ただ、中身を深く知らないことによるNFTに対する過度な期待感や急激な流行による人の流入は冷え込みも急速に起こします。ハイプサイクルにおける幻滅期は、技術に対するバブル崩壊みたいなものです。

ハイプ・サイクル

ネットワークの拡大速度とリテラシーの関係

これまで自分の記事で何度もネットワークの話をしてきました。

BTCに価値がある理由は、みんながBTCには価値があるという合意形成のネットワークがあるからです。貨幣も同様です。

そして、その合意形成の裏付けが仕組みなのか、信用がなのか、伝聞なのかというところにネットワークの強度が現れると考えています。(伝聞というのも信用ですが)

ネットワークの強度をもう少し分解して考えてみると、ネットワーク参加者のリテラシーにあります。1次情報からネットワークを形成していればしているほどネットワークの強度は大きくなります。BTCはその代表的な例です。

逆に2次情報、3次情報…と本来の情報から離れていけば解釈は歪曲していき、ネットワークの参加者が持ちえる情報に齟齬が生じます。

ここで生じる齟齬がハイプサイクルにおける「過度な期待」であると言えます。


インターネットの空間はn次情報が大量に流れています。そして、大量の人がn次情報を獲得できるようになりました。これによってバブルのサイクルがかなり高速になったと思います。

過去起こったバブルをwikiで見てみましょう。

  • 1872年(明治5年) - 1879年(明治12年)

    • 対象資産:ウサギ

    • 日本の軍需の為の食肉毛皮需要によるウサギ飼育ブーム(ウサギバブル)

  • 1915年(大正4年) - 1920年(大正9年)

    • 対象資産:株式・土地・商品(綿糸・生糸・米等)

    • 日本の株・土地・商品の上昇(大戦景気、大正バブル)

  • 1920年代後期

    • 対象資産:株式

    • アメリカで、第一次世界大戦のためヨーロッパから流入した資金により株投資ブームとなる。暗黒の木曜日の株価大暴落でバブルは崩壊し、世界恐慌の引き金となった

  • 1930年 - 1931年

    • 対象資産:アンゴラウサギ

    • アンゴラ兎毛の利用に関心が高まり、海外輸出や国内の兎毛工業発達による需要増加を見込んで価格が高騰した

  • 1950年 - 1953年

    • 対象資産:株式

    • 朝鮮特需による日本の株投資ブーム

  • 1972年 - 1973年

    • 対象資産:不動産

    • 日本の不動産ブーム

  • 1980年代前期 - 1991年

    • 対象資産:株式・土地

    • 日本の株と土地の異常な上昇

  • 1990年代前期 - 2000年代初期

    • 対象資産:株式

    • アメリカを中心に世界中のインターネット・バブル

  • 1992年 - 1994年 

    • メキシコをはじめとする中南米バブル。

  • 1993年 - 1997年 

    • 東南アジア(特にタイの不動産バブルが中心)バブル

    • アジア通貨危機で崩壊

  • 2003年 - 2006年

    • 対象資産:住宅・不動産

    • アメリカや中国をはじめ世界中の住宅・不動産バブル。サブプライムローン問題の形で崩壊

  • 2004年 - 2008年

    • 対象資産:原油・石油等

    • 原油先物取引市場に大量に流れ込んだ投機が主な原因、資源バブルによるオイルショック

  • 2010年 - 現在進行中

    • 対象資産:株式

    • 世界金融危機後の世界的な金融緩和政策による株の上昇(2023年現在、金融引き締め政策を行っている国もある)。

  • 2017年 - 2018年

    • 対象資産:仮想通貨

  • 2021年 - 2023年

    • 対象資産:NFT

球根から始まりクリプトバブルまで書かれています。この次に2021-2022年 NFTバブルになります。この一覧を見てみると、インターネットが成熟する前はバブルの期間が平均的に4-5年くらいですが、クリプトで起こっているバブルはいずれも1年弱です。

よくクリプトでは情報が早すぎるなんてことが言われますが、それゆえに高速なハイプサイクルが回っているのだと思います。

価値がない≠意味がない

散々価値がないと言ってきましたが、「価値がない」は、「意味がない」というわけではありません。これはNFTがコモディティ化し始めているだけだと考えています。

例えば、陶器でできたコップはコモディティです。この前初めて陶芸をやりましたが、僕がつ食ったコップに価値はありません。ただ陶器でできているので熱いものを飲んだりすることができるのでコップであることに意味はあります。それと同じです。

NFTであることに価値はありませんが、意味はあると思っているので、なんでNFTを使う必要があるの?という意味を見つけないといけないだけです。NFTはデジタル空間の紙みたいなものでしかないので、紙自体に価値を見出すのが終わっただけです。

また、僕自身はこれまで主張しているNFTをコミュニケーションツールとして使うことでNFTの意味を発現できるという主張も変わりません。NFTは、一つのメディアです。

Twitter:@0xguss3

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