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Web3.0から始まる「みんな」思想

こんにちは、ぐっさんです。

Mirrorからnoteに移行してからはじめてのブログです。noteはスマホでも記事を書けるので、素晴らしいですね。移動中ずっとnote使ってます。

昨年はNFTという技術を取り扱う中で「価値ってなんだろう」というところからネットワークやコミュニティなどについて深く考えるようになりました。

結論としては、コミュニティというのは、特定のコモンセンスから生まれるコミュニケーションのネットワークであり、価値創造とはネットワークそのものである、といったものです。具体的な話は「ネットワークのすゝめ」に書いていますので、もしご興味があれば読んでみてください。(金取ってます)

https://note.com/0xguss3/n/nfd8fdfb2da68

今回は普段から取り扱っているNFTをはじめとするブロックチェーン技術を取り巻く概念としてWeb3.0を少し別の角度から捉えていきたいと思います。

Web3.0ってなんだ

まず、タイトルにも含まれているWeb3.0とはなんでしょうか。

過去に色々な方がWeb3.0というものを定義したり解釈していますが、一番フラットな解釈をしてそうな経済産業省の資料では、以下のように定義されています。

経済産業省より

Web3.0は、ブロックチェーン技術を基盤とした、価値の共創・保有・交換を行うトークン経済

https://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/sangyokinyu/Web3/index.html

ブロックチェーンの発達によってデータに付加されたトークンを所有・交換・売買することができるようになり、このムーブメント全体をWeb3.0と総称しています。

Web3.0の定義に時間をかけていてもしょうがないですが、よく言われる定義としては先の経産省のもので問題ないかと思います。

Web3.0の裏テーマ

先程はブロックチェーンという技術を中心にWeb3,0を定義していますが、次はWeb3.0の裏テーマです。

よくWeb3の事業者は、ブロックチェーンを基盤としてないサービスでも「Web3.0っぽい」という評価をすることがあります。「Web3.0っぽい」というのはWeb3.0が持つ思想やイメージがサービスに盛り込まれている時によく言います。

このあたりから個人的な意見が強くなっていきますが、Web3.0が持つ思想を平べったく言うと、「たくさんのユーザーが参加することで、価値を創造している」ということです。そもそもの話ですが、Web3.0の起源は、ビットコインにあります。

ここでビットコインの説明を深くするつもりはありませんが、ビットコインは、9枚のPDFファイルの論文を発端としており、当初は二重支払いを防ぐための決済システムを構築するための論文として発表されました。ここからビットコインが生まれ、今やデジタル資産として、一つの地位を確立しています。

原文
https://bitcoin.org/bitcoin.pdf

日本語翻訳
https://bitcoin.org/files/bitcoin-paper/bitcoin_jp.pdf

ここで注目すべきポイントはビットコインに資産的な裏付けはなく、価値を0→1で創造している点です。さらにいえば、ビットコインの価値は通常のサービスのようなサービス提供者/受益者のような線引きがなく、ユーザー間で価値を作られています。まさに分散的に発達している資産です。

これは、ユーザーがビットコインというコンテンツを育て上げているということと同義で、ビットコインをコミュニティが育てれば、ビットコインの保有者は自分の持っているビットコインの価値が上がるのでインセンティブになります。このエコシステムにWeb3.0っぽさのエッセンスがあります。




Web3.0っぽいサービスの例で言えば、切り抜きジャンプというサービスがあります。

https://kirinuki.shonenjumpplus.com/

これは、いわゆるUGC(User Generated Contents)と言われるもので、ユーザー自身がいい感じに漫画を切り抜き、スタンプなどを押してコンテンツを生み出すもので、具体的には以下のような体験になります。

  1. ユーザーが面白いマンガの一部を切り抜いて拡散する

  2. その拡散リンクで増加したインプレッション数がユーザーのポイントになる

  3. ポイントがダッシュボードに反映され、他ユーザーでのランキングが表示される

これはユーザーがコンテンツを育てるという点でWeb3.0っぽいです。もちろん既に漫画として成立しているコンテンツはあるので0→1ではありませんが、独自の面白い視点や加工をすることでユーザー自身が育てて、ポイントがユーザーへの貢献度として可視化されていきます。

当サービスを知った当初は、このポイントを使って何かできるというのはなかった気がしますが、このポイントを介して「作品のグッズがもらえる」や「原画がプレゼントされる」などがあってもいいかもしれません。



他にもご存知、Wikipediaがあります。

Wikipediaは、非営利団体によって運営されるフリー百科事典として、あらゆるコト・モノ・人などのあらゆる事象の百科事典として機能しています。

ウィキペディアは、信頼されるフリーなオンライン百科事典、それも質・量共に史上最大の百科事典を、共同作業で創り上げることを目的とするプロジェクト、及びその成果である百科事典本体です。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/Wikipedia:ウィキペディアについて

Wikipediaは、みんなが自由に加筆・編集が可能なインターフェースを設けて最高な百科事典を作るという目的を達成しようとしています。

寄付などで成立していることや正しい記事を書くことのインセンティブがあるわけではないので、完全にエコシステムとして成立しているわけではありませんが、何かを手軽に知りたくなった時のWikipediaというのは非常に強力なツールになっていることを考えれば、かなり完成されたサービスといえます。



Web3.0っぽさを入れるというのは、ユーザーが参加して、価値を創出しているということですが、少し具体的に書くと以下のような特徴を持たせることになります。

  • ユーザーが参加し、何かしらの形で還元されるという設計がされており、ステークホルダー化する(還元というのは金銭的なインセンティブに限らない)

  • ユーザー間でのコミュニケーションが生まれ、価値を創造する土台ができている(コミュニケーションそのものが価値創造になる)

  • ユーザーの参加が増えれば増えるほど、サービスの効用は増加する(ネットワーク効果がある、但しコミュニケーションが作れていればネットワークは勝手に生まれる)

これらの特徴を踏まえて、「たくさんのユーザーが参加することで、価値を創造している」というのがWeb3.0の裏テーマになります。

Web3.0は、みんなで〇〇をやるのにベスト

先の裏テーマに沿ってWeb3.0、(以降はWeb3.0の裏テーマをWeb3.0(裏)と書きます。)というものを捉えていきます。

Web3.0(裏)は、「たくさんのユーザーが参加することで、価値を創出している」というふうに定義している通り、ブロックチェーンを使っているかどうかは問いません。いわゆるWeb2.0と呼ばれるものでもWeb3.0(裏)を実現することは可能ですし、なんならWebである必要もないかもしれません。

Web3.0(裏)の重要な要素は、みんなで価値を創出するプロセスを持っているということです。

価値の共創というのは、各所方面でよく言われることで抽象的な言い回しですが、価値を共創する上で前提があります。

それは、目標がコミュニティの内で一意になっていることです。

目標が定まると取るアクションに合理性が生まれます。あるアクションが目標達成に寄与するのかの判断ができるようになるということです。

価値の共創におけるアクション(目標達成のための行動)がコミュニケーションと呼ばれるものになりますが、このコミュニケーションが具体的で定まっていると非常滑らかなコミュニケーションを生み、価値の共創をエンカレッジします。

先ほどのWikipediaでいえば、目標は「信頼されるフリーなオンライン百科事典、それも質・量共に史上最大の百科事典を、共同作業で創り上げることです」が、このためのアクション(コミュニケーション)は、各人が自由に記事を書いたり、読んだり、編集ができるということです。

「自由に記事を書けること」は、「信頼されるオンライン百科事典をつくる」ということを実現すること可能ですが、完全性はありません。つまり、自由に書けるということは間違えた情報を書くこともネタっぽい情報に編集することもできるということなので、正しくコミュニケーションが機能しない可能性もあります。

一方で、Web3.0におけるSmart Contractという存在は、ブロックチェーンエコシステムにおけるコミュニケーションの定義を規定する機能を持ちます。

例えば、UniswapというDEX(分散型取引所)は、手数料が安く、24時間365日誰でも使える分散型の取引所を作るという一意の目標が前提にあり、そのコミュニケーションを

x・y=k(kは一定である)

という数式をSmart Contract上で定義して、不変のコミュニケーションプロトコルとして機能しています。

ここではUniswapの詳細は割愛しますが、誰でも流動性の提供者になることができ、流動性が増えれば増えるほどトークンスワップ時のロスが減るためUniswap自体のサービス効用が高まっていきます。

このサービスの特性がユーザーを呼び、Uniswapのユーザー数・取引量はDEXのなかでもトップクラスに位置しています。

これは手数料が安く、24時間365日誰でも使える分散型の取引所を作るという目標に対してのアクションが規定されたトークンをペアでコントラクトに預けるだけなのでシンプルかつ明確です。

このように取るべきアクションをSmart Contrat上で定義することができるため、Web3.0はみんなで〇〇をやる手段としてベストなわけです。

「みんな」でやる意味と価値

そもそも、なぜみんなでやる必要があるのでしょうか?みんなでやる意味とはなんでしょうか。

みんなで○○をやるというのは○○を達成・実現するためのコミュニティなわけですが、このコミュニティという存在は我々の祖先からある生存戦略であり、本能的にみんなで集まったりすることを脳内に刻まれてるわけです。

ここからは、完全な私見で裏付けなんてものは存在しませんが、リアルなコミュニティは、インターネットの登場によって希薄化しました。いわゆるご近所付き合いみたいなものがなくなったわけです。それは多くの人がインターネットを介して簡単に色々な人とコミュニケーションができる場ができたためです。

ただ、コミュニティの総量は減っていません。リアルとインターネットの世界に別れただけですし、なんならコミュニティの数自体はかつてよりも格段に増えました。

しかしながら、最近になってインターネットというものの窮屈さが加速している気がしてます。というよりも、インターネットが人間の醜さを露呈させることに長けてます。

わかりやすい話でいえば誹謗中傷ですし、逆にInstagramのような自分の生活をよりよく見せたりする動きも同じです。Be realが流行ることが、instagramのカウンターカルチャーであることは容易に想像できます。

昔から陰口があったり見栄を張ったりするというのは人間の習性としてあるのでみんな知ってた事実なのに、それが露呈すると疲弊していきます。

これを解決するのがコミュニティです。

ちなみに学校のクラスなどをコミュニティと呼んだらしますが、あれは自分の定義ではコミュニティではなく、ただの群れです。

なぜなら、そのクラスにコモンセンスはなく目指すべき目標もないのでコミュニケーションのプロトコルが整備されていないためです。

群れとコミュニティの区別をしっかりつけないと議論が錯綜するので気をつけましょう。

話を戻しますが、みんなで〇〇を達成するコミュニティというのは、○○を達成することをある種の仮想的を作るようなイメージです。一つの敵が生まれるとそれに対して一致団結するというシーンはよく見かけますが、それです。

そのコミュニティにおいて目標へのコミュニケーション以外はノイズにできるので、窮屈さを感じる必要がなくなります。このノイズを余白と捉えることができますが、多くのユーザーが参加した時に余白が効用を下げるので基本取り除くべきだと考えています。

インターネットにおいてもリアルにおいてもコミュニティはノイズが多過ぎることでうまく機能しないということがしばしばあります。

さらに言えば、コミュニケーションをプロトコル化してノイズを減らせるのがWeb3.0の真髄です。

文章がまとまらないのですが、みんなでやる意味や価値は、疲弊した社会への処方箋という感じでしょうか。

まとめ

Web3.0とWeb3.0(裏)という視点からみんなで〇〇を達成すること、すなわちコミュニティの価値を考えてみました。

Web3.0(裏)は完全に思想の話で、「たくさんのユーザーが参加して、価値を創出している」という定義を規定しました。

この思想は特定の目標とその目標を実現するためのコミュニケーションによって実現可能ということを書きました。

以上

Twitter: @0xguss3

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