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地球を30周してブータンの人に教わった幸せに近づく方法

幸せになりたいのに遠回りする私たち

みなさん、お金ほしいですか?
いいね、ほしいですか?
幸せに、なりたいですか?

そのまま家に上がり込んで怪しいツボでも買わせそうな勢いですが、戻るボタンを押す前にちょっと待ってください。怪しいNFTも買わせません!

私の名前はDa-と言います。仕事ではWeb3.0のコンサルやリサーチをやっています。

最初の質問には、ほとんどの人がYesって答えると思います。私だってもちろんYesです。

私はお金をもうけたくてWeb3.0をはじめた人ですし、なけなしの500万円をETHに突っ込んで3年間含み損だった人でもあります。

結果的にこの経験からWeb3.0がライフワークになったので良かったんですが、3年間は散歩してるときとか、トイレに立った時に、ふと「500万円…」って思いましたし、嫁さんにも言ってません。この話は墓まで持っていきます。

なんでこんな質問をしたかというと、みんなお金もほしいし、「いいね」もほしいのって、幸せになりたいからだと思うんです。ゴールは「幸せ」なんですよね。

ただこのカードの裏側には「不安」というジョーカーも隠れています。将来に対して不安があるからお金がほしい、自己肯定感が低いから自分を肯定するために「いいね」がほしいんだと思います。

デロイトの調査によると、Z世代(諸説あるが15~24歳)の46%が仕事やその多くの場合で不安を感じており、ミレニアル世代(25~34歳)の39%も同様に感じています。

「あなたは常に心配やストレスを抱えているか」というアンケートへの回答

出展:2024 Gen Z and Millennial Survey (P28)

でも、幸せに向かっているはずの私たちはそんなに幸せではありません。お金がほしい理由にFIREを挙げる人も居ますが、FIREをしても幸せにならない人も居ます。

NHKのクローズアップ現代を見ると、FIRE後にテレビや読書で時間をつぶし、人や社会とつながる機会が減り、妻からは「なんでいつまでもリビングに居るのよ」と言われ、心理カウンセリングを受けているといいます。

参照:クローズアップ現代

「幸せ」って何なんでしょう?人によって定義は違うし、言語化も難しいと思います。私は色んな人の幸せを見ることでそれが分かるんじゃないかと思い、フィリピンのゴミ山に住む人、インドのスラム街に住む人、アジア、北中南米、ヨーロッパなど、地球を30周するくらい飛び回る機会がもらえました。

そこで感じた事と、あとこれはGaudiyの採用ブログなので、だからGaudiyで働いているよという話をします。最後まで読んでもらえるとうれしいです。

私はお金も好きですし、たまの贅沢も好きです。ポイントはちまたにもあふれている、「比較しない」という考えをどれだけ実感できるか、どうやって実感したかという点です。

世界の色んな人を見た話

私は社会人になりたての頃、月75時間程度とそこそこ残業をしていました。もっと残業している方も居ると思いますが、私はおとうふメンタルなのでこの時間でもヒィヒィ言いながら仕事をしていました。

この時ふと考えたのが、このままだと子供が産まれても、朝は子供より早く起きて会社に行き、夜は子供が寝た後に帰ってくる。子供とは週末しか会えないんじゃないか。やっている仕事はプリンタの印刷速度を少し早くすることで、このままで自分は良いんだろうかということです。

この頃は私もFIREしたいと考えていて、人生の優先順位でお金を一番にしていました。そして、友人から「尊敬してる人と会わせたい」と言われてネットワークビジネスに引っ掛かりました。

また貯金を人生のパラメータのように考え、必死に増やそうとして暗号資産で500万円を無くすと、まあテンプレのようなことをやってました。

こんな経験を経て、どうもこの方向では幸せにはなれないなという漠然とした思いがありました。良くも悪くも人の言うことを鵜吞みにするタイプなので、「どうも他人に施すと幸せになれるらしい」と本で読み、フィリピンのゴミ山にボランティアに行きました。

フィリピンのマニラ市のスモーキーマウンテンで撮った写真

またインドのムンバイにある、アジア最大のスラム街と言われているダラヴィーにも行きました。ここで家庭用ミシンを使ってビジネスと途上国支援の両立ができないかと、リキシャーで飛び回ってました。

インドのムンバイ市のダラヴィーで撮った写真

しかし、このような活動にも「なんか違う」感がありました。なんだか「一般的によいと思われることをやってるから許して」みたいな、免罪符を求めている気がして、自分や周りに言い訳をしていると感じたからです。

でもフィリピンやインドの人はお金の有り無しに関わらず、なんだか諦観のないエネルギーに満ちていて、幸せに関するヒントがありそうだなと感じていました。

その後は仕事を海外営業に変え、地球を30周、月まで2往復できる距離を飛行機で飛び回りました。アフリカと南極大陸以外は行ったと思います。色々な人や風景に会いました。アルゼンチンでは自国通貨をまったく信じない人たちと働いたり、非常にきれいな墓地を見たりしました。

アルゼンチンのブエノスアイレスのレコレータ墓地で撮った写真

メキシコではオフィスとホテルの間でHold up(銃突きつけ)があるから気をつけろと言われつつも、街並みはとてもきれいでした。

メキシコの街並み

中でも印象に残っているのは、ブータンに行ったときにガイドから聞いた話です。当時ブータンはGNH(Gross National Happiness: 国民総幸福量)を経済指標のGDPより重視していました。

その結果、発展途上国ながらも国連の世界幸福度ランキングで北欧諸国に続いて8位になっており、世界一幸せな国と呼ばれていました。

私はこれがどうしても気になり、新婚旅行先をブータンにしました(イタリアから変更させてくれた嫁さんには頭が上がりません)。

そこで旅についてくれていたガイドにこんなことを聞きました。
「日本は経済的には豊かだが、年間三万人も自殺者が居る。ブータンは世界一幸せな国と言われていてうらやましい。何が違うんでしょうか?」
するとガイドはこう答えました。

「日本から見たらブータンがうらやましいかもしれないが、ブータンから見たら日本はうらやましい。」

「ちなみにブータンにはこんな話があります。ウサギは強くて大きいライオンをうらやましがりますが、ライオンは草を食べるだけで生きていけるウサギをうらやましいと思っています。」

「どこに居ても隣の芝生は青く見えます。大事なのは、自分が置かれた場所でどのように過ごすかではないでしょうか?」

ブータンで撮った写真

この話は私が求めているもののヒントになる気がしました。

今の世の中を見てみると、みんな幸せになりたいとはもがきつつも、結果的に逆に行っている気がします。その原因は資本主義のバグとSNSにありそうです。

私は先日、世界一貧しい大統領と呼ばれた、ウルグアイのホセ・ムヒカ元大統領のドキュメンタリーを見ました。大統領在職中も公邸ではなく農場で生活を続け、国民平均の収入を超えた給与分をすべて寄付をした人です。

私はお金が好きですし、たまに贅沢するのも好きです。だからそんなことは自分にはとてもできないのですが、それをできるホセ元大統領のことが非常に気になりました。

ホセ元大統領は20代には反政府ゲリラ組織の指導者として活動し、軍事政権の間は13年間刑務所に収監されていました。刑務所では拷問を受けるなどして精神に異常をきたし、幻覚や幻聴があったといいます。その後に軍事政権は転覆され、努力の末に大統領になった人です。

彼は質素な生活をする理由としてこう語っています。
「現代では、世の中に強制された欲求を満たすために人生の時間を費やしています。そうではなく、自分の好きなこと、選択したことに人生の時間を費やすことこそ自由なのです」

「小さなスマホをもって抽象的な虚構の世界を生き、新しいものを買うためだけに生きることもできます。もし買い物の代金を払うために働いて、働いて、年を取るまで働き続けたら、私の人生は何だったのかと最後に疑問が生じるでしょう」

「我々はお金を人生で買っています。豊かになることにフォーカスしすぎるのでなく、本当に大事なものを大事にしてほしい」と彼は言います。

彼の人生は日本語で映画にもなっているので、気になる方は見てみてください。

参照:NHK

また、SNSで話題に上がる容姿(ルッキズム)について、ベネトンやルイヴィトンの広告にも起用されたモデルのキャメロン・ラッセルのTEDも興味深いです。

彼女は自分が遺伝子ガチャに当たってモデルになったことを認め、容姿では勝ち組と言える自分が最も容姿で苦しんでいると言います。また、容姿に恵まれた自分がその維持に苦しむ罪悪感をプレゼンしています。自分の多くの画像が加工されたものであることも告白しています。

参照:TED.com

お金も美貌も持っている人も苦しんでいる。理由は他人との比較に際限は無いからです。これらのことから、課題は資本主義のバグとSNSにありそうだと考えました。

資本主義のバグとSNS

SNSは比較を助長します。その理由はSNSを運営しているのも営利企業であり、彼らの主な収益は広告宣伝費です。SNSを利用する企業は多くの物を買ってもらう必要があります。

すると企業が発するメッセージは、「今持ってるものよりこっちが良いよ」という物の比較や、「こうするともっと美しくなるよ」という容姿の比較などになります。

このメッセージは裏返すと、「今のままのあなたでは不十分だよ」という意味も持ちます。

またSNSでは、比較しやすい数字やメタデータ(属性や関連する情報)が力を持ちます。それらは、いいね数が多い、有名シェフのレストランで食べた自慢、誰かの美貌などです。

ただこれらの情報は多くが加工されています。人々は実在しないデータと比較して、自分はまだ足りないと感じ、実在しない物を求めます。

これからの世の中はリアルよりバーチャルで過ごす時間が増えていくと思っています。バーチャルはリアルよりも情報量が少ないので、より数字やメタデータが重要になります。数字で表せない優しさなどの要素は優先度が下がっていくかもしれません。

このSNSにも疲れる人が多く、最近はオープンではなくより狭いコミュニティに流れているようです。

このような課題は既にいろんな場所で議論されていると思います。「そんなことは分かってる」と思いつつも流されてしまうのは、この流れが大きく、脱出するのが難しいからでしょう。

じゃあどうすればいいのか

今までは課題提起の例が多かったですが、視点を変えて幸せになるための研究を見てみます。ハーバード大学が行った84年以上数世代にわたって2000人以上の人生を調査した研究があります。そのポイントは良い人間関係とコミュニティだそうです。

参照:TED.com

これらの課題の解決と、その方法を探っているのがGaudiyです。Gaudiyは、他人と比較するのではなく、共創することで一つの目標に向かうSNSアプリのFanlinkを開発しています。

Fanlinkは企業とファンを生産と消費者という枠組みでなく、共に成長していく共創に変化させます。そのためのツールとして、価値の滑らかな分配を行うWeb3.0と、共創をスムーズにするためにAIを使っています。

こんな話をしましたが、私は今でもお金が大好きですし、たまの贅沢も好きです。ポイントは、不安を材料に私たちを駆り立てる資本主義のバグに踊らされることなく、他人と比較しないことだと思います。

比較しない方がいいのは耳タコでわかっている。どうやって実感するかというと、私も心の底から実感できてるわけではないです。いろんな人に会い、いろんな本を読み、いろんな経験をして納得感を少しづつ積み重ねていく。

それが時によって納得できたりできなかったりする。完全には無くせないけど、上手に付き合っていくのが良いのかなと思います。

ただ資本主義やSNSの力は強力なので、それを解決するツールをGaudiyは作っています。比較せず、インセンティブ(報酬)を持つべき人に渡し、まるで学生の頃の文化祭のように共通のゴールに向かうコミュニティを作っていく。

それによって少しでも好きで暮らせる世の中を作っていく。無茶で無謀ですが、結構エキサイティングな仕事です。

そんな仕事をGaudiyでやっています。一緒に働いてくれれば最高ですが、よかったら話だけでも聞きに来てもらえるとうれしいです。

私とのカジュアル面談はこちらからどうぞ。こちらからはGaudiyの他の人とも話せます。

また、CEO風味の石川さんのNoteも面白いので、よかったら読んでいってください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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