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いまさら聞けない!フェミニズムとは??

フェミニズムという言葉を聞いたことがありますか?Googleで検索して、初めに目についた意味は、「女性の社会・政治・法律上の権利拡張を主張する考え方。女権拡張論。」。この意味を読む限り、女性の社会・経済・政治的地位の向上を目的とする女性中心の活動なのかなと多くの人は誤解をしています。その様な誤解が、日本国内に残っていることもあり、とある女子大生が”フェミニズム”とTwitterで発信したことにより、バッシングを受けたという被害もあります。本来のフェミニズムの意味とは、「男性も女性も平等の権利と機会を持つべきという信念、そして性別による政治的、経済的そして社会的平等の理論」であるのです。また、フェミニストとは、「性別や人種や物事に対する姿勢だけをベースにして人と接することがない人」のことを指します。今回は、そのフェミニズムの本質について説明し、日本と各国の違いを紹介いたいと思います。

フェミニズムの本質とは??

 まず始めに、日本だけでなく世界でもとても有名なフェミニストである石川優美さんをご存知でしょうか?彼女は、世界的でトレンドであった#KuToo運動の先駆者です。そもそも、#KuToo運動とは「かかとの高いパンプスやハイヒールを女性が職場で強制されるのはおかしい――。」という彼女の経験から始まったフェミニズム運動の一つです。実際、パンプスやハイヒールは足への負担も重く、私自身女性が痛がっている姿を目にしたことは何度もあります。「世界の国々では、職場では女性にだけパンプスを強制されているもしくは無意識のうちに身に付けている一方、男性はフラットな靴を履くことが無意識のうちに認められている」このような現状に対して彼女は「#MeToo運動(性被害やセクハラを告発する運動)」と「靴」と「苦痛」を掛け合わせた#KuToo運動を始めました。この運動は徐々に世界へ波及し、2019年には石川優美さんはBBCによる世界の人々に影響を与えた「100人の女性」へ選出されました。その時、彼女はBBCの「フェミニズムとはなにか?」インタビューに対して”We're still in the situation where lots of people don't even realise there's gender discrimination in Japan, and for the #KuToo campaign too, lots of people don't regard it as an issue of discrimination. I hope people notice this kind of discrimination in our daily lives, and realise men and women are equal.(私たちはまだ、多くの日本人は日本において性差別があることに気づいていない。#KuToo運動もまた、多くの人々がそれを差別の問題だとみなしていない。私は、多くの人々がこの種の日常に潜む問題に気づき、男女平等が実現することを望んでいます。)”と述べています。このインタビューにおいて、彼女はフェミニズムとは「男女平等の実現」と言っております。つまり、フェミニズムの本質としては「男女平等の実現」であると考えられます。

日本ではどの程度男女格差が残っているのか?

 では、いったい日本はどの程度男女の不平等が残っているのだろうか?ハフポストでは2019年版ジェンダーギャップ指数について、「男女平等はまた後退 ジェンダーギャップ指数2019で日本は過去最低を更新し121位、G7最低」といった見出しを付けた記事を発表した。この記事によると、日本では「政治」と「経済」の分野で他の先進国と比較して大きく後れを取っている。しかし一方で、「健康」、「教育」の分野では他の先進国と比較しても遜色がない。

フェミニズムは本当に男女平等実現に繋がるのか?

 このような現状に対して、我々が何もしなければ女性差別が無意識のうちに根付いてしまい、さらには女性の「政治」、「経済」の活躍の機会を奪ってしまう(現実には奪ってしまっているが)。このような、現状に対して女性が中心となって行った活動が「フェミニズム」である。世界におけるフェミニズムの先駆者として真っ先に名前が挙がるのはベティ・フリーダン(Bettey Friedan 1921-2006)である。彼女の著書である『女らしさの神話』では「車や家電製品に囲まれた郊外の家庭で、一見幸せに暮らす白人中流階級の女性たちが、男性が作り出す『女らしさ』という『神話』に囚われ、抑圧されている」と主張した。この本がベストセラーとなり、フェミニズムが急速に広がった。この後には、1969年『アメリカの性革命』では、「女性が『女らしさの神話』に囚われているように、男性も『男らしさの神話』に囚われている」と述べられている。また、この動画で最も注目すべき点は、性的マイノリティ(LGBTQ)にも触れている点である。つまり、個人が性別という分類で分けられていることは、個人の(職業や、ライフスタイルなどの)可能性を否定してしまうことに繋がるということである。

 この説明だけでは、あまり理解しにくいと感じるので日本国内における政治面で具体例を挙げて説明してみると、日本における歴代総理大臣は1885年伊藤博文から始まり、2020年安倍晋三まで97代(およそ135年)にわたり一貫して男性のみが総理大臣のポジションに就いてきた。また、日本における女性政治家の割合は全体で10.2%(2019年2月)と男性が大多数を占めている。日本国憲法において女性の総理大臣が禁止されているわけでも、女性政治家の割合も制限されているわけではないが、日本人が長い間このような環境下で生活していると多くの人が無意識のうちに「女性は総理大臣になれない」や「政治家は女性のできる仕事ではない」と感じてしまう。つまり、女性の「政治参加」という可能性を奪っているということである。

男性も性差別で苦しんでいる現状

 性差別で苦しんでいるのは、何も男性だけではありません。多くの男性も「男らしさの神話」に苦しんでいる現状もあります。一般的に言われるな男らしさとは、「プライド高く野心家、子育てより仕事優先、デート代は奢るのが当たり前、逆三角形のボディ」などなど挙げればきりがないですが、このような例が考えられます。私自身、祖父母からは「男たるもの人前で泣くな!」や「男の髪型は短くするべき!長髪は女っぽい!」などと言われたことは今でも覚えてます。このようなステレオタイプに悩んでいる男性は日本だけでなく世界で数多くいます。2014年国連のキャンペーンである「HeForShe」でエマワトソンさんは、男性に対してこのように語りかけていました。

男性のみなさん。この場を借りて、みなさんを正式にご招待します。
男女平等は、男性のみなさんの課題でもあるのです。
なぜかというと、私は母と同じく父の存在が大事だったのにもかかわらず、今日まで父は親としての役割を軽んじられるのを目にしてきました。
精神病に苦しんでいても、「男らしくない」と見られることを恐れて助けを求めることができない若い男性を見てきました。イギリスでは、20歳から49歳男性の最大の死因は、自殺なのです。交通事故、ガン、そして冠状動脈心疾患を上回っています。
男の成功という歪んだ意識によって、男性が傷つきやすく、不安定になっていくのを見てきました。男性も、平等の恩恵を受けているわけではないのです。

つまり、「男らしさ」に苦しんでいる人は世界各地で数多く存在しており、最悪の場合、命までも落とすことがあります。

最後に

 以上のような事例が様々な分野で多くあり、これまで女性や性的マイノリティ(LGBTQ)の可能性を無意識のうちに否定してきたのは間違いがない。女性や性的マイノリティ(LGBTQ)に不平等な社会だからこそ、声を上げなければ社会は変わらない。フェミニズムは、「女性の解放運動を通じて、全ての人が『男らしさの神話』や『女らしさの神話』に囚われない真の男女平等を実現するための運動」なのだから。