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マインドフルネス、べつに怪しくなかった

私の今年の目標は「セルフケアの引き出しを増やす」で、その一つとして今マインドフルネスをゆるゆる生活に取り入れている。
マインドフルネスは呼吸に意識を集中させる瞑想法。
必要なのは吸って吐くだけ、というハードルの低さが私に合っている気がする。

そもそも瞑想が気になりだしたのは結構前。
バレエダンサーの堀内將平さんがメンタルマネジメントとしてのメディテーション(瞑想)の重要性を語っていたり、リングフィットを始めてヨガの呼吸が落ち着くなあと実感したりしていた。でも、調べるとなんだか……。うーん。
そのときは宗教関連のサイトがヒットして、書店へ行ってもそういう本はスピリチュアルの棚にあるし、特定の信仰を持たない私にはちょっとちがうかも、となかなかちょうど良い糸口を掴めずにいた。

そんなときに、これならいいかもと思ったのが「Tide」というアプリ。きっかけはTwitterでバズっていたのだったか何だったか。

このアプリに「呼吸」のメニューがある。息を吸う/吐くタイミングを効果音だったりバイブレーションだったりで誘導してくれて、マインドフルネスのことをよく知らない私もすごく使いやすかった。
マインドフルネスをやっていると時計を見ないし時間の感覚がよく分からなくなるから、あらかじめ○分と設定して、その時間が経つとストップする設計なのも助かる。
何より、やってみるとリラックスできた。体内や脳内に溜まった澱が吐き出されてリセットされるかんじ。ただ息を吸って吐くだけなのに。なんだこれは。

無料版でもさざ波や焚火、雨などのホワイトノイズ的BGMが使える。
これも、思考すると脳内で音声が飛び交うタイプの私にはちょうど良かった。
外部ノイズでほどよく思考がぼやけるというか。
考えすぎずに済む装置として有効だな、という発見。
マインドフルネス中に流していることが多いけれど、それ以外に集中したいときや睡眠前に流すこともある。

ちょっと脱線するけれど、Tideには「集中」のメニューもあって、○分は集中するぞ!という時間を決めてタイマーを作動するあいだホワイトノイズを流してくれる。
なかには単なるタイマーではないポモドーロ・モードなるものもあって、なんぞや?と思って調べてみた。
集中(25分)と休憩(基本5分、何回かに1回は長めに)を繰り返すポモドーロ・テクニックという時間管理術があり、そのためのモードらしい。
一度試してみたけれど、要領を得なかった。
でも出来るビジネス・パーソンっぽくて格好良いのでちょっと修得してみたい。

また、ホワイトノイズを流すと寝つきが良くなるような気がするけれど、記録はとれていない。
このアプリには眠った時間や睡眠の質を記録してくれる「睡眠」メニューもあるのだけれど、私の設定の問題なのかエラーが多く出るし、今のところ記録をとりたいとも思っていないので、私のなかでは透明化している機能だ。

ほかにも一日一言という名言紹介のようなコンテンツやマインドフルネスについてのPodcast的なものもあるけれど、これらは全て英語で、英語が堪能ではない私はスルーしている。

というかんじで、主には「呼吸」モードでマインドフルネスを実践してみている。
私は思考がわりとぐるぐるしがちで、一つのことでうじうじ悩んでしまうし、ネガティブ思考だという自覚がある。
それで行き詰ったときはこれまで「とにかく寝る」で対処してきて、考えない時間をつくり、その時間の経過で記憶を薄めるようにしてきた。まあそういうときに限ってうまく寝つけなかったりするのだけど。
私にとってマインドフルネスは、「とにかく寝る」をしなくとも同等の効果が得られて、思考を切り替えるスイッチになってくれている。

でもマインドフルネスとはなんぞや?という初歩的なところが置き去りだったので、友達に教えてもらったPodcastを聞いたり、ヨガで有名なYouTubeチャンネルの動画を見たりしてみた。

上記でマインドフルネスの効果や、実践するときの環境などを簡単に聞いて、どちらとも後半にある誘導瞑想なるもの(吸って吐くタイミングを教えてくれる)もやってみた。

そこで分かったのは、呼吸法がいろいろあるということ。
口から大きく吸ったあと鼻から3回に分けて息を吐いたり、鼻から吸って口から吐くのを数回繰り返したあと鼻のみで吸って吐くように変えたり。

Tideの呼吸メニューでは「バランスのとれた呼吸」と「すぐ眠りにつける呼吸」の2種類のみなので、思ったよりもマインドフルネスの世界って奥が深いのかもしれない……と気づいた。

誘導瞑想を複数試したことで、人の声で誘導されるよりもバイブで呼吸のタイミングを知らせてくれるほうが気軽に呼吸に集中できるなという気づきもあった。
「吸って~吐いて~」という声が聞こえると声音に意識がいってしまうことがあるし、Podcastや動画だと導入で説明が入るので、アプリのほうがパパッと始められるというのもある。

基本はTideを使って、新しい呼吸法を試したくなったときにPodcastや動画を頼りにすると良いのかも、というのが現時点での私。
タスクにするとやらなきゃというプレッシャーで疲れてしまうし、幼子と過ごしていると一人で瞑想できる時間も限られているので、気が向いたときにやる程度で頻度は高くない。
そのときの自分に合った呼吸法をいくつか修得できて、誘導なしでも自在に始めて終われるようになるのが理想かもなあ、とぼんやり思っている。

マインドフルネスとメディテーションの違いについては諸説あるようで、明確な違いは分からなかった。
私は今のところマインドフルネスをメディテーションの一種と捉えている。

マインドフルネスは祈りと似ている。
信仰を持つ人たち、もっと言うと科学が大衆に広まる前の時代の人たちは、祈りを捧げたり坐禅を組んだりすることで、マインドフルネスと同様の効果を得て理不尽なあれこれと折り合いをつけていたんじゃないだろうかと妄想する。
そういう意味で、マインドフルネスは信仰を持たない人も実践できる祈りのように感じる。

同時に、マインドフルネスのようなセルフケアが必要な社会っておかしくないか、とも思っている。
マインドフルネスはストレス軽減の手法であって、もとからストレスがかからないならそのほうが絶対良い。
そのあたりは下記の竹田ダニエルさんの連載が参考になった。
セルフケア・セルフラブが社会構造の問題と切り離せないこと、ラディカル(抜本的)なセルフラブの必要性を指摘している。

生産性を上げるため、集中力を高めるためなどマインドフルネスを仕事の効率化に使う場合もあるようだけれど、私はあくまでストレス軽減のため、セルフケアとして使っていきたい。
それらのセルフケア・セルフラブが資本主義の渦に巻き込まれやすいことを自覚しておくとともに、ストレスをかけてくる社会自体がどうにかならんのかな?という視点とアクションも忘れないでいよう。


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