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深夜散歩 2023/3/6

深夜といっても23時を少しすぎたくらい、
散歩に出かけようと思った。

昼間は15度を越す日が続くようになってきたので、夜もあったかいだろうと思っていたが、
iPhoneの天気アプリは10℃となっていた。
10℃は流石に寒いだろうと着ていたジャージからジーパンに履き替えた。

スマホと財布を上着のでかいポケットに入れて、
明日の朝楽をするために、燃えるゴミをまとめて玄関を出る。

10℃よりはあったかいんじゃないの?と思うくらいの気温。
風呂上がりの体温にはちょうど良く涼しい気温。
空気も澄んでいる気がして、とても気持ちが良かった。

そんなに長時間歩くつもりはなかったので、
危なくないように大通り沿いを。
行きと帰りはなるべく違う道を通るように、駅まで行って帰ってくるコースにしよう。
20分弱の深夜散歩スタートです。


ゴミを捨て、ちょっと歩いて大通りへ。
いつもは自転車やら歩行者やらがチョロチョロ渡っていたり、車がバンバン通るし、緊急車両もしょっちゅう通る大通り。に、
誰もいない!!!!
一直線の道、割と頻繁に信号とむっちゃ明るいLED街灯があって、
そんな通りに誰もいない!!!!なんだかそれだけで嬉しい気持ちになってしまうのだから、それだけでも深夜散歩の価値がある。
時々後ろを振り返り、この道を歩いているのは私一人なんだという優越感を感じながら進む。

道路側にベランダが付いているアパートの2階。
ベランダに出ている人を発見してビビる。
遠くからじゃ、暗くてよく見えなかったから洗濯物だろうと何気なく凝視していたら、干してある衣類の間に女の人がいた。わお。
洗濯物を干していたのか、取り込んでいたのか、ぼーっとしていたのか。
ジロジロ怪しく見つめててすみません。
結構夜中まで干してる家あるけど、せっかく乾いた洗濯物が湿っちゃう感じしない?
ねえ、お姉さん。
と心の中で訴えかけながら通り過ぎる。

少し歩くと、私だけのはずの大通りに自転車がやってくる。
2台。並走してる。
そこそこ距離がある私の元にも届くほどの、
そこそこの声量で話してる。
楽しそうだ。
どうせ車なんて来ないのに、私も、2台のチャリも、律儀に信号で向き合って止まった時、大声チャリ主の顔をちゃんと見ることができた。
多分どちらも私と同じくらい、23、4歳の男女だ。
関係性はわからないけど、すごい楽しそう。
テンション感でなんとなく懐かしめの音楽の話をしてたみたいなかんじ。
車道側を走る男の人はダルダルのジーパンにパーカーに派手な色のニット帽。
女の人はスーツなのかオフィスカジュアルなのか、お仕事する人の服装で、
ベージュのトレンチコートを着ていた。
どうですか。これがパターン化されていないエモですね。非常に良い。

駅に近づいていくにつれて、人が増えていく。
終電まではまだ時間があるので全然人がいる。
こんな時間までお疲れ様ですわほんま。
死んだ目をした大人たちが下を向いて歩いているの流れに逆らって駅までどんどん進むのは私ともう一人と一匹だけ。
こんな夜遅くに散歩しているワンちゃんもいるんだね。
飼い主さんの都合なのはわかってたけど、
犬の散歩の相場は早朝か夕方あたりだと思ってたからなんだか異様に見えた。
犬種とかあまりわかんないけど、
マルモのおきての喋る犬に似ていた。
飼い主さんの顔は全然阿部サダヲではなかったけど、色白具合だけ似ていた。

あと信号一つで駅のところまで来た。
大体のお店はシャッターが閉まっていて、
松屋はさっきまで開いていたんだろう、まだ厨房にだけ電気がついていた。
そこの前の十字路で信号待ちをしているタクシーには【割増】の文字。
乗っているお客さんはかなり若い女の子。未成年かなとも思えるほど。
可愛い感じのふわふわの服を着て、運転手さんの後ろで大人しく座っている。
何をしてきたんだろう、タクシーを使うくらいだから家は駅から遠いのかな、
そんなことは考えなくて良いほど、ただその情景がエモかった。

駅に着いた。
ちょうど電車がついてすぐだったみたいで、ゾロゾロと人が降りてくる。
駅にほぼくっついているような感じのラーメン屋さんはまだ開いていて、
電車から降りてきた人が数人吸い込まれていった。
それと入れ替わりで、大学生くらいの男女グループがガヤガヤ騒ぎながら出てきて、駅のロータリーのベンチに座り込んで話の続きみたいだ。
居酒屋なんかの少ないところで、駅前もそのラーメン屋くらいしかないから、
だいぶ治安がいいね。

駅のパトロールも済んだので、とっとと帰る。
駅前のパチンコ屋。
昼間はこれでもかというほどチャリが止まっている。
もう建物の四方八方チャリで囲われているくらい止まってる。
台数もそうだし、止め方もそうだし、チャリの状態もそうだから、
どことなくこの辺は不法投棄もあるだろうなって感じなのに、
1台残らず無くなっていた。
すごいスッキリ。
いつも見る君たちは、全員現役で人間を乗せているんだねと安心した。

行きとは違う道を通りたかったので、大通りよりも一本入ったところ。
いまいちどの国かわからないが、明らかに外国の食品を扱うお店がある。
昼間はおそらく店主が店内外をウロウロしているけど、
お客さんらしき人は見たことないような、コンビニみたいな感じだ。
その店の前に人がたむろしていた。きっとそのお店のターゲット層の国の人。
4、5人くらいだろか。
あー、ちゃんと機能してるんだな、と思った。
機能って何かっていうと、ちょっとわからないけど、日本人だらけのこの町でどの立ち位置のお店?と思ってたけどしっかり憩いの場になっているじゃないか。いや、全員身内の場合もあるのかな、わかんないけど。

さて、もう最寄りのコンビニ。
セブンイレブン。
カレーフェア。
店に立ち寄りこそしなかったけど、ショートカットのために敷地内に入る。
深夜のコンビニ前あるある、
不良が溜まっている。
不良ではないのかもしれないけど、金髪とか女児向けの人形みたいな茶髪で、スウェットで、の人が3人くらいコンビニ横の喫煙スペースに屯してた。
なんかそういうちょっとワルみたいな人の近くを通らないといけない時、
「私ってめちゃくちゃいい女」
の顔して歩くことよくありません?
よくっていうか必ずめちゃ可愛い顔して歩くんだよね私。
別にジロジロみられてるかもとかなんか言われるかもと身構えてるわけでは決してないんだけど。
なんかメンタルが地球上に男が35億いると思ってる感じになっちゃうんだよな、
だから不織布マスクの下でちょっと微笑んで、顎を引いて、姿勢を正して、肩で風を切りながらセブンイレブンを通り過ぎて家に着いた。


今日の散歩はこれで終わり。
深夜散歩はいつもの景色がいつもと違ってるからとても楽しい。
深夜散歩をいつもしてしまうと、いつもと違ってるのがいつもになってしまう。
それは嫌なので、頻繁にしないようにしよう。
1シーズンに1回くらい、季節の変わり目に深夜散歩またしよう。


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