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溶けた

私にとっての人生とは雪である。

私は去年の夏、今までにない経験をした。

それは人と縁を切ること。

その人は中学からの友達だった。
趣味もほとんど一緒で話していると楽しかった。

でもあることがきっかけで言い合いのようになってしまった。

私にも悪いところがあると自覚している。
けれど、相手も悪いとも思う。
全て自分が悪いと思うときはあるけれど、今回は違うかな。

私は謝ったし相手も許してくれた。

表面上は、許してくれた。

相手は謝ってはくれなかった。

あとから考えると中学のときから価値観が違ったのではと感じる。
違和感を抱くときが多々あった。

この経験をしてから少しでも違和感を抱いた人とはあまり深く関わらないようにしている。

でもそれってちょっと悲しい。

まぁそれは置いておいて。
同じ趣味の人があまりいなかったから、その人との縁が切れたのはすごく悲しかった。
同時に怒りも抱いていた。

Instagramのフォローは解除した。

考えなければ良いものの、私はふとしたときにその人のことを考えてしまっていた。

私の恋人は今までで一人しかいないから、こういう表現があっているのか分からないけれど、
「別れた恋人」
のような存在になっていた。

忘れたくても忘れられない人。

何度も何度も忘れようと努力した。
でも無理だった。
友達にも相談したけれど解決には至らなかった。

でもその日は突然やってきた。

いきなり ふっ と心が軽くなったのだ。

忘れられた。
嬉しい、うれしいうれしい!!
心に刺さった氷がゆっくり時間をかけて溶けた。
大半のことは時間が解決する。
そうじゃないものもあると思うけれど。

日々、生きている中で、楽しいこと嬉しいこと、嫌なことつまらないこと、などなど色々な出来事や感情が雪のように積もっていく。

積もったものは氷になって心を刺してくることもあれば、水になって心を潤してくれることもある。

氷になって心を刺してくるのって、いつまでも氷でいるわけではなくて、太陽の光とかが当たると(人の優しさに触れたりすると)だんだんと溶ける。

だから、嫌なこと、マイナスなこと、心が痛むことなどもいずれは全て水になって自分の養分になるはず。そう思えるようになった。

例えば小学生の時、何かですごく悩んでいた記憶がある。でもその「何か」が何だったのかははっきりと覚えてない。

ずっと覚え続けておきたい、と思えるような悩みはノートとかに書いておいてたまに見返してみる。

その悩みも当時は本当に悩んでいたこと、辛かったことのはずなのに、今になっては笑い話とまではいかないかもしれないけれど、ふーんくらいで終わらせられるものがほとんど。

悩んでいる時間や悩みの対象への想いが大きいからこそ、なかなか忘れられない。

その出来事や悩みを思い出に落としこもうとしているからこそ、さらにモヤモヤが生まれる。

こういったモヤモヤが時間や何かのきっかけでだんだんと溶けていく。

だから数年後にはふーんてなれる。

完全に思い出になったから。
苦い思い出でもそれに取り憑かれることが無くなる。

私はそう思う。

なので、人生とは雪であり、氷でもあり水でもある。

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