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鈴鹿サーキットに行ってF1生観戦をしてみた〜後編〜

鈴鹿サーキットは三重県の「稲生」という駅の近くにある。降り立ってみると結構な田舎だ。
駅から20分ほど歩くと鈴鹿サーキットが突如あらわれる。レースを控えてか露店やショップが並んでおり、余裕で2時間くらいの暇つぶしができる。
円安の時代だからなのかモータースポーツだからなのか、外国人がやけに多い。日本人があまり目につかないくらいであった。余談だが、トイレが異常に混むので名古屋などでトイレを済ませておくのが吉である。

モータースポーツはスタートの瞬間に我慢できないくらい異様にテンションがどうしてもあがっちゃうもので、スタートの14時を心待ちにしていた。そして14時になりレースが始まった直後、2台のマシンがクラッシュし、レースが中断した。

鈴鹿サーキットで1周目にクラッシュが起きるのはおそらくアイルトン・セナとアラン・プロストの衝突以来だろうか。汗ばむ陽気のもとでレースのお預けを食らいつづけていたが、そんなこんなで14時32分に再スタートとの放送が流れる。
2度目のスタートはクラッシュもなくクリーンなスタートとなった。

そういえば、テレビでF1をみると「フォーン」といった甲高い音がするイメージがあるだろうが、実際は「ゴゴゴゴ」というドスの効いた音が耳をつんざく。車が走る音を「ぶーん」と形容するのだが、F1には「ぶーん」の面影はどこにもない。
コースに近づけばオイルのにおいもプンプンで、耳はしばらくキーンとするなど五感が忙しい。件の「130R」をすさまじいスピードで、ヌルッと曲がっていくF1マシンの様子にはつい見とれてしまった。気づけば、「130R」を望める坂から、数十分も見続けてしまった。
(以下、スマホで幾分画質が荒いが、実際の動画である。本当にぬるっと曲がっている)

テレビでF1をみると2時間もレースを見続けるのは幾分長く感じるものだが、現地ではあっという間である。というのも、F1はものすごいスピードで走っているので車を見られる時間が極めて短く、同じ場所で観戦していると常に車を追えないため、いつ車がやってくるのかが常に楽しみなのである。
鈴鹿サーキットは6kmほどの長さだがF1マシンは100秒ほどで一周するので、1分ほどぼーっとしていると再び目の前に車が走るわけでこれが面白い。

それだけにレースは呆気なく終わってしまい、後ろ髪を引かれるような思いで鈴鹿サーキットを後にした。体のでかい外国人でごった返す電車で息苦しいなか帰路に就いたわけだが、新幹線に乗っても興奮さめやらぬまま一睡もしなかった。

いやはや、いうまでもなくテレビやゲームと実際のF1は別物である。それにしてもゲームで走っていたコースを実際に目にして、そこをものすごいスピードでF1マシンが走るさまは実に壮観で、またハイパーカーのレースにでも行ってみようかという気になっている。
ゲームのレースに没入していた頃に抱いた「生でF1を見たい」という夢が現実になったいまもなお、その夢は私の中で彩りを失うことはなかった。

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