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アイドルは歌が下手だからダメ?—否、それでいいのだ

よく、アイドルの歌が下手だという批判をする人がいる。

昔の少年隊が踊りながら歌っていたのを引き合いに出し、
最近のアイドルは踊りもしないのに歌が下手だとの指摘がある。


確かに、多くのアイドルの歌は下手である。
だから多くのアイドルがCD音源とうり二つの口パクでテレビ番組に出ている。

多くのファンは「口パクじゃない!」と強弁するが、もはやそれは信仰の世界である。
信じたい人だけが口パクではないと信じればいい。


しかし、そもそもアイドルの歌がうまい必要などあるのだろうか。
歌がうまいことが、アイドルの価値に必ずしも直結しないと私は思う。

歌が下手だがすさまじく人気のあるアイドルというと、私には真っ先に南野陽子の名前を思い浮かべる。

若いころの南野陽子はお世辞にも歌がうまいとは言えない。しかし、異常なほど顔が整っている。とにもかくにも、死ぬほどかわいい。
いってしまえば、女性アイドルは可愛くて思わず目を奪われる存在であれば、それでいい。

口パクだって同じだ。CD音源が大きな音で聞こえても、そこで歌っている人がかっこよかったりかわいかったりすれば、とにもかくにもそれでOKである。

要は、そこに立っているだけで、みんなが「うおー!!!」となる存在であればいいのだ。

普通の人であれば、そこに立っているだけで「うおー!!!」とはならない。
そこに立っていたら「何かやれよ」といわれ、そして自己紹介をしたりとか一発芸をしたりとかして「なるほど、なかなか面白い」となるのが普通だ。

私を含め、ふつうのひとは、ただ立っていても絵にならない。


逆にアイドルはそこに立っているというただそれだけで、「かわいい」「かっこいい」とひとびとの注目を集める力を持っている。
その意味でいえば残酷な言い方ではあるが、第一線で活躍を続けるうえでは容姿が決定的に大事だ。


アイドルは「idle」とも書くが、その意味は「働いていない、怠惰な」という意味だ。

一見、アイドルは日々忙しく歌って踊って笑っているようにみえる。
だが、ただ立っているだけで注目を集めることができる、圧倒的なその輝きを持っているということは、idleでも仕事になるからアイドルなのである。

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