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蒼穹の流星群

のような。

維伝と双璧を成す青春少年漫画のような作品でしたね、心伝。
天伝と併せて個人的ベスト3っすわ。全部好きだけど!

以下、ネタバレしまくりな感想文です。


全体的な感想

公演時間が公開されたときは通しで観るのしんどくない?
なんて思ったりしたけど、今作は通しでやることに意味のある脚本だった。
駆け抜けた6年間を総ざらいするにはこの演出が最適解でしたね。

蒼空の兵を起点とする太平の世の終わりが、高い空を目指した若者たちの物語で描かれるのうますぎません? どこまで計算されていたんです?
天伝の大楽カテコで松田清光がまたどこかで会えるかわかりませんが、の言い方に、いや絶対もう決まってるっしょ、って思ってたのがこんなにきれいに回収されるとは思っていなかった…。

走馬灯が星の如く煌めいて、瞬く間に散っていくのを立て続けに目の当たりにして、本来目にすることはない青空の下の流れ星たちを思い浮かべたのでした(タイトル回収)。

現地で2回見て、残すは大楽ライビュなんですけどね、現地初見が5列目通路沿い下手で男士が駆け抜ける度に風を感じるしド正面に砂川孫六めちゃくちゃ来るし五感に叩き込まれる情報量がえげつなくて、そう、叩き込まれるという表現が最適なくらい板の上の熱量がすごくて、舞台を生で観る醍醐味ってこれだよな、と痛感した。
おかわりも後ろ寄りセンブロで全体が見やすくて、初見で観きれなかったあれこれに気づいてまた熱量に当てられて、ものすごく体力を使った気がする。あと泣き過ぎで頭痛くなった。

それはそうとちょいちょい挟まれる「薩摩」のワードに(幕末だし題材的に触れられるのは当然なんだけど)、笹貫ステに実装されてくれ……と思うのでした。
台詞的に天保江戸出陣済みらしいから江戸三作も出せるはず。大慶くんとの回想してくれ………。(公演アンケートにも回想151やって! って書いた。)(頼朝から辺境の地の守りを任されそれを明治の世まで続ける島津に触れないわけがないし分家の樺山の刀だって出さないわけがないだろと信じている。)

心を寄せて紡がれる物語を度々強調されていて、なんとなく、ステ本丸の審神者って二次創作オタクです?みたいな気持ちで観ていた。
これまで出陣機会はあったけどステ本丸が出陣することになったのはこれが初めて、というところがひっかかる。審神者なりの解釈が固まってから出陣させている可能性ないですかね。特命調査ベースの物語を書いている可能性が。史実の大きな流れに影響しない範囲で、敗れていった者たちの後悔を救う物語を書いて、自本丸の男士に付加される物語を厚くしていません? 知らんけど。

甲州街道沿いの劇場でこの物語を観ることの意味を考えて、とんでもないことしやがって(ありがとうけんらんぶ)と思った。

各刀剣男士

加州清光

安定(あんてい)感のある部隊長。LOVEです。
観劇中何度「かわいい!」って叫びそうになったか。

藤堂平助の走馬灯の中で沖田くんに話しかけられてドギマギしているのも可愛かったし、横から安定が意見を述べて「あー、今言おうと思ったのに!」ってぷりぷりしているのも可愛かった。めちゃくちゃ清光だった。
いや天伝初日のときも全然意識しないで行って終演後に親友に「清光いた。清光可愛かった。」とだけLINEを送ったんですけど本当に素晴らしい作り込みですよね松田さん。
ちょっとした所作のひとつひとつが「ああ、清光ならやるわ。」って思わせる。返り血の「赤」すら装飾、っていうのもさ、ステ本丸なら絶対そうなんだよ。わかるわかる。

沖田くんと戦った後の、文句を言えるのはこの時代の加州清光であって俺じゃない、って震える声を抑えて話すのもさ〜〜〜〜〜、そうなんだよね、ここぞってところで聞き分けがよくなるのもものすごく加州清光だと思う。

カテコで人差し指と中指で作るハートやってて、ああ〜清光なら絶対やるやる〜〜〜!! って思った。かわいい。かわいくて強いだなんて最強。死角がない。またどこかで観たいです松田清光。何卒。

大和守安定

マジで植ちゃんさんすごくない????? ほんとにかわいくてオラつけてあんなに松田清光としっくりくるコンビ感なに????? え、成人男性ですよね? めちゃ少年じゃん? あの、本丸設立初期からいましたよねあなた? みたいな、雰囲気すごかった……。俳優さんってすごい………。

新政府軍潜入でだんだらの羽織にイチャモンつけられて歯向かうところとか、監査官に最後「あのとき沖田くんが菊一文字を使っていたとしても、もっと活躍できたとは思わない」って言い切るところも、落ち着きながらも芯の強さを感じさせる声の張り方ですごいよかったなー。
すごいしか言えないけどほんとすごかった……マジで大和守安定って存在したんだね………。

和泉守兼定

和泉守兼定が!!!!! ほんっっっっっとーーーーーーに成長していた!!!!!!!!
いやお前誰目線で物申してるんやって感じなんだけど、維伝のときもちゃんと兼さんだったんだけど、相対的に(原案ゲーム的な表現をすれば)出陣回数少なめでまだレベル上げしきっていない個体、みたいな印象だったのが、ものすごく和泉守兼定になっていた。

というか殺陣がさ〜〜〜〜〜〜〜、和田歌仙の匂いを感じるあの刀の振り上げ方と足さばきがもう本当に最高でしたあれはステ本丸の兼定の刀だった天晴れ。
あと、加納鷲雄にブチ切れている孫六を制するところも、そうそう、なんだかんだこういうとき冷静なのは和泉守なんですよねってにやけちゃったし、物理的な力での解決ではなくても理詰めで威圧しに行くの最高に”鬼の副長の刀”だった。(兼定が三振りとも元主が”鬼”なのほんと好き。)

そして前回なかった真剣必殺ですよ……肩のラインが完璧に和泉守兼定で………本当に……和田歌仙と並んで真剣必殺してほしいです田淵和泉守…………でも人間無骨でも観たい……いっそ関鍛冶組(って呼び方でいいのか? 兼定兼元)で集めてください私が観たい。

禁令を言うときの兼さん本物でしかなくて(本物だよ)、あの声量も、語尾の息の抜け方(?)って言えばいいのかな、細部まで兼さんで最高でした。
階段駆け下りたり飛び降りたりするところも全部そのまんまというかイメージどおりというか、期待以上に観たかったものが観れてしまった。

何を隠そう私が審神者になったきっかけは親友から「土方歳三の刀おるよ」って言われたからであって(元を辿れば香取慎吾目当てで観始めた大河ドラマ新選組!を浴びて土方歳三が好きになったからであって)、今作の観たかった新選組の詰め合わせっぷりがね……そんなところにこんな最高な和泉守兼定をぶち当ててもらったの嬉しいすぎる………。
今でこそ弊本丸は笹貫溺愛本丸になっているけど、和泉守兼定目当てで始めた審神者なので……(初期刀は新選組つながりではなく刀工つながりの歌仙兼定ですが)

今回で函館回想やっちゃったけど、ステで五稜郭の戦いやってくれないかな。そしてあわよくば兼さんと笹貫が共闘してくれないかな。初太刀は外せと新選組から警戒されていた薩摩の刀と、この世界線では手を組むところを見せてほしい。
てか五稜郭、ワンチャンあると思うんだよねー、新政府軍側の陸軍参謀が黒田清隆だからさ、如水絡めやすいでしょ。わかんねーけど。
熊倉さんの殺陣で如水が観たいし山浦さんの黒田ほんと食えない感じで大好き。

ちょっとパッション弾けちゃった。
また田淵和泉守を拝みたいっす。よろしくお願いします。

堀川国広

脇差としての可愛らしさを残しつつ闇討ち暗殺お手の物っぷりに磨きがかかっていた。あんまり兼さん兼さんてベタベタしすぎてないけど相棒として隣は絶対譲らねえ!の気概がとてもステ堀川でした。
禁令の「士道に背くまじきこと」って言うときの、あの、ちょっと無理して必死に声を張り上げているような感じを出すのめちゃくちゃうまくて本物がいるじゃん?(本物だよ※2回目)って思った。よかった〜〜〜

長曽祢虎徹

すっごい安心感のあるそねさん!
孫六が斎藤一と一騎討ちするところで「責任は取れんぞ」って警告しつつ、でも尊重して見守っているところとか、なんか、全体を見つつどっしり構えているような雰囲気が、局長の刀だなあ、って。
近藤さんと切り合うところで贋作だ、自分を打ったのは源清麿だ、って真実を伝えるのも誠実さ故の行動なんだろうなって思わせる実直さがあった。
近藤さんから俺にとっては本物、良き刀、と言われたところの表情をあまり見れていないので、ライビュでそのあたり抜いてくれるといいな……。

孫六兼元

特オタの友人から砂川さんの話は度々聞いていたんです、聞いていたんですよ。まさか刀ステに来るとは思っていなくて。まっっっっっじでキャスト発表されたときにマジで?!!!って声に出てしまったし本当に演じていただいてありがとうございました最高でした。

原案ゲームの声優さんがかなり声が低いから砂川孫六はちょっと違った印象になるんだけど、でもなんかしっくりくるような話し方だなと思った。

っていうかそう、あの、めっちゃ近かったんよ、初見時。あまりにもまぶしくてちょっと直視できないくらい「美」でした。マジで。実在した。

「なるほど、『愛』か。」のところが日替わりなんすね。
両手でハート作ってちょっと左足内側に寄せてアイドルか?みたいなときもあれば、隣にいる安定と二振りでハート作ったりしてて、そうそう、静かにおちゃめなところあるよね孫六は、ってなった。説得力がすごい。

宴会シーンで兼さんが禁令言う前に他の男士がしてるの見回してワンテンポ遅れて”ファイトっ”って仕草してたのも、談笑しながら膝を叩いて笑っていたのも、ああ〜わかる〜〜やるよね〜〜〜〜孫六はそうだよね〜〜〜って思って眺めていた。説得力がすごい。

新政府軍潜入で安定が加納鷲雄に刀突きつけられるところで「脅しに使うもんじゃない」って割って入るところが”関の刀はよく切れる”じゃん〜〜〜!!! ってすんげえにこにこしちゃった。マジでステ本丸の兼定兼元集めてくれ。それで助かる命がある。
でも実際のところたぶんこれきりなんだろうな、シリーズ本公演的には、って思うんだけど、でもまたどこかで見たいよ〜〜天保江戸とかどうですか〜〜〜〜。水心子正秀にたじたじになっている砂川孫六が見たいですよろしくお願いします。

監査官(一文字則宗)

いや〜〜〜〜〜〜〜、最高にいいクソジジイでしたね!
原案ゲームの声優さんの特徴を押さえたいい塩梅の話し方。「うはははは!」って笑うところマジで存在するやん本物やん(本物だよ※3回目)ってなった。
あの完璧な沖田組に負けないレベルの則宗持ってくるためにこの経歴の方を連れて来れるの刀ステも大きくなったんだなって……。

特別仕様で監査官にも殺陣の場面くれたのありがたかった〜!

歴史上の人物

近藤勇

別作品で以前から存じ上げていたので、というかその作品をかなり気合い入れて追いかけていたので、あの、本当に、まさか、刀ステに来るなんて思っていなくてですね、佐々木さん。
あんなに場を支配する演技できる方だったんだなって。局長たる所以がよく分かる、荒くれ者たちを束ねられるだけのカリスマ性がヒリヒリするほど伝わってきたし、クライマックスシーンがマジでもうほんとめっちゃヤバかった……(適切な語彙が見つけられなかった顔)。人の道とは何たるかを、声を張り上げて説くところも、走馬灯で上洛前の試衛館メンバーとの会話も、ボロボロ泣いてしまって涙で視界が霞むほど。

土方さんに井の中の蛙と言われて、だが空の高さは知っているぞと返すところは、大河の香取近藤の「されど空の高さを知る!」の自信に満ちたあれとはまたちょっと違った貫禄があったし、最期に「空は高いなあ!」で終わるところもうまいことリンクしてて、徳川幕府の始まりと終わりを青空でつなげてくるの本当にうまい。大好きですそういうの。

カテコのハイキック、あのお御足見せつけてくるフリを入れてくるの最高のファンサービスっすよねありがとうございます…!

土方歳三

すんげえバラガキっぷり最高。
初見よりも二回目観劇の方が巻き舌に磨きがかかってて好き〜〜〜〜〜ってなった。
衣装もさ、ベルトが赤いのって腹切帯じゃん!洒落者じゃん!! ってテンション上がっちゃった。

甘っちょろいこと抜かすなって近藤さんの胸ぐら掴むところも、俺は気が短えんださっさと行けって土方組を見送るのも、「かっちゃん」って近藤さんに素直な笑みを見せるところも、理想どおりの土方歳三だったなー。
どうしても今回は近藤沖田にフォーカスされる内容だったから仕方ないんだけど小早川さんの土方歳三また観たいのでステでも五稜郭戦やってほしい〜〜〜〜。

沖田総司

早乙女友貴全部盛り!みたいな脚本演出でしたね……。
OPで鈍色の扇子持って出てきたときに鴨が頭をよぎって心がざわついたりもしつつ。踊り本当に綺麗だよねえ、この方。
ALATAだけ観たことがあって、殺陣がすごいっていうのはわかっていたのだけど、ほんとすごかった……。
終始ピュアな天才剣士で、こんなに爽やかな特命調査の首魁があるかい! でも沖田総司ならそうだ!! 駆け抜けた青春譚に相応しい沖田総司だった。すごかった。

永倉新八

足立さんも別作品で存じ上げていたのですが、大好きなニヒルな笑みが炸裂していて本当に好き…って思いながらずっと目で追ってしまった。
兼さんがさ、禁令言うところでさ、「ひとーつ!」の第一声に顔をしかめてうるせえなこいつって表情から始まるのに最後の方はこいつやるなあって感心しているような表情に変わるところとか、板の上にいる以上、スポットライトがあたっていなくてもその役を生きているんだなって。まさしく”ガムシン”だったなあ。

山南敬助

山南敬助が、歴史改変のために自分が死なないルートは選ばないところめちゃくちゃ分かるわ。
そうだよね、山南さんはさ、近藤さんが武士らしく最後を迎えられるならそれでいい、それを遂げるためには曖昧なところからバレないように少しずつ分岐させていく、ってなるよね。分かる……。
なんだろうな、自分の願いを叶える行動だから、ある意味で利己的なんだけど、保身に走らないところがイメージどおりというか。いやあ、よかったですね。

隊士の皆さん

いやもうマジで書ききれんのよ。みんな好き。
斎藤一のあの落ち着いた所作と冴えた太刀筋も(孫六との一騎討ちでちゃんとワンテンポ孫六より早いんよね。マジすげえ)、谷原田の長物組すんげえ舞台映えするしさ、藤堂平助も井上源三郎も山崎烝もちゃんと出てきてさ……。
内部粛清の方が斬った数が多いとは言うけどさ、物語としてすごい映えるよね、新選組。
目的がはっきりしていると、役割があると、そこに向かわせてストーリーを動かしやすいもんなあ。みんなちゃんと生きてた。そこに生きていた。

まとめ

末満さん本当にありがとうけんらんぶでした!
大楽で次回作の予告とかあるのかな〜
でも余韻に浸りたい気持ちもあるからなくてもどっちでもおっけーです。

今後、どんな物語を紡いで大団円につながるのかとっても楽しみなので、末満さんをはじめとする刀ステカンパニーの皆さんには健康でいてほしいです。
一ファンとしてこのくらいのわがままは言わせてほしい。

残りの公演も無事に駆け抜けられますように!

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