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阪南・紀州押印記-南海多奈川駅


どこか懐かしさを感じる古い櫛型ホーム。

来週閉鎖されるが平日もあり同業はゼロ。
摩耗してゴムがこびり付いてくる。

印材はアクリル
摩耗してくたびれた印面


それをつけないで押すのはちょっと苦手で
極力つけないようにしつつ印影は極力写すように努力した印影。
次の電車は30分後。せっかくなので隣駅まで歩くことにした。
駅の地図を確認した時に隣駅が海に近いことを知った。
しばらく潮風にあたった記憶がないなと思って駅の目の前を通り過ぎて波止場に行くことにした。
波止場に着くと60代かそれ以上の10人くらいの人たちが沖に竿を投げていた。
一番手前の人たちの横に邪魔にならないぐらいのところで海を覗いた。驚くのはまだまだ小ぶりな魚が群れを成して泳いでいるではないか。
そして隣の竿を持った60過ぎくらいの女性は群れから離れた箇所に餌状の小エビを一番下につけた糸を垂らした。その途中に5本くらい針がある。
3回くらい見ているといとも簡単にといった形で小魚を釣り上げた。群れを指して「なんの魚ですか」と聞いたら教えてくれた。「やってみる?」と言われ全くの初心者だが釣らせてもらうことにした。
糸の扱いと餌を海中のどの辺まで落とすかなどを四苦八苦して4回ほど。ついに針に小魚が掛かった。
たしかクロエみたいな名前の魚だった。
まだ小さいのでリリースした。
竿を貸してくれたお母さんがおもむろに「いっぱいいるでしょ」と言ってきて、最初は海の魚のことかと思ったけどそんなことないなと視線を波止場から目の前のお母さんに変えると中くらいな保冷バッグが姿をあらわした。
中を覗くと底が見えないくらいたくさんの魚がいた。
もう既にそんなに釣ってたんか🤣って思わされた。
そういえば隣でやってたおかあさんのお友達が「今の餌が入ってるバケツは2つ目」と確かに言ってたと書きながら思い出した。
バッグを戻すとともに視線をまた波止場や周囲に移す。
背後から「コーヒー飲む?ブラックだけど」って缶コーヒーをもらった。
釣った時の感触がいいんだよとお連れの人が言っていたのを思い出す。
一本パスした次の電車の時刻が迫っているのをスマホで確認した。
長い時間お邪魔するわけにもいかないから「そろそろスタンプを押すために失礼します」といいその場をお暇することにした。
気を付けて~ってセリフを背中に受けながら頂いた缶コーヒーを一口すすった。

餌にむらがる魚の群れ
かつては使われてたんだなと

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