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イギリスのらりくらり フードスパイ

私が勝手にアナザースカイだと思っているりんごの農園。そこで出会ったおいしいものの記録。
朝ごはん編です。

朝が来た、母屋へ行こう

8時〜8時半ころ。ノコノコ母屋へ向かいます。
朝ごはんは用意しくれているもの中から好きなものをどうぞ、というスタイルです。
イングリッシュブレクファスト(ベーコン、ソーセージ、卵、ベイクドビーンズ、トーストなどがワンプレートにのったもの)というものがありますが、あれは基本カフェなどで食べるもの。
忙しい朝はパッと食べられるもので済ませることがい多いようです。

ラインナップ

・シリアル(グラノーラ、コーンフレーク、シュレッタード・ウィート)
・トースト パン焼き機で作った自家製パンの時もあります
・ヨーグルト
・飲み物(紅茶、牛乳、リンゴジュース)
・バター、ジャム類(マーマレード、ブルーベリー)
・りんご!

私は大抵、シリアル&グラノーラをブレンドしたものを食べ始め、その間にパンをトーストします。その後、パン&ジャムを頂き、締めにリンゴかヨーグルト、という具合。満足。

クランペットとの出会い

このトースト枠に急遽加わったのがクランペット。
一緒にウーファーをしていたフランス人の女の子、ローリーによってもたらされました。
なんでも、彼女はイギリスを訪れてクランペット&マーマイトに大ハマりしたとのことで、作ってあげるから一緒に食べようと言ってくれました。

さて、クランペットとは。
イギリスの代表的な朝食のひとつで、色白のパンケーキの様な姿をしています。パンケーキと違うのは、生地に甘みがないのと、表面に無数の小さな穴が空いていること。
トーストしてバターを塗ると、この無数の小さな穴にバターが入り込み、一口齧るとじわっ、モチッとしてたまりません。
バターだけでもいいし、好みのジャムを付けたりもします。

でも今回は何を付けるか決まっています。
もちろん、ローリーのイチオシ。マーマイトです。
「付けすぎないように、薄く伸ばすのよ」と、彼女は小瓶からくるくると濃い茶色の物質をナイフの先に絡めとり、バターを塗ったクランペットの表面に塗っていきます。
マーマイトを見るのが初めてだった私は、「もしかして、チョコレートみたいなもの?」と質問しました。
ローリーは笑って首を振っています。どうやら違うらしい。

隣で見ていたクレア(果樹園のお母さん)は、
「マーマイトはイギリス人でも好き嫌いが分かれるのに、フランスからのお客さんがこんなに気に入るなんてほんと珍しわ~」と一言。
た、食べられるかなー、私。

いざ、実食

はい、どうぞ、とクランペットを受け取り、口元へ運びます。
ほのかな発酵臭。確かに甘い匂いじゃありません。
一口齧ると…
バターのほのかな甘みと、マーマイトの塩気と何とも言えない風味。おいしいじゃないの!
なるほどマーマイトとは、ビールの搾りかすから作った発酵食品なのでした。お味噌、お醤油、納豆。発酵食品慣れしている身としては、親近感を覚える部類の食べ物でした。
私が気に入った様子なので、ローリーも嬉しそう。

ローリーはクランペットが大好き過ぎて、その数日後「自分でクランペットを焼きたい!」と言い出し、キッチンを借りてクランペットを手作りしていました。
クランペットの特徴といっても過言ではない、無数の小さな穴をあけるために、ナイフの先で生地に出来た気泡をツンツンやっている彼女を目撃しましたが、工場で作る場合はどうしてるんでしょう?

薪ストーブで焼いています

新たな食品との出会い

クランペットほどではなかったものの、ジェレミー(果樹園のお父さん)が食べていたシュレッダード・ウィートを見たときもなかなかびっくりしました。
味としてはシリアルですが、名前の通りシュレッダーにかけられたような細ーい麺を塊にしたような姿で、それをボールにバリバリ砕いて牛乳をかけて食べます。細い麺が次第にくたっとしてきて、ポリッジとかオートミールとかが好きな人は結構好きな食感かと思います。

ロンドンに戻って来てから、スーパーの棚を改めてよく見てみると、クランペットもシュレッダード・ウィートも売って売ってる!いろんなメーカーの物が並んでいました。
それまでいかに自分に馴染みのある食品しか目に入れていなかったかを痛感した次第です。

今ではクランペットやコーンフレーク、グラノーラ以外のシリアルは、我が家の朝食や間食のラインナップに加わっています。
新たな食べ物との出会いをありがとう。

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