イギリスのらりくらり サイダー作り
農泊で二度訪れたりんご農園で、どんなことをしていたのか少しだけ紹介です。りんご農園についてはこちらの記事をご覧ください。
一日の流れ
まずは一日のざっくりしたタイムスケジュールをご紹介。
8~9時頃 母屋で朝ごはん
その後(明確な時間は決まっていない?) 作業に向かう
11時頃 母屋でお茶(だいたい30分位?)
13時過ぎ 母屋でお昼ごはん
お昼ご飯終了次第、ぼちぼち解散
その後 自由時間
18時半頃 母屋で夕飯の準備が始まる
19時半頃 夕飯
20時半頃 デザートからのお茶タイム
22時頃 ぼちぼち解散、就寝
基本的に毎回ごはんは母屋で頂いていましたが、強制という訳ではなく、各自のシェーパーズハット(羊飼い小屋)にも、一通りの調理器具は揃っていました。
りんご絞り
さて、初めて訪れた11月はサイダー&ペリーの仕込みの最中でした。
私たちの担当した作業は、ずばり、りんご絞り。
りんごを洗って選別→砕く機械に入れ→細かく砕けたりんごを専用の機械に層状に重ねて→圧力をかける機械で絞り→絞り汁を集める、という作業です。
りんご絞りの他に、りんご拾いに行ったりもしました。
この時は、同じくウーファーとしてフランスから来ていた陽気な女の子がいて、和気あいあいと作業させてもらいました。
りんごを機械に入れる時や、集めたりんごジュースを運ぶ時など、力仕事もありましたが、協力しあえば何のその。
なにより、物珍しい光景や作業を共有できる仲間がいて嬉しかったです。
絞り作業の最後に、りんごの絞りカス、通称「ドアマット」を果樹園のりんごの木の周りに肥料として撒いていたのですが、毎回、りんごによって色んな色・柄のドアマットができるので、「今回のは素敵な柄!」とか、一緒に盛り上がったりしてました。
そもそも、サイダーとは
私たちがせっせと絞ったりんごジュースは、果樹園のお父さん、ジェレミーの作業小屋のタンクに集められます。
直径&高さが1.5m位のタンクだったかな?
小規模&昔ながらの製法で作っている農園だったので、原料は基本的にこのりんごジュースのみ!
りんごの皮や実にいる天然の酵母に発酵を任せ、りんごの糖分がアルコールに分解されていくのをじっくり待ちます。
気温や湿度、糖度などの記録はとりますが、基本は成るがままにさせているとのこと。
イギリスの気候的にいくらか暖かい南部がりんご栽培に向いていて、大きく分けて南西部(今回訪れた所)と南東部が主なサイダー生産地となっているようです。
フランスで作られるシードル(サイダーは英語読み)と基本的には同じものですが、サイダーの方が甘みが少なくドライな口当たりのものが多い印象です。食事にもよく合い、微発砲、白ワインのような香りも感じられ、私はとっても好きになりました。
農園を訪れるまで気にかけていませんでしたが、サイダーはイギリスではとてもポピュラーな飲み物。
パブに行くとビールと並びいくつかの銘柄がとりそろえられていることが多いです。機会のある方は、ぜひお試しあれ!
ペリーとは?
こちらの農園では、サイダーのほかにペリーも作っていました。
ペリーとは、洋ナシ版のサイダーといったところ。
洋ナシジュースを元に作るお酒です。
サイダーはイギリスでポピュラーだと書きましたが、ペリーは生産している所がそこまで多くなく、サイダーよりも貴重な印象です。
恐らく、そもそも洋ナシの木がそんなに多くないのかな?
果樹園に洋ナシの木はなく、ペリー用の洋ナシは近所や知り合いの人の敷地へ集めに行っていました。
ある日のドライブ中の会話で、
「あれ、今の洋ナシの木じゃない?あんな所にあったかしら?」
「ほんとだ。おおきかったなぁ。今度実を拾っていいか聞きにいってみるか。」という一幕がありました。
さすがペリー生産者。常にアンテナを張っています。
デザートアップル、洋ナシ(食用の果実、そのまま食べられる)の木はさておき、イギリスではお酒にする用のりんご、洋ナシの品種もかなり多く、ポツンと生えていたりする木は特に、実を利用されていない場合も多いため、割合スムーズに採らせてもらえるようです。
まとまりませんが、この辺で。
2023年の10月下旬、数日間だけ三度目の訪問をしました。その際発見した洋ナシについての訂正など:
・果樹園に洋ナシの木、ありました!とは言え圧倒的にりんごの木の方が多いです。
・ペリーの生産量が少ない理由のひとつとして、ペリーの味わいはより繊細で、良し悪しなど一般に理解してもらうことが難しい飲み物だから、ということもあるようです。
・今回、実は初めて洋ナシジュースも頂きましたが、「え、これはりんごジュースではないの?」と思ってしまいました。
洋ナシの味って、知ってるようで知らなかったのかも..
・ちなみに、洋ナシの木はりんごよりも長生き&大きく育つ事が多いようです。かつてはりんごと洋ナシの果樹が植えれていたけれど、長い年月が経ち、洋ナシの大木のみがポツンと生えているという光景が見られるのはこのためでした。
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