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イギリスのらりくらり 英会話学校

もうとっくに通っていないけど、イギリスに渡ってから数か月間通っていた英会話学校での思い出。


私が通っていた英会話学校は、だいたいひとクラス8~12人くらい。
途中で新しいメンバーが加わったり、いなくなる人が居たり、メンバーの流動性のある学校でした。

なにじん?

さて、どこ出身の人々が集まっていたかというと…
ウクライナ、ポルトガル、イタリア、フランス、ブラジル、コロンビア、スーダン、香港、日本などなど。本当に色々なバックグラウンドを持ったひとが集まっていました。
私は英語の他に日本語しかしゃべることができないけれど、例えばあるウクライナの人は少しだけイタリア語が喋れてイタリア人と簡単なイタリア語でしゃべっていたり、ブラジルの人は公用語がポルトガル語なのでポルトガルの人とお話できたり。
ほぼ日本語一色の国から来た私はその光景にひどく感心したのでした。
そして、英語を学びに来てるわけだけど、言葉は英語以外にもたくさんあるよなーということを痛感したのでした。

苦手な発音

ちなみに、母国語によって苦手な英語の発音も少しずつ違うようでした。
まず私(日本人)は、「R」や、息を吐く系の「TH」がとにかく苦手。
香港出身の人は、「L」が「N」になってしまうことに苦労していたり、
ウクライナの人は、音のある「TH」の音を出すのに苦労していました。
他にも、イタリアの人は単語のアクセントの位置がお尻になりがちだったり。
もちろん言語別、というよりは個人の得意不得意もあるかと思いますが、みんな違う箇所で苦労していて、授業中に誰かが発音をしつこく直されたりしていると、「苦手なんだな。わかるよ~」と何となく見えない連帯感が生まれるのでした。

ミルクの話

英語の練習のためにいろんな例文が使われるわけですが、ある日なぜかクラスが盛り上がった例文。
" We get milk from a cow. "(たしかこんな文)
先生が、「あなたの国では何の動物のミルクを飲みますか?」とちょっと話を振ったところ…
” from a camel "(スーダン)
" sheep! "(ポーランド)
" goat! "(ウクライナ)
ここまではよかったのですが、その後、
" We take a shower of donkey milk! "と、陽気なイタリア人女性が発言。
クラス中が「え~!?」と、盛り上がったのでした。
飲んでもいいし、髪にも肌にもいいから浴びてもいいんだ!と得意げな彼女。
あとでよくよく話を聞くと、ロバのミルク由来の石鹸やシャワージェルがあるんだよ、ということのようでした。
でも昔はほんとうに浴びてたのかも。
ちょっとしたことでも、習慣の違いが垣間見れてたのしいです。

イギリスに来た理由

数か月固定のメンバー同士は、さすがにだんだん仲良くなってきて、授業以外でも話をするようになって来ます。
仲良くなった数名と、イギリスに来た理由なんかも話す機会があったのですが、その理由もなかなか考えさせられるものなのでした。

例えば、スーダン出身の女性(夫、子供と住んでる)は、色々とルールの厳しいスーダンでは夫の仕事(物書き)に規制がかかってしまうので、自由を求めてやってきたと話ていました。ほかにも、自国のアラビア語は難しすぎて使える幅も狭く、子供たちの未来を考えたときに英語が堪能な方がいいと思ったから、とも。
彼女自身も複雑な(より正式な?)アラビア語は理解できないし、子供たちも聞いて分かるけど話すのは得意じゃない、とのことでした。

そして、ウクライナの女性は戦争の影響。イギリス人のホスト夫婦の元で下宿をしながら職を得るために英語を学んでいました。
私と同じアジア人女性同士で、よく互いに間違えられた香港の女性は、子供の学校のために来ていて、香港と二拠点生活をしていました。
他にも、イタリアから来ていた女性は夏の間イタリアは暑すぎて英語学校が閉鎖してしまう上、本場の発音の方がいいと思ったからという理由。

日本からのメンバーの渡英理由は、ワーキングホリデーや夫の仕事の都合というのがほとんどだったので、もっともっと別の事情や考えで自分のいた国を出ることがあるのだと、驚きました。
そして、イギリスはほんとうに色んな国出身の人がいるなぁと改めて実感。街を歩いてもいろんな言葉が飛び交っていますが、みんなそれぞれの理由や人生があってこの国にいるようです。

*扉の写真
仲良くなったスーダンの女性からもらった大皿のデーツ。彼女は元気にしてるだろうか。




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