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ダブルサンルーフと向き合う

私のフィアットパンダの天井には、「ダブルサンルーフ」なる窓が付いています。この天窓にまつわる(苦い)思い出を書き留めておこうと思います。


ダブルサンルーフ

その名の通り、天井にある開閉可能なビニル素材の窓のことです。
ダブル、なので前後にふたつ。
初代パンダの標準装備ではないようで、日本ですれ違う印象では、サンルーフなしパンダの方が多いように思います(本国イタリアでも防犯の観点からそんなに人気が無いという噂です)。
パンダ購入時、サンルーフについての知識もこだわりもありませんでした。それでも自分が目当てにしているパンダがサンルーフ仕様だと知って、「なんだかラッキー」、「開放感楽しみ!」と思ったのを覚えています。

ところが。

①サンルーフ、飛んでいきそうになる。

ある日、首都高を運転していました。
すると、天井からカタカタっと音がしてきて、今まで光が差したことのない部分から光が見えました。なぜ..?
注意して見ると、サンフールの前の部分が時折浮いているようにみえました。ひぇ~。
その状況が恐ろしすぎて、とにかく必死で幌をつかみました。
分岐、カーブ、トンネル。ただでさえ苦手な首都高。
速度を抑えて、左手でハンドルとウィンカー。右手で幌。シフトチェンジ(右手)はほぼしない。
すべてのことに細心の注意を払いながら、冷静を保っていました。
状況を理解し始めた時から首都高を降りるまで、多分少し覚醒してたかも。

原因は、サンルーフ前側とボディを固定している金属棒の劣化でした。
金属棒は、サンルーフのキャンバス地を巻き込むようにして固定されていて、外側から劣化に気が付くことができませんでした。
実際にはその固定部分が外れてしまっても、幌は別の部品でも車本体と繋がっていて、そう簡単に飛んでいく事はないと思います。
とは言え、周りを巻き込みかねない状況は本当に避けたい。
自分自身も、ヒヤヒヤするのは嫌。
日々の点検の重要性を再確認した一件です。

②車内に雨が降る。

パンダを中古で購入してから数年後、パンダと共に沖縄へ引っ越すことになりました。
(その頃のことについては、マガジン「絵本ができるまで」に書いています。ご興味があればぜひ覗いていてみてください。)
亜熱帯の梅雨・台風のもたらす雨風は、本州とは一味違います。そして紫外線と塩。確実にキャンバス地を蝕んでいきました。

幌のほつれた縫い目を縫い直そうとしてみたり、黒色のシリコンを薄く塗ってみたり、防水スプレーをかけたり。色んな事を試しましたが、根本解決には至りませんでした。
この頃のスタイルは、基本「雨の日は近くなら頑張って歩く」。
それでも乗る用事があるときは、防水の帽子を着用。車内には脱湿剤とタオルを常備。晴れの日にはすかさず車を干すという日々が続きました。
まめだったなぁ..

③そして故障

もはや幌を張り替えるしかないかな?
真剣にそう思い始めていた頃、小さな異変に気が付きます。
サイドブレーキがやたらと弱いぞ..??
傾斜地に停車してサイドブレーキを引いても、クルマが止まらなくなってしまったのです。
これは何か嫌な予感!
色々耐えきれなくなり、ついに車屋さんに駆け込みました。

そうして分かったのが、以下のことがら。
・サイドブレーキの効きの悪さの原因は、ワイヤーの伸び。
・ワイヤーの伸びの原因は、サイドブレーキかけっぱなしでの走行(幸いブレーキは傷んでいなかった)。
・サイドブレーキ掛けっぱなし走行の原因のひとつは、警告灯が点かなかったこと。
なぜ警告灯が点かなかったのかというと..おそらく雨漏りのせいでセンサーが故障していたから。
思い返せば、サイドブレーキの辺りにもガンガン雨が滴り落ちておりました。。

さっさと幌を張り替えるべきだった。
あの我慢は一体何のためだったのか?

毎回、反省と学びの繰り返しです。
そして車屋さんから、元々パンダのサイドブレーキは弱いという事を聞き、それ以来何となく輪止めを持ち運ぶ習慣ができました。

以上。
怖いことばっかりですが、パンダを嫌いになれないようにダブルサンルーフ、嫌いじゃないです。
特に夏場は駐車中に少しだけ天井を開けておくことで、多少熱を逃がせるし(セキュリティは気にしません)、夜中に車内から夜空を眺めた素敵な思い出もあります。
これからも大事に向き合っていきたいです。

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