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METROCK

METROCKの11時間生放送を見た。

昨日の11時間をMETROCKに費やした。携帯を片手に握りしめ、お米を研いだり、鮭を焼いたり、お皿を洗ったり、歯磨きをした。

11時間もの間、携帯電話を持っていると窓の外の流れが止まっている様で少しだけ不安になる度に少しだけ窓を開けて生活の音を集めた。

私はもともとフェスから出る汗が苦手で、でも音楽は好きで、ライブも好きで、青空も好きだから、毎年9月半ばに糸島で行われるフェスにだけは行っている。暑すぎず、大きすぎず、多すぎず、私にとってちょうどいい。

METROCKは一度も行った事はないが、テレビで特集されているのを見るたび羨ましく思っていたので、11時間の生放送はとても嬉しかった。

家の中で見るフェスは、暑くなったら冷房を入れて、トイレに行きたくなったらトイレでフェスを見て、テレビドラマが見たくなったら、ドラマを見ながらフェスを見て、自由に快適に過ごしながらフェスを見ることが出来た。

こういうフェスの見方もいいなと思う一方で、自由が近くにありすぎると特別なフェスが生活にあまりに馴染みすぎてフェスへの集中力が私は分散してしまった。11時間見たあとで、印象に残った映像はぼんやりと楽しそうな風景だけだった。

やっぱりフェスはその場所に行って、その場所でしか生まれない音と温度と感情を体感したいと思った。自分にとっての特別な時間は、生活から遠くにあるからこそ強い感情が生まれて、活力になって、夢を描くと思う。

音と情が溶け合って放たれた時、私はいつも鳥肌が立つ。その瞬間がフェスの一番の醍醐味である。

フェスの帰り道、明日から頑張ろうとかありきたりな事を思いながら家に帰り着いた日に会いたくなった。




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