急行赤倉

「急行赤倉」と言う電車をご存知だろうか?
知っているあなたはきっと電車好きか、この電車にお世話になった方だと思う。新潟から長野方面(名古屋まで走っていた時期もあったらしい)を往来していた急行電車。ちなみに昭和を感じるオレンジと深緑の国鉄車両だった。(記憶の範囲では)

僕の実家は新潟県の最北の町。父が新潟の南部に単身赴任をしており、母に連れられよく遊びに行っていた。

その時に一度だけ貴重な体験をしたことがあった。父の所から実家に帰る時の事。新潟南部の高田駅から新潟行きの急行赤倉に乗ってた。当時この界隈の電車はある法則がある。名づけて長岡で乗客の大量乗降発生の法則。

新幹線乗り換えの関係で、新潟行は多くの乗客が降り、逆に新潟から離れる電車(金沢行など)は大量に乗り込むという法則。その時もこの法則が発生、高田から長岡間は激混みだったが、長岡で大量に人が降り、その後も新潟に向かう途中でも人が降りていき、新潟に着くころには車内のどこを見渡しても、乗っている乗客は私たち親子だけ…隣の車両をよく見ると、車掌さんまでが座席に座っている!?

初めてみた光景に、上がりつづける私のテンション。それを見て「大人しくしなさい!」とメチャメチャ怒鳴る母。と、いつものやり取りが繰り広げられていた訳なのだが…

その後も何度か「急行赤倉」には乗りました。
でもこの体験はこの時の一度きりで二度と起こることは無かった。
今でもたまに母と当時の思い出話をすると、この体験談は登場する。一体どういう条件が揃って起きた現象なのか。今でも謎のまま。

ただ、この出来事があって「急行赤倉」に乗ることがちょっと楽しみになった。

あの凄く特別な感じ。意味もなくワクワクしてしまう感じ。大人になった今でも鮮明に覚えていて、今でも旅行で父が単身赴任していた街に行ってみたり、ストリートビューで街を見てみたりすることがある。機会があれば訪れて当時との変化を楽しみたい。

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