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「となりのトトロ」の都市伝説に抱いた疑問

「となりのトトロ」について


Wikipediaにより一部抜粋
『となりのトトロ』(英題:My Neighbor Totoro)は、1988年に公開されたスタジオジブリ制作の長編アニメーション映画。宮崎駿監督作品。昭和30年代の日本を舞台にしたファンタジー。田舎へ引っ越してきた草壁一家のサツキ・メイ姉妹と、子どもの時にしか会えないと言われる不思議な生き物・トトロとの交流を描く。
(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%A8%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%AE%E3%83%88%E3%83%88%E3%83%AD)

言わずと知れた超がつくほど有名な映画。未だに金曜ロードショーでも放送される。公開からもう30年以上経っていることに、おじさんは驚きを隠せない。そして2000年代頃からこの映画にまつわる都市伝説が何故か広がり始めた。

都市伝説について

この映画についての都市伝説は以下の通り。

①元々登場人物は姉妹ではなく女の子一人だった
②作中の途中からサツキとメイの影が消える
③サツキとメイの二人の姿が両親には見えていない
④エンディングはサツキとメイの回想シーン
⑤メイのサンダルが池で発見されている
⑥お地蔵さんにメイの名前が記載されている
⑦原作小説の存在
⑧狭山事件を元に作られた
⑨舞台となった森は有名な心霊スポット
⑩サツキとメイの家は実在している
⑪トトロは実は死神

と多い。しかしインターネットはすごい。挙げた都市伝説を検証した記事もあるのだから。その記事によれば、上記の都市伝説はすべて否定されている。「となりのトトロ」は心温まるストーリーであり、流布した都市伝説は深読みしすぎなのでは?と思う部分があるように思える。

以下、都市伝説紹介・検証記事。


サツキとメイは実は死んでいる説

先ほど挙げた②、③、⑤、⑪から死亡説が広がっていったようだ。
詳細にまとめていくと、

②作中の途中からサツキとメイの影が消える

これは本当らしい。細かい時間の経過を描写するために行った試みとの事。

死亡説の根拠
途中で死亡している為、影がなくなった。

③サツキとメイの二人の姿が両親には見えていない

お母さんの病室が見える木に姉妹が座り、容態が安定したお母さんを見ている。その後お母さんが「今…サツキとメイが笑ったような気がした」と言って、窓際に置かれたトウモロコシに気づくシーン。

死亡説の根拠
このシーンがとても不自然に感じるらしい。あれだけ会いたかったお母さんに会わず、お母さんが気配だけを感じていた。これは2人はもう死んでいるから見えないという理由になっている。

⑤メイのサンダルが池で発見されている

メイの捜索中に、池から女の子のサンダルが発見される。おばあちゃんはメイのものだと思って、サンダルを握りしめながら念仏を唱えている。そこにサツキがやってきて、そのサンダルがメイのものか否か確認を求められる。サツキは「メイのじゃない」と否定するシーン。

死亡説の根拠
このサンダルが実はメイのもので、メイは池に落ちて溺死している。妹の死を受け入れられないサツキが嘘をついたというもの。

⑪トトロは実は死神

トトロ死期が近い人の前にのみ現れる。それはトロルがモチーフとなっており、トロルは冥界の番人とされていたり、子どもをさらうと言われていたり、気に入った者には幸福をもたらすのだそう。地域によってさまざまらしい。

死亡説の根拠
死期が近いサツキとメイの前にトトロは現れた。メイは前述のとおり溺死している。そして魂がお母さんのいる病院に向かっている。一方、諦めきれないサツキは尚もメイを探そうと冥界の番人であるトトロを頼ってしまう。そしてネコバスを召喚しメイを探しに行く。ネコバスはこの世と冥界を繋ぐ乗り物で当然、人間には見えない。サツキの「みんなには見えないんだ…」というセリフがそれを示す根拠となっている。当然そのサツキも…

そして④につながる

これらの話から2人が死亡していることになり、エンディングで流れるスタッフロールと静止画はお父さんの回想であるとの話につながる。さらには、その後お母さんの無くなり、作中でお父さんが原稿を書いているのは家族との回想録であるとの話も登場する。

だとしたら、「となりのトトロ」は不思議な生き物との交流というファンタジー要素、死、魂と言った部分も盛り込んだスピリチュアルな要素、本当は怖い的な内容を含む怪談的な要素、実際に起こった事件や実在する地名、建物を含んだ社会的要素などなど多くの要素が盛り込まれた複雑な映画ということになる。これでは純粋に楽しめないし、飲み会で誰かがこの都市伝説をうんちくとして自慢げに語る格好のネタになってしまう。

死亡説に関しての疑問

私がこの都市伝説を知ったのはニコニコ動画でこの都市伝説にまつわる動画が上がっていたこと、YouTubeの怪談動画で、手相で有名な芸人さんがネタとして披露していた事である。当初は怖い話なんだなぁ~と思っていた。

しかし、この都市伝説にはどうしても違和感をも持ってしまうシーンがあり、死亡説を信じることがどうしてもできない。そのシーンが、エンディングテーマが流れ始めたあたり。サツキとメイが病院からいなくなった後、巣に帰るネコバスを見送った後。(実はここでネコバスの行き先が「す」になっているのも「し」の後で死後を指しているとの都市伝説もあるらしい)サツキとメイがおばあちゃんとカンタに再会する、おばあちゃんは一目散にメイに駆け寄り抱きしめる。サツキとカンタが会話をした後場面が切り替り、4人で家に帰るシーンがある。

もし、2人が死亡しているならこのシーンの説明がつかない。2人は生きているからこそ、再会を果たせたのではないだろうか。お父さんの回想録の説を挙げるにしても、このシーンがあるととても不自然になる。エンディングでは季節が進んでいる。ストーリ内では引っ越してきた春、メイが迷子になったのが夏、その後秋の描写と冬の描写がエンディングでは描かれている。死亡説を挙げるのならばここの描写の説明も難しくなってくるのではないだろうか。


ちなみに、この都市伝説が広がった時、スタジオジブリに「トトロは死神なんですか?」といった問い合わせが来ることがあったらしい。サツキとメイの死亡説も広がっていたこともあり、これらの都市伝説に対して公式でもきっぱり否定している。

まとめ

ありきたりだが、「となりのトトロ」は家族の絆とサツキとメイの心の成長が描かれており、そこに登場する森の主トトロが織りなす不思議で心温まるストーリで、純粋な気持ちで楽しめる映画と思っている。個人的にはメイが歩き疲れてお地蔵さんのそばで途方に暮れているシーン。夜に近い夕方とそばの送電鉄塔の雰囲気がとてもリアルでより寂しさ、心細さを強調している感じがとても印象に残っている。

無さそうでありそうなこと、いわゆる曖昧な情報であることで都市伝説や噂が広がっていく原因の一つになっているらしいが、この都市伝説もそういった要素を多分に含んでいたのだろう。

詳しい話はさておき、もしこの都市伝説を披露する人が目の前に現れたら、エンディング直前のシーンの説明を求めようと思っている。そして、これだけは言いたい!金曜ロードショーと言えばやっぱり「フライデーナイトファンタジー」とその映像が個人的には最高だと思っている。

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