「すべてがそこにありますように。」

ゴールデンカムイ、アニメの4期が始まりましたね。
ここでアニカムの話ってしましたっけ? ちょっと覚えていないのであらすじを語らせてください。

ウン年前の、何期かも覚えてないくらいの昔なんですけど、一度だけアニメを見たんですが作画が微妙だったもので「原作だけ読もう」となりました。ずっとそのスタンスでいるつもりでした。最終話を迎えるまでは。

Twitterで繋がっている方なんかは「ご覧の通りですよ」と言えば分かるだろうというレベルで、のめり込んだ状態にあります。全てはヴァシリのせいですね。
その状態で始まったアニカム4期。初っ端から推しのヴァシリが登場します。これもう見るしかなくね? ということでなんと、

テレビを買いました。

数日家電量販店へ通い、どのテレビがいいのか決めかねて最終的に店員さんに相談し、録画用の外付けHDDと共に購入しました。予算は5万でしたがちょっと超えました。
モシン・ナガンの無可動銃もほしい〜って言ってたくせにそこで金を飛ばすのか? ってセルフツッコミせざるを得ないのですが、後悔してません。前のテレビは画面焼けがありずっとストレスだったのです。おかげでゲームも映画もきれいな画面で見れます。きっかけになってくれた推し、ありがとう。


というのが前置きです。長い。

本題というのはエンディング曲である、THE SPELLBOUNDの「すべてがそこにありますように。」。
最初にアニメで聞いて聞き惚れました。切なさや希望、神話を語るような神々しい印象。それでいて風が駆けるような疾走感まである。基本的に曲の歌詞をきちんと聞き取れない人間なのですが、それでも拾い上げられる歌詞の一つ一つまで印象深い。
単純に美しいな、と思いました。

何よりも最初の『君が一番欲しかったもの すべてがそこにありますように』という歌詞の言葉。誰もが各々金塊を求めて突き進む登場人物たちにしっくりくるな……と思って、はたと気が付きました。
そういえばお金(金塊)はただの手段だと。
杉元は親友のお嫁さんの目を治すために。アシリパさんはアイヌのために。二人の敵である鶴見中尉は、今までの道のりで失われた仲間の命に報いるために。彼らのその「夢」とも呼べる目標は金塊で交錯する。それぞれやろうとしていることは全く別々だが、その手段のために金塊が必要となって対立したり協力したりしている。
彼らの望む「すべてがそこにありますように」という祈りは、僕ら読者や視聴者の気持ちに非常に近い気がした。それぞれの事情があって彼らは殺し合う。ならば、金塊なんて無くても、彼らが望んだそのすべてがあればいいのに。そうすれば彼らは、対立して殺し合うこともなかったかもしれない。

『ああ 消えていく 私の祈りも』
最終話まで読んだ方なら分かると思う。すべてがそこにありますようにという祈りの結末が。

物語を抽象的に語るような歌詞であり、酷いことを悲しみをまとわせながらも淡々と語るような雰囲気が神話のように感じられるのかもしれない。

けれど最後は『扉開ける次の僕ら』という歌詞で終わる。誰かの死があり、そこにひとつの物語の終焉があるとしても、その誰かを覚えている人はいて、その物語を知っている人はきっといる。そんな忘れずにいる人がその物語の続きを書き足していけるのだと、僕は感じた。







あとすみません、すごく個人的な感想もいいですか?
『消えない傷をあげる 口づけ(花束)の代わりに』と『なにもかもこわしたい 君を蝕むもの全部 酷く清く美しく とりかえしがつかないくらい』が、暴力的なまでの愛を表現していて大好きでした。

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