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はじめに。膠原病と私の家族

友人の後押しをきっかけに、noteを書き始めた。私たち家族が経験している膠原病関節リウマチに関する記録をnoteに書きとめることで、いろいろな人にこの病気のことを知ってもらい、”根本的”治療に向けた基礎研究がさらに進むきっかけに少しでもなればというのが動機だ。

私の理解では、リウマチは自己免疫疾患で、自分の身体の一部を自分のものではないと認識してしまい、抗体をつくって自分自身の正常な細胞などに対して攻撃をし、これにより、滑膜(かつまく)に炎症が起き、骨と骨の間のクッションの役割が果たせなくなり、関節、骨の破壊が進んでしまうという病気だ。

リウマチの関節・骨 破壊のメカニズム
関節を動かす時に、硬い骨どうしがぶつかって傷ついたり、痛みが出ないようにしているのが"軟骨"と"滑膜"。
リウマチはこの滑膜が充血してもとの厚さの何倍にも膨れあがり、また関節腔には関節液がたまり、腫れてしまう。
そして、発痛物質(炎症性サイトカインなど)もたくさん作られてしまう。滑膜には多くの神経が分布していることから、発痛物質が溶け込んだ関節液に触れ、くり返し刺激されることで「痛み」が起こるらしい。滑膜には浮腫も起きているため、神経が圧迫されてさらに痛むというのもあるとのこと。
滑膜の炎症が自然に良くなることは少なく、慢性化してしまうと軟骨や骨にまで病変が入り込んでしまう。これが「骨破壊」の状態になる。
骨は本来、骨を削りとる破骨細胞と骨を造る造骨細胞とがバランスよく働き、骨形成と骨吸破壊を繰り返しながら、新旧を入れ替えることで、”骨の質“を維持している。しかし、炎症性サイトカインは、破骨細胞だけを活性化してしまうので、形成と破壊のバランスが崩れ、破壊だけが進んでしまうのだ。
(湯川リウマチ内科クリニックの説明、図が私たち患者家族にもとても分かりやすく、ここから引用させてもらった。他にも参考になる情報がたくさんある。https://yukawa-clinic.jp/knowledge/basicknowledge/synovial-membrane.html)

日本では、60万人から100万人がリウマチに罹患していると言われている。

私の家族もその一人で、膠原病の関節リウマチだと、最初にそう診断されたのは、もう8年近くも前になる。診断されてからも彼女は好きな仕事を2〜3年、それこそ身を粉にして夢中にやっていたのだが、その無理がたたってリウマチが酷くなってしまい、しばらく身体を休める判断を彼女はした。当時はお互い遠く離れて住んでいて、私が行くことができるとしても月に1回がせいぜい。安心して治療を継続できる環境を整えられたらと思い、3年前に私のそばに移って来てもらったのだ。

目が届く距離に彼女がいるようになってまず気づいたのは、痛みと格闘する毎日を送っていた彼女の姿だ。元々頑張り屋さん気質なので、相当我慢していたに違いない。
この痛みから彼女を開放してあげたい。私の最初の目標はまずこれになった。近くの大きな病院に月に一回通い始め、彼女は嫌がったが、自分も最初の1年は付き添うことにした。このあたりの話は改めて書きたい。


難しい言葉が多いので、ざっくりとした意味:

IL-6等の生体内の様々な炎症症状を引き起こすサイトカインを炎症性サイトカインと呼ぶ

サイトカイン:細胞から放出されるたんぱく質の総称。細胞間の情報を伝達する役割を持つ。 白血球やリンパ球などから放出されるが、何から放出されるかによってサイトカインの持つ能力は変わる。

 Interleukin-6 (IL-6)はT細胞やマクロファージ等の細胞により産生されるレクチンであり、液性免疫を制御するサイトカインの一つ

T細胞:T細胞はその機能によって、免疫応答を促進するヘルパーT細胞、逆に免疫反応を抑制するサプレッサーT細胞、病原体に感染した細胞や癌細胞を直接殺すキラーT細胞などに分類される。

マクロファージ:白血球の一種で、この細胞は病原微生物などを細胞内に取り込み、食べてしまう食細胞。

アクテムラ:日本で開発された薬。炎症の元になるIL-6の働きを抑制する。IL-6は炎症性サイトカインの1種だが、TNFとは分子構造が違う。IL-6を抑制する製剤メトトレキサートは、現在アクテムラのみ。 TNFα阻害薬による治療で十分効果が現れない人にも効果が期待できる。TNFα阻害薬と比べ、効果が現れるのには時間がかかるが、いったん効き始めると安定した効果が得られると言われている。

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