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穏やかに解放される時間

 大好きなCDがある。UAのBreatheというアルバムだ。

 出会ったのは高校生の頃だったか。自分にあった本や音楽を見つけるために、手当たり次第試していた頃だと思う。きっと自分探し、ということをしていたのだろう。どういった経緯で手に入れたのかは忘れてしまったのだけれど、覚えているのは、最初の曲を聴いて、すぐに気に入ったこと。

 幻想的な音と、声と、歌詞。そして、メロディ。

 このアルバムは、聴いている私を、深い森の中に案内してくれる。そこにあるのは生茂る木々だけでなく、澄んだ小さな池や、こぽこぽと音が聞こえてくる湧水、囀る鳥たちに、転々と咲く色とりどりの小花。多くの光が差し込み、心地良い木漏れ日。

 この場所は、きっと、私が思い描く中で ”いちばんうつくしいところ” なのだと思う。そして、 "私がそのままのわたしで居られるところ" 。

 思えば、どこかへ旅行にいくとき、移動している時間などで聴いていることが多い。身体だけでなく心も遠くへ行かせて、心身のバランスを取っているのかもしれない。もはや目を閉じなくても、すぐにあの幻想的な自然の中へと訪れることができるようになった。

 もし、一人で夢想したり、想像したりすることが好きな人がいたら、ぜひ聴いてみて欲しい。きっと貴方を、特別な場所に導いてくれることと思う。

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