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【読書】喫茶ドードーシリーズ

【ネタバレ感想メモ】

①今宵も喫茶ドードーのキッチンで。
②こんな日は喫茶ドードーで雨宿り。

☕素敵な本だった。前作を読んですぐ続編も購入した。
いわゆる「繊細」な人間のことを応援してくれるような内容。
私は読んでいて心地よかった。

☕コロナの話題が出てくるので、そう聞くと身構えてしまう人もいるかもしれないけど。その時代の最中に感じた憤りみたいなものを、消化してくれる内容だった。

☕現代の「疲れ」をするりとかわす
SNS疲れとか、物事に白黒つけずに自分らしく生きていくとか、中年以降の仕事への向き合い方とか……最終的には自分の幸せとは、というところまで考えさせられるような短編集。

☕私の幸せを考える
私は正直、今の生き方が気に入っている。幸せと感じることもある。でももっと幸せになれるかもと思うことだってあるんだろうな。
もちろん辛いこともある。世間的に見れば何の責任もなく、遊び呆けているので……私のことをよく思わない人もいるだろうな、と思うと気が滅入る。
色々考えすぎて、自分の意見を言えなくて、爆発して損することも多い。
そういうの気にしてるうちはまだ幸せになりきれてないんだろうな、なんて思う。心に余裕を持つこと、大事ですよね。きっといつかその領域にいきついてみせるぞ~と思うとなんか楽しくなってきた気もする。

☕繊細ということ
この本、繊細な人や、自分を社会不適合者と思ってる人に読んでほしい。
途中で起きる事や、登場人物が抱えている問題については、読んでいて「私も経験したことがある」「モヤモヤするよね」と思うのだけど、最後はいつも綺麗にまとまる。
「よしあともう一息頑張ってみるか」「たまには息抜きしてみるか」「今のままでも十分素敵だ自信を持とう」本当にざっくりいうとこんな感じで背中を押してくれる。
しかし、繊細っていうか、気づく人っていうのは本当に生きづらいなと再認識もさせられた。だからこそ、いろいろできることが見えてきて、やりがいがある人生になるのかもしれないが。
繊細な人が繊細な人を支える、そういう世の中の流れができれば、私たちも生きやすくなるかもしれないなと思った。この喫茶店の店主さんみたいに、前向きになれる空間と言葉をくれる人が必要だ。
そんな人になりたい。

☕仕事との向き合い方
結構、仕事の話が出てくる。新人というよりは、年配の方とか、後輩を持つものの話が多いなと感じた。ターゲットがそのへんなのかな。
私の仕事への向き合い方を考えてみたが、私はまだまだ誰かの上に立つようなポジションにいたことがなく……。
仕事についても今はひたすら目の前の作業に向き合っており、この本の登場人物の1人ように専門職について実績を残すような、なんというか…唯一無二的な仕事はしていない。
まあ「喫茶ドードー」なら、そんな私にも、今のままでいいとか、挑戦してみても楽しいかもとか、必要な言葉をかけてくれるのかもしれないけど。ちょっと考えさせられてしまった。

☕人との付き合い方
仕事の先輩後輩とか、見た目が整っているとかどうとか言われたり、地雷踏んだり踏まれたりとか……
むかついたり、胸糞悪い出来事に思えても、相手には相手の事情がある、ようなことがこの小説に書かれていると思った。
私はそれで傷つけられた気持ちを完全に浄化することなんてできない。でも、そうすることで、自分を落ち着かせていくしかないのかな。
この喫茶ドードーのように気持ちの通ずる者が集まる場で「こんなことがあってね」「でも頑張りましょう」みたいに支えあっていければ素敵かも。
そんな環境が私には必要だし、きっと世の中には同じ思いの人がいるだろうな。

☕独身と既婚の話
これだけは私はまだよくわからなかった。これに関しては、独身と既婚はあまり関わらない方がいいと思っている人間なので、他人事だった。
私には生きる時代や生活環境が違えば「外国の方」と同じ、という考えがある。かといって外国の方に対して、攻撃的になるかというとそうではない。ようこその気持ちと距離感が大事という意味だ。

☕歳をとってから、つらい話や悲しい展開にはついていけなくなってしまったので(現実が1番クレイジーだから)こういった優しい本を読みたい。
この本は、読み手を否定しない。

☕この本を手にとるきっかけ
手に取るきっかけは、食べ物の書かれた表紙だったから。
スマホを見る時間を減らすため、文庫本を持ち歩くことを思いついたのだが、本屋には本が溢れすぎていて、読書初心者の私は何を買おうがとても悩んだ。
そこで、何も考えず「食べ物の表紙」を基準に選んでいくことに決めた。
食べ物の表紙には「優しい・あったかい」そういうイメージがあるので、自分の求めているものに出会えるのではないかと思った。
この選び方が結構面白い。
おススメの「食べ物の表紙」の本があれば教えていただきたい。


安心度:★★★★☆ 親が亡くなった話がちょっとある 
世界観:★★★★★ 落ち着いた空間、一貫して落ち着く
感動度:★★★☆☆ 心揺さぶられるというより背中を撫でてもらう感覚
読みやすさ:★★★★★ 安心して読める
トータル満足:★★★★★ 前向きになれる

わたしの読書記録について・・・
「安心度」死の描写や精神的につらい場面がないほど安心度が増える
「世界観」雰囲気のよさで決める
「感動度」涙腺ぶっ壊れてすぐ泣く私の基準で、感動して涙が出たかどうか
「読みやすさ」言葉や表現が難しくて頭を使うものは読みにくいと思っている人間なので、私が読みやすいと思ったものはみんな読める
「トータル満足」これが高いと人に勧めてみよっかなって気持ち