「居場所」という新しい可能性について

この記事は、とある女子学生向けに書いている。
できるだけ、「死にたい」とか「人生つらい」って思ってる人の心にも響く記事にしたいと思っているけれど、私個人が見聞きした、ごく一部の地域での話なので、人によっては夢物語に感じるかもしれない。
それでも、可能性を感じてくれたら嬉しい。

まず、「お前、誰だよ?」ってみんな思ってるだろうから、自己紹介から始めよう。

私は、かつて中学・高校生の福祉的・教育的支援をしていた28歳だ。かつての職場は生活が苦しい家庭を主な支援対象をしていた。

人間、お金がないとね、大人でも人生つらいんですよ。子どもにもお金をかけられなくなるし。また、大人だけでも生きてるの精一杯だから、子どもに愛情注ぐのが難しかったりするのですよ。そんな家庭の子どもって、これでもかってくらい理不尽と困難を抱えてたりするのですよ。
そんな家庭を支援していたので、「死にたい」とか「いじめられてる」とか「学校つらい」とか「人生つらい」というケースの一部を知っている。でも、人の数だけ人生があり、人生の段階の数だけ悩みの種類も数も違うので、誰に対しても「あなたのつらさ、わかるよ?」なんてことは口が裂けても言わないし、思わない。

今の私は何してるかって?
うーん、色々あって、無職をやってる。障害者手帳ももらってる。年金暮らしをしているので、経済的余裕もそんなない。家庭の事情で、住んでいる家は全然安心できる場所じゃない。「死にたい」って思うこともしばしば。

それでも、私が日々をサバイバルできる秘密を、この記事では書こうと思う。
キーワードは、「居場所」。

それでは、本文をはじめようか!

「居場所」というのは、様々な可能性を秘めた場所だと思う。ただし、最近、色々な場で語られているので、私が思い描く居場所像を明らかにする必要があるよね。

【私の思う居場所】
・安心して、自分らしくいられる。
・学校でも、職場でも、家でもない。
・その場にいることを強制されない。嫌ならいつでも出ていける。戻ってこられる。
・行けば誰かと会えるが、1人でいることも尊重される。
・参加が義務ではない。月イチでも年イチでも、参加すればいつでも歓迎される。

ふむ。こんな感じかな。

私は、この居場所を、趣味コミュニティの中にいくつかもっている。
私は、病気で休職したり退職したり、とにかく人生に絶望したら、「何か新しいことを始める」ことにしている。
おかげで、3DSや、アニメ鑑賞、読書、囲碁、着付け、タロット占い、ユニット折り紙が趣味になり、最近では競技かるたにも手を出しているんだけど。

これだけ個人的に好きなものがあり、SNS(趣味コミュニティならmixiが充実してる気がするな)も発達してると、コミュニティに登録しておくだけでオフ会に誘われることもあるわけで。オフ会(もちろん、いい会もあれば酷い会もある)に参加させてもらって、特に居心地の良いところは継続的に関わっている。
特に、某サークルは私の思い描く居場所像にぴったりなので、遊びから人生相談までお世話になっている。

また、喫茶店も私の居場所のひとつになっている。
「店が混雑してないとき限定」ではあるが、個人経営のお店では、顔見知りになった店主やお客さんとのんびりと会話ができる。

こんな感じで、私は家の外に居場所をもち、生きづらい日常をサバイブしている。
もちろん、頻繁に通う金銭的余裕はない。だから、仲のいいメンバーとはSNS上で友達になっておき、ゆるく交流できるようにして間を保たせている。

この「居場所」は、最近では学校内にも作られている。目的としては、日常的に、支援者と生徒、生徒と生徒同士が交流することによって、ポロっとこぼれた本音を相談機関や福祉的アプローチに繋ごうというものだ。

私には某県で校内居場所カフェを運営する知り合いがいて、時々ボランティアに行っていたことがある。
校内居場所カフェは、一見すると、生徒が楽しくお菓子やジュースを片手にボードゲームを楽しむ場だ。学年を超えた交流なんかも生まれたりする。

進路や恋愛話なんかは、生徒であれば共通の話題だ。「同学年ではダメでも、先輩ならいいこと言ってくれるんじゃない?」「ボランティアの恋愛上手そうなお姉さんなら、いいこと言ってくれるんじゃない?」そんな感じで、遊び空間のそこかしこで、人生相談が始まる。
そこで「いいこと」言ってもらえた経験が積めると、「相談するといいことあるんだ」「ここの大人は信用できる」という自信が生まれてくる。

居場所カフェはそこからが本番だ。

カフェの人間への信用が溜まると、「ぶっちゃけ、人生つらいんだけど」という話も、こっそりと大人に相談できるようになる。大人(支援者)が学校内外にネットワークを持っていると、その相談内容に応じて、然るべき大人たち(教員や、カウンセラーや、スクールソーシャルワーカーなど)が解決に動き出す。
それが(私の知っている)校内居場所カフェだ。

冒頭で、「この記事はとある女子学生向けに書いている」と書いた。
彼女は、生きづらさを抱えた、コミュニケーションが苦手な現代の子ども・若者に、新たな手法でアプローチしてほしいとnoteで訴えていた。

まだ導入している学校は少ないけれど、校内居場所カフェという解決法をもっている大人たちもいるのだ、ということを彼女に伝えたくてこの記事を書いた。

また、学校に行けない(あるいは学校を卒業してしまった)人には、私個人の経験を通して、「趣味という逃げ道があるよ」ということを伝えたかった。

「あんたがコミュ力高いから、たまたま上手くいっただけじゃね?」
そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。

ただ、あなたが人生を諦めようと思っていて、手元にいくばくかのお金があったら、好きなことや興味があることに使い切ってみてほしい。好きなこと・興味あることをやってることをSNSで自慢してみてほしい。共通の趣味のある人にいいねを押しまくってみてほしい。
もしかしたら、その過程で趣味仲間が見つかって、人生捨てたもんじゃないって思えるかもしれない。
少なくとも、私はそうやってサバイブした。

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