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オックスフォード大学大学院卒業

オックスフォードの大学院博士課程は3-4年で卒業となります。ただ学部によっては10年近くかかることもあるので、注意が必要です。理系のラボは主催者がイギリス人なら学生はイギリス人が主体、ドイツ人なら常に数人はドイツ人の学生がいるといった事がままあると思います。私のところはマレーシア人でしたので、学生は多国籍でイラン、香港、マレーシア、ブルネイ、オランダ、ドイツ、イギリス、サウジアラビアと日本からの私と言った感じでした。オックスフォードに限らないと思いますが、グラントが切れれば研究室は潰れてしまいます。私の所属していた研究室もグラントが取れず、三年目にして早く論文を仕上げないと居場所がなくなるというピンチになりました。その一年前にさらに子供が生まれ、妻も大学院に入りと私生活も忙しくなっていました。イギリスでは保育園はフルタイムで8:00-18:00までの週五日預けると大体子供一人につき、一月20万円くらいかかります。大学からの補助があるとはいえそれでもひとり15万円くらいでしたので、もう赤字も赤字、卒業の時はすべての貯金が本当になくなりました。なんとか節約するために週3回にして、朝は妻が、午後は妻私が子供といることにしていたので朝5:00始発のバスに乗り研究室に行き、昼に帰宅。自宅で卒業論文を仕上げるという過酷な生活を最後の1年はしていました。英語の会話にもだいぶ慣れてきましたが、卒業論文は英語でおよそ300-350ページに渡りまとめないといけません。ネイティブですら骨が折れるのですが、私は何度もスーパーバイザーから英語がおかしい、通じない、イライラしてくるなどの小言を言われ、なけなしのお金で買ったチョコレートでなだめ倒して無事に論文を提出したのでした。

試験はその提出した論文をもとに二人の試験官からの口頭試問でした。14:00からスタートし、幸いなことに一人の試験官はアイルランドのダブリンからで、帰りの飛行機が19:00とのこと。内心長くても17:00までには終わるからラッキーと心弾ませた記憶があります。口頭試問は泥沼にはまると5-6時間締め上げられた挙句、実験データの再提出を求められ、あと一年さらに研究をしなければいけない、なんてこともあるのです。

私の場合は無事少しの修正をするだけで試験をパスし、研究室の仲間が終了と同時にシャンパンで迎えてくれたのでした。卒業式は年に数回あり、都合が合いそうな日を予約するのですが最短で一年後。特に天気の良い夏は人気で予約が取りにくいです。そのため多くの外国人は一度自国に帰り休暇を取ってまた大学の卒業式に出るという形をとっています。卒業式はカレッジ内でまず食事。ハリーポッターのようなガウンをきて、よくわからないラテン語の説教を1時間ほど聞いてセレモニーはお開きです。私は両親を招待したのですが、式の途中に飽きてしまったのか居なくなっていました。

次の記事では有料ですが、イギリスで就職するコツのようなものを公開できたら、と思います。

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