独身オタク女が初めて年下の男の子の可愛さに頭を抱えた日


年下で好きな人なんて、山本武か青峰大輝しか居ないと思ってたのに!!わりかし本気で山本武(中学2年生14歳、親友の為にマフィアに加わった実家が寿司屋で日本刀で戦う野球少年)と結婚したいと思ってたけど、ちょっと待って犯罪じゃね?びっくり〜。


自分の事しか考えられないと評判の私にも、誰かを可愛がりたい感情がある事に驚きました。単純に歳を取ったからなのか、行き所の無い母性がそうさせるのか。理由はどうあれ、初めて自分より若い男の子を可愛いと思いました。加藤さん事件です!

年下とかありえない!同い年も出来れば嫌、やっぱり年上よね〜!っていう女いますでしょ。私の事なんですけど。何をもって年上しか無理なのか明確な理由も無いのに、そうだと信じ切っているタイプのアホでありました。単に経済力や包容力を期待しての事だったと思うんですけど、幾ら長く生きてようがアホはアホだしクズはクズだと気付いてしまいました。(何故なら自分がそうだからな!)


よく行く居酒屋さんで若い男の子とお友達になりました。本当に普通の、車やスニーカーや音楽が好きな、ふつーーーの男の子です。

あの子が喋りたいって言ってるよって店員さんにニヤニヤしながら言われて、中学生みたいに友達にからかわれながら、コーラ片手にどうもどうもと挨拶に行きました。酔っ払いか?冷やかしか?やんのか?と内心戦闘態勢バリバリです。誰が一番ブスな自撮りが出来るか大会で大騒ぎするグループの私に声かけるって頭大丈夫か?と思いながら。(お前らが頭大丈夫か?)

(ブスの悲しい性なんですけど、声をかけられる事への不信感が凄まじいのです。きっと罰ゲームなんだと思うし、めちゃくちゃに酔っ払ってるんだと思ってしまいます。素直に喜べる程、自信が無いんです。そこが一番ブスよね〜)


なのに、開口一番今度一緒にご飯が食べたいですと言われ、その素直さにババアは倒れそうになりました。ひゃー!なんだそれ〜!構えてる自分が馬鹿みたいで、即答しました。食べる食べる!!イェーイ!!(後に高田純次さんくらい軽くてビビったと言われる)

コーラと唐揚げをおつまみに2人で喋って、すぐに次の約束をして、連絡先を交換して、そのスピードの凄まじさったら。大人になってから何度も経験した、うだうだ何も進まない会話に麻痺した私は、終始おかしくて笑っておりました。

お互いに距離を計りあぐねて、どうにか相手から言わせたい、みたいなくだらないプライドが捨てられなかったあの時間て、一体何だったのか。そんなものは一切排除した、まどろっこしさゼロのデートのお誘いは笑っちゃうくらい嬉しい出来事でした。


それから、何度もご飯を食べに行きました。アホみたいに燃費が悪くて、晩ご飯を食べたのに「すみませんマック寄って良いですか…」とおどおど言われたら、笑うしかありません。映画に行って、おすすめの歌手を紹介しあって、お仕事の話をして、これまでの恋の話もして。気付いたらお店が閉店しちゃって、でも駐車場でもう少し喋って。

自分でも驚く程、彼を可愛く思っておりました。凄いなぁって褒めたいし、格好いいねぇって素直に言いたくなります。それは、彼がそうやって私に接してくれるからでした。そういうの良いですね、俺好きですよ、って言われた時に、この優しさを享受するのが私だなんて、勿体無いなぁと思う程でした。


(一度ワンピースを着て行った時に、名称をド忘れしたのか、「そのドレス?似合いますね」って言われた時の事が忘れられません。あんなにも服を褒められて嬉しいと思ったのは久しぶりだったのに、「わしゃ姫か!!」って千鳥みたいな返事しちゃったけど、)


長い文章を送る事は無く、最低限の連絡事項しか送りません。ふとした時にご飯に誘われたり、好きそうな映画があるから誘ったり。夜中の2時迄話して、でも絶対に部屋には入りません。キスもしない。手も繋がない。

たまに、お互いの指輪や、肩や、ピアスなんかに触れるだけです。彼の手の甲に浮いた血管を触ったり、私のネイルを触って面白がったり。煙草に興味が無くてライターが上手く使えない私に、上から手を重ねて親指をスライドさせるのを教えてくれた時くらいです。


一度、2人で遊園地に行きました。運転すると言って聞かない彼に折れて車で向かい、開演から閉園まで大学生みたいに遊びました。

ココアを買ってくれたり、私の好きなジェットコースターに並んでくれたり。普段撮らない分、ちゃんと写真を撮りましょうと園内をぐるぐる回って色んな写真を撮りました。とっても楽しくて、また行こうねと何度も言って。キャストさんに、カップルに間違われる度に2人で笑ってしまって、それをどんな気持ちで聞いていたのかは少し気になります。


これは私の悪い所なのですが、名前を付けられない関係性に困惑してしまいます。友人なら、もっと友人らしく居たら良いと思ってしまいます。女性扱いせずに、格好つけて車やお金を出そうとせずに。でも、優しい彼を失いたくないから曖昧なデートを何度もする私だって同罪ですよね。


リアルなイメージをしたくなかったのかもしれません。彼とのデートは楽しい事ばかりで、言い過ぎかもしれないけど非現実的ですらありました。その時だけは悲しい事が何も無くて、その逢瀬を失いたくなかったのかもしれません。

付き合いたかったかと言われたら、勿論そうだと思います。優しくて、趣味が合って。でも何故か、好きですの一言が言えませんでした。言わない方が良いな、と自分の中で確固たるものがあって。彼がどう返事をしたってこれ以上良い関係なんて無いと、どう考えてもこの子の隣に居て良いのは私じゃないと、心の底から思えて。

格好つけてる様で、これは自分の為でしかありません。彼の周りに居る若くて可愛い女の子達と並びたくなかったからです。これから彼が色んな場所で色んな人と出会って行く中で、なんで私なんかと居たんだろう?と思われたくないからです。ずるい私は自分の心の平穏を保つ事を選びました。




彼が今どうしてるかはわかりません。幸せで居てくれたら良いなと思います。思い出しても寂しくなる事は無くて、それって大人になったからなのか感情が薄くなったからなのかどちらなんでしょう。只々、とても可愛い男の子だったなと頬が緩みます。








ていうかリボーンには10年バズーカっていうチートアイテムがあるから成人した山本武なら問題無いのでは?????勝ちじゃね??????







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?