面倒くさいより面白いを勝たせる

この章ではゲーム開発において初心者の方の挫折に繋がる様々な
「面倒くさい」を解消するための具体的なアドバイスについて
書いていきたいと思います。

ゲーム開発をしていると、どうしても
作っていて面白くない部分が出てきます。

「面白いゲームを作りたいだけなのに…」

私自身、初めてゲームを作ろうとしたときに何度も何度も感じたし、
挫折しかけたポイントが多々ありました。

そんな経験から初心者の挫折ポイントは大きく分けて
3つあるのではないかなと思ったので
この章で1つずつ対策していければと思います。

3-1では開発エンジンのハードル
3-2ではプログラミングのハードル
3-3では作ってて面白くない部分のハードル

既に一度開発をしようとして挫折してしまった方は、思い当たる項目が
あれば真っ先にそのページに飛んでもらうことをおすすめします。

手前から全てのページを読む必要はないので興味のある項目からぜひ、
覗いてみてください。

本題に入る前に少し話はそれますが、そもそも
「自分の作りたいゲーム」よりも「売れるゲーム」を
作ろうとしてモチベが保てず失敗するというケースも
結構見かけるので、それについて先に少しだけ書いていこうと思います。


売れるゲームを作ることは組織やチームで
行う分にはとても価値のあることだと思います。
ですが、ゲーム開発未経験の方が、そこまで作りたいジャンルでもないけど「売れそうだから作る」を目標にすると結構な確率で失敗します。

単純に開発してて楽しくないからですね。
特にお仕事でもなく、誰に迷惑がかかるわけでもないので、
強制力がない個人開発のフィールドでは、やはり開発における
モチベーションは重要です。

そして、開発を楽しんでゲームを作るという事は
ゲームの完成の有無以外にも影響します。
それはクオリティです。

何個もゲームをリリースした経験がある方には共感してもらえるのではないかなと思っていますが、「モチベはないけど売れやすいジャンル」を
作るより「モチベがあるフラッシュアイディア」を作ったほうが
ユーザーに楽しいといって遊んでもらえることが多いです。

「モチベがある売れやすいジャンル」を思いついたら最強ってことですね。(完成すれば…)

面白いと思って作ったものや、こだわりをもって作ったものは
不思議と人に必ず届きます。

ですので、大前提として個人開発が初めての方は、
自分が作っていてワクワクするものを
作ることをおすすめします。

それでは、本題に移っていきたいと思います。



1
色々な開発エンジンに触れてみる


まずは「開発エンジンのハードル」から突破していくことにしましょう。

自分に合ったエンジンを見つけることで、開発のハードルを下げ、
より集中できるようになります。

しかし、初めてゲームを作ろうとした際には
自分の「作りたいゲーム」の構想自体がなんとなくで
「どの開発エンジンを使えばいいのかわからない」という方も
少なくないと思います。

また、実際に作るステップまで進んで
ゲームを作り始めたのはいいものの
なぜか思い通りに開発エンジンを使いこなせずに
挫折してしまうケースもよく見かけます。

ここではUnity・Unreal Engine・RPGツクールという
3つのメジャーなエンジンについて、ご紹介できればと思います。

私は普段Unityを使ってゲーム開発を行っているのですが、
Unreal EngineやRPGツクールでも
ゲームを開発しようとしたことがあります

ですがうまく使いこなせず、結局この2つのエンジンを使って
作ろうとしたゲームは完成しませんでした。

これは何もUnreal EngineとRPGツクールが
Unityに劣っているというわけではなく、
ゲームエンジンには相性があるという事です。


では、この3つのエンジンはそれぞれどんな人に向いているのか。
掘り下げて書いていければと思います。

まずはUnityです。
今回紹介する中でも一番メジャーな開発エンジンといっていいでしょう。
2Dゲーム、3Dゲーム共に作る可能で、言語はC#を使用します。

これさえあれば大抵のゲームは作れます。
プロの現場でもゲーム開発に使われています。

Unity最大の強みは何か困ったときに
数多の知見がネットに転がっているということです。

初心者にとって、一番始めやすい環境が
整っていることは間違いないです。


次におすすめなのがUnreal Engineです。
高度なグラフィックスが求められる3Dゲーム開発に適しており、
ビジュアルスクリプティングシステム「ブループリント」によって、
コーディング知識がなくてもゲームを作成できます。
言語はC++です。

Unityほどではないですが、こちらも数多くの知見が
ネットに流れているので、初心者が始めやすいのは間違いないです。

Steam向けに3Dゲームをリリースしたい方やグラフィックに
とにかくこだわりたい方にはおすすめですが、2Dのゲームを
作りたくなった場合には他のエンジンを使った方が作りやすいので、
PCスペックにそこまでゆとりがなかったり、とりあえずなんでもいいから
ゲームを作りたい!という人はUnityの方がいいです。

そして3つ目はRPGツクールです。
RPGの開発に特化しており、コードをかかずに
ゲームを作ることができます。

こちらはまず大前提としてRPGを作るためのものなので
他ジャンルを作りたい方はあえて
このエンジンを選ぶ必要はないです。

あえて付け加えるならば、「バカゲー」と
呼ばれているジャンルを作るには
ある意味適しているのかもしれないです。

一方でマップ作りが好きだったり、キャラの設定や台詞を
考えるのが好きな人にはかなり適したエンジンになるかなと思います。


開発側もユーザ側も、いい意味でハードルが下がっているので
クオリティとプログラミングスキルを気にせずに
ゲームを作ることができます。

ただし、その分収益化やアプリとしてリリースされている作品が少なく、
知見もそこまで多くないので、それも見据えた作品を作るとなると
少しハードルが高く感じるかもしれません。

ということで、ここまで3つのエンジンを紹介してきましたが、
冒頭でも触れた通り、私は全てのエンジンに触れたうえで
Unityを選択しました。

開発エンジンとの相性は人それぞれあると思うので、
最初から一つのエンジンに限定せず、
できるだけ多くの開発エンジンに触れたうえで
自分のスタイルにあったものを見つけることが
重要なのではないかと思います。

とはいえ、Xのポストなどを見ていると、やはり
「Unityでゲーム開発を始めました」という方が圧倒的に多いです。

この本を読まれている方もUnityを検討していたり、
既にさわっているという方が多いのではないかと思います。

そうすると必然的に、「プログラミング」も
学習しないといけないということになります。

初心者の挫折ポイントは大きく分けて3つのハードルにあるという
お話をしましたが、Unityの場合、「開発エンジンのハードル」と
「プログラミングのハードル」は同時に乗り越えなければ
いけないわけですね。

さらにその中でエラーが発生したり、
開発エンジン側のトラブルが発生したりするわけです。

これを踏まえると、「開発に挫折する人が多い事」
「完成させることが難しい事」がより体系的に理解でき
納得がいくと思います。

しかし、私はそれでも、やり方次第で
「ゲーム開発は楽しくなる」と信じているし
現に私はゲーム開発を楽しめています。

そこで、できるだけ面倒くさい要素を排除するために次は、
紹介した2つのハードルを同時に乗り越えられる実践的な方法に
ついて私の体験談を元に話していきたいと思います。



2
チュートリアル記事のゲームを作る


私が一番最初に作ろうとした「宇宙猫」のシューティングゲームは
3ヶ月にわたり開発を行いましたが、心が折れて完成せずに終わり、
その後、3週間で作ったアプリをAndroid向けに
初めてリリースしたというお話をしました。

ここでは、この話をもう少し掘り下げて
いきたいと思います。

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