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失敗しない飲食店のつくりかた~開業資金の調達方法 第1話~

さて、前回は、お店のコンセプト、立地、ターゲットの検討や、食材・人・家賃にかかる費用についてお話しをしました。

今回から2話に分けて、金融機関から開業資金を調達する方法についてお話しします。

金融機関に開業資金の融資を申し込むときは、お店の立地に関する調査資料、事業計画書、資金計画書、損益計算書といったたくさんの資料が必要です。

「まだ実績もないのに」、「こんな資料を提出しろなんて困るな。。。」

そう思うかもしれません。

行政書士は、飲食店の営業許可の申請に加えて、融資の申し込みもサポートします。 

開業資金の融資をうける際に必要な資料の作成方法について、食品行政書士がわかりやすくお話しします。

0.1 お店の商圏分析資料をつくってみる

個人開業の資金調達には、通常、政府系の金融機関である日本政策金融公庫や地元の信用金庫などが利用されます。

いずれも、開業資金の融資を申し込む際は、お店の資料が必要となります。

お店のコンセプトにあわせた、おおよその立地条件がきまったら、商圏、集客力、人通りなどを考慮しながら具体的な候補地を絞っていきましょう。

①商圏のデータを集める

商圏、商圏分析とは、そもそも何でしょうか。

お店のターゲット(想定する客層)がいると思われるエリアを商圏といいます。

最適な立地を決めるため、徒歩10分以内、自転車で10分以内、電車や車で30分以内といった一定の時間や距離で区切ったエリアについて、人口やどんな人がいるかを調べるのが商圏分析です。

商圏分析は計画的なお店の運営をしていくために欠かせない作業です。

まずは、出店したいお店の具体的な商圏をいくつかリストアップしてみましょう。

つぎに、リストアップした候補地について、男女別人口、年齢別人口、世帯数、世帯あたり人数、またこれらの増減率を調査します。

さらに職業構成、自動車保有の有無、住宅の種類、世帯構成、所得水準なども調査して、それぞれ候補地ごとに比較できるような一覧表をつくってみましょう。

②地域の集客力を確認する

人の動線は人があつまる場所に向かって引かれます。

候補地に人が集まる場所があれば、その施設に向かうときや帰るときに立ち寄ってくれる場所を、候補地にできるかもしれません。

他方、人が集まる場所が商業施設の場合、競合するお店がすでに入っているかもしれません。
商業施設内にどのようなお店があるかも、あわせて確認しておく必要があります。

また、商圏に駅がある場合、駅から人があつまる場所に向かっての動線を調査したり、反対に、駅に向かう人々の動線も調査してみましょう。

③お店の前の人通りを確認する

既に、お店とする具体的な物件が定まっている場合は、そのお店の前の人通りも確認してみましょう。ファストフード店やラーメン店のように、回転数(来店人数)が重要な場合は、お店の前の人通りが多くなる時間帯を確認してみましょう。

一方、カフェバーやレストランなどの客単価が高いお店を計画してるのであれば、通行人が学生か社会人かファミリー層かといった、属性に注目してみるのも一つの方法です。

いずれにしても、人の動線やお店の前の人通りの確認は、現地に出向いて調査するのがベストです。現場の状況を目で見て肌で感じることがとても大切なのです。

④第1話まとめ

いかがでしたか。

データと実地調査で得た情報をもとに、商圏分析をして、最も良い立地にお店をオープンできれば、その先の堅実な経営が見込めます。

また、商圏分析は金融機関から開業資金の融資をうけるとき、事業計画書など他の資料といっしょに提出することで、計画書の信ぴょう性を高めることができます。

商圏分析は専用のソフトを購入して自分でおこなったり、調査会社に依頼することもできます。

なお、当事務所では、総務省が提供する無料データベース「j STAP MAP」等を利用して、開業時の商圏分析をおこなっております。

資金調達サポートのサービスとしてはもちろん、商圏分析だけのご依頼も承っておりますので是非ご利用ください。

次回は、「失敗しない飲食店のつくりかた~開業資金の調達方法その2」として、事業計画書、資金計画書・損益計算書のつくりかたをご案内します。

またご覧いただけたら幸いです!

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