柔術が上達しない3つの理由

ブラジリアン柔術は楽しいので、上達にベクトルを向けて日々の練習に取り組むのは難しいです。

競技者にとって肉体のピークと思考力のピークが重なることは最高のパフォーマンスを発揮するために重要ですが、多くの場合はズレます。

頭が追いついてない or 体が追いついていかない? 

私自身も、思考力が高くなったのは肉体のピークをとうに過ぎ去った後であり、悔しいと思いつつもこればかりは仕方がない事です。

思考力は競技歴にある程度比例します。

Ex. 5年目の青帯 vs 10年目の黒帯

5歳から柔術をやっていれば20歳でキャリア15年、肉体的にもまだまだ伸びる。20年目ぐらいでピークの一致がくる。子供から競技をやるというのは大きなアドバンテージがあります。

大人になってから柔術をはじめたとしても、肉体的なピークとは関係なく、茶帯、黒帯になる頃には思考力も高まり

(ちゃんと考えて練習しないと上達しないんだなぁ・・・)

ということが理解できます。本当は白帯の頃に理解したかったです。悔しいです!!

ですが、後進が同じ轍を踏まないようにこの記事を書きます。

柔術が上手くならない理由は多くあります。その中でも多くの人に当てはまる3つを説明します。

この記事の内容を理解してちゃんと練習すれば確実に上達します。

結論

柔術が上手くならないのは

  1. 技術の原理原則を知らない

  2. 技術を遂行する能力が足りてない

  3. 質の良い反復の不足

この3つがあります。どれか一つができてないこともあれば、複数ができてないこともあるはずです。

自分に足りてないところを明確にして、意識的に練習するのが効率的です。


技術の原理原則を知らない

柔術の基本といえばエビとかブリッジなどのソロムーブなのか?クローズドガードからの腕十字や三角絞めみたいなわかりやすい技のことなのか?

ここら辺の解釈は人それぞれですが、どのような動き、技術にも理屈があります。

私はこの理屈こそが基本であり、ここを知らず(又はズレて)、対象の動きや技術を反復することほど無駄なことはないと思います。

腕十字

Ex. 腕十字

肘関節を極めるには肘より上腕側に股間を当てなければならない。

この理屈を知らず、股間を前腕側に当てて練習してても肘は一向に極まらないですよね?

原理原則を理解することは一番大事です。

動きや技には難易度があります。たとえ簡単な技でも完璧に理解することは難しいです。

初心者がディティールを含め100%を理解する必要はないですが、技を成り立たす為に、原理原則を外さず70%ぐらいは理解する必要はあります。


技術を遂行する能力が足りていない

「よし!理屈はわかった。いざ練習!」

・・・といきたいところですが、動きや技を遂行するには能力が必要です。

二つ折りになれないとベリンボロはできない

Ex. ベリンボロ

インバーティドムーブで体を二つ折りにできる脊柱、股関節、膝関節の可動性、動く為の筋力etc…

遂行したいパフォーマンスによって必要な能力は異なります。エビだと股関節、体幹部を屈曲させる為の能力、ブリッジだと股関節と体幹部を伸展させる為の能力

パワー、筋力、可動性、心肺機能、感覚etc…

もちろん、複雑な動き、技術になればなるほど必要な能力は増えます。

脊柱や股関節の可動性を持たずにベリンボロをいくら練習しても、上手くならないどころか怪我に繋がることもあるはずです。

『原理原則は設計図ですが、能力はそれを作るパーツです。』

やりたい動き、技術の為にはフィジカルも鍛えるべきです。


質の良い反復の不足

「理屈はわかった!能力もある!」

しかし、これだけで上手くなれば天才ですので、やはり反復練習が大事です。

動きの中で、又は止まったところから、技を繰り出すタイミングを反復することで獲得します。

どのような練習も言いかえれば動きや技術の反復練習です。

ソロドリルでは自分の動きを反復、打ち込みでは相手に対して技の反復、スパーリングでは強度が高い状態での技の反復

上述の例のように、原理原則から外れた技術をいくら反復したところで無駄どころか下手くそになってしまうので、原理原則を押さえた上で、質の良い反復を繰り返していかなければなりません。

↑おすすめの動画

オリンピック金メダリストも石の上にも三年を地で行ってた話が好き。

先生のアドバイスで持ち方を変えたら投げれるようになったのは、運動学習の連合段階、自動化段階でよくある。眼光炯々

後半の一人打ち込みのやり方で、一回ずつ意識することは質を高める為にかなり大事


まとめ(練習は評価でもある)

以上の3つが柔術が上達しない理由です。

しかし、日々の練習に入る前の段階で、原理原則と能力、質の良い反復のどれか、または複数がないことの方がほとんどだと思います。

Ex. ボディロックの防ぎ方が次の練習課題になる

このような状態で練習をしたらダメということではなく、練習とは評価でもあるのです。

  • 何がやりたい

  • 何ができる

  • 何ができない

  • 何が足りてない

打ち込みなりスパーリングなり、様々な練習方法を実践すると思います。これらの中で何が課題になるかを抽出することは、ちゃんと考えて練習する為の第一歩です。

そこから、課題をクリアするための練習を実践していくことが確実な上達につながります。

Yusuke Yamawaki

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