見出し画像

240821-御蔵島の味を利島でチャレンジ-シマテンナンショウの絞りかすを利用した菓子 なもなき料理

伊豆諸島に分布する「シマテンナンショウ」
御蔵島では「へんご」、利島では「へっぽそ」と呼ぶ。


御蔵島でいただいた資料によると、「へんご」には、以下のパタンで利用していた。

1 根を茹でて、ついて食べる。→「ヘンゴ団子」と言うらしい。

2 (茹でてから)根をすりおろし、水にさらして澱粉をとる。→保存食

3 2の絞りカスを揚げて食べる。→名もなき料理?
メモには、「シュウサンカルシウムが含まれており、喉が痛くなる」と記してある。根元や皮に多く分布するため、そこを十分にと除くことで、シュウサンの量は減らすことが出来る。それでも、幾分かは食べた際にイガイガするのではないかと思われる。

利島のご老人に伺うと、パタン2しか話題にあがらない。そして、根は下茹でしないのも違いだ。


島のお母さんが、澱粉をとった絞りかすをとってくれていた。そこで、

以下の流れで、搾りかすを用いたパタン3(名もなき料理)を作ってみた。

絞りカス


擦りおろす前に下茹でしてないので、搾りカスを下茹でした。黄色がかっており、恐らくシュウサンカルシウムの残量が多いのではないかと考えた。残ったでん粉が膨潤したので、茹でこぼしきれず、流水で膨潤した澱粉を泣く泣く洗い流す。


泣く泣く洗い流した澱粉を補充するため、片栗粉を加えた。そのままでは、味気ないため砂糖も追加。


一口大に丸めて、油で揚げ焼きした。


仕上がりの正解が分からない。御蔵島で地元の方へのききとりした手書きのメモだけが頼り。
これこそ、まさに毒味タイム。一口づつでは恐ろしい、、。ひとつまみづつ、徐々に口腔内奥に送り込む。


片栗粉を加えたとはいえど、シマテンナンショウ由来の膨潤した澱粉により、しっとりと優しい弾力を舌で感じられる。一緒に毒味してくれた島のお母さん「飲み込むとき、少しピリッとしたけど食べられるよ」

多少のエグ味は我慢、腹すかしてるよりマシ
ということなのか?
当時の人がこれを口にした背景や気持ちはどんなものだったのか?

利島では、エグ味が残る搾りかすを使う習慣はあったのか?食べられる山菜も「家畜の餌」として人は見向きもしてない、恵まれた自然環境を思うと(勿論、野菜より芋澱粉の方が腹の足しになるだろうが)はて。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?