見出し画像

無職本を読んで

タイトル通り無職本と言う、不穏な印象を受けてしまう本を読みました。
装丁もゴシック体でデカデカと「無職」の文字。
状況が状況の人が読んだらダメージを受けそうな、内容なのかなと勝手な先行イメージを持っていました。(そんな私も現在休職中。ほぼ無職です。)

内容は様々な経歴を持つ8人の方が無職について、エッセイや小説、漫画などを書かれています。

本冒頭に記載されているミュージシャン、松尾よういちろうさんのエッセイが自分にはこの本に対する向き合い方、創作活動をしていたり、興味を持つ人間にはかなりズシンと来る内容でした。
ニュースで流れる犯罪者の所に出る”自称”ミュージシャンの文字。
世間で認知されていないミュージシャン、すなわち音楽で生活できていない人間はフリーター、はたまた無職と言うカテゴライズをされてしまう。
だから、自分自身でミュージシャンと名乗らなくてはならない。

この本の中にはこのような生きていく上で、社会基準の沿った生き方をしない人が複雑な感情を抱きながらも、なんとか今を騙しながら生きている事が書かれている。

 世間では無職期間を空白期間と呼んだり、何も積み上げていない、社会的キャリアを成してない無為な時間という風に捉えられたりしてますが、ただそれは(〜)現在の社会で上手く生き抜くための一時的な考え方とも言えて、社会と距離を取っていた孤独な時間が当人の血となり細胞となっていると考えている人もいるはずです。

無職本:まえがき 水窓出版 編集部

社会とは見えづらく、そして中々交わらない。

みんなが働いている様に見えていても、何かの事情で働きたくても働けない人達はたくさんいるはずだ。

生きていくためには、お金はどうしてもかかってはしまうが、無理なく適度な働き方や騙し騙しやっていくのが良いのかもしれないと改めて感じた。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?