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【創作大賞2024応募作 恋愛小説部門】 壷中磔刑(改訂版) 19章、20章

       

       19

 

 ……しばし粘性のある水中でも歩いているような感触が全身を包んだあと、豁然として視界が開け、そこはだだっ広い、大理石で組み立てたような広間であった。
「もう大丈夫よ」
 香夜子がはしゃいだ声を高めて、弾むように背後を振り返った。勇吉もからだをひねれば、ここはさながら美術館のふぜいであった。真珠色の壁面や、太い珊瑚のような柱には勇吉の絵が手の込んだ細工の銀色の額縁に入れられ、しかも油彩とも水彩ともつかぬ透明感を持った彩色画になって掛かっているのだ。
 ただし、後ろ向きを描いたはずの少女達は、みな正面を向いている。そして、中に混じって何も描かれていない一枚の白い紙が、曰くありげに額装されてあった。首を捻る勇吉に、
「あれが、『烏有の扉』よ」
 香夜子はそう説明すると、スカートの裾を翻しながらターンして、
「そして、ここがわたしの生まれたお部屋。今に、この大画廊が勇吉さんの作品で一杯になるの」
 つい近くのどっしりとした石柱には、所々こどもの頃の落書きが、釉薬(うるし)をかけられた化石のようになって擦り込まれ、急に親しみが溢れてくる。
 香夜子はふうっと笑顔を窄ませると、その石柱に近づいて、
「これが、亡くなられたわたしのお姉さまなの」
 指差すところ、そこには絵ではなく一葉の写真が飾られてある。目を細めてその方に進めば、それは八年前に焼き捨てられたはずの、高校時代の香代子の写真のようであった。しかし、写真の香代子は、ひっそりと背中を向けていた。

 大画廊を出ると、車が往来できるほどに広い、どこまで続くとも知れぬ市松模様の廊下が伸びている。足音が響き渡るばかりで人影はない。城というよりも、ほとんど休館日の博物館のふぜいであった。壁面はきららを張り合わせたような鈍い光沢があって、高い天井は乳白色にかすみ、控え気味の光の粒子が降り注いでいる。そして、左右には大小いくつもの扉の、いかにも城内というけしきの凝った彫刻入りの観音開きに混じって、ありふれたアパートや教室や、あるいは病室を思わせるやつも目について、そのことがかえって不思議の新鮮さを醸しているようであった。
「このお城全体、もちろん扉の向こうの世界も含めて……すべてが、城主たる勇吉さんのものなのよ」
 香夜子の、嬉しさを銜(くく)むような声があたりに反響する。勇吉が毒気を抜かれているのに、
「とても、一日では回り切れないから、わたしがピックアップして案内するわね」
 香夜子は得意気に言うと、先にたってずんずんと歩度を早めた。

 ある部屋では、死せるものたちが生きていた。小学生の時仲良しで、白血病で死んだサトシちゃんが相変わらずプラモデルに熱中している。勇吉が覗き込むと、接着剤のこびりついた指を器用に動かして、「二十歳のぼく」と題された人体模型を製作中であり、完成したら生まれ変わるんだと一人はしゃいでいた。写真でしか知らない人達も、セピア色の服でおめかしして、勇吉を認めるなり我先に昔話を聞かせようと躍起になっている。中でも、優しかった祖母のご馳走してくれた焼き林檎は絶品であった。
 ある部屋では、とうに散逸したはずのデッサンたちが生きていた。歪んだ顔のアリアスやアグリッパが食パンを齧っていたり、結婚した単彩風景画が雪の降る夏の海岸を産んだと自慢していた。
 又、ある部屋では、こどもの頃の夢想が生きていて、この部屋はサッカーが出来るほどの広さがあった。長い三本の角を持った火を吐くドラゴン、蝙蝠の翼の生えた大蛇、三日月の顔をした横顔しかない魔人、勇吉の父親だといってきかないダンディーなドラキュラ、無数の歯車が透けて見えるガラス製のロボット、早口でお喋りをするスカートをはいたランプ達、鼻歌混じりに空を駆けるオルゴール、空中に絵を描く噴水、宝石を産む昆虫等々……押し合いへし合いひしめき合い、ほとんどいのちを持った巨大な玩具箱のふぜいであった。
 部屋を後にしてからも、勇吉はこどもに戻ったように、あるいはこころの中に掟破りのこどもを発見したように嬉しくなり、浮き浮きと案内役の香夜子についた。

 それでも、扉の向こうに控えるは、決して御伽の国の断片だけではなさそうであった。
「わたしは、ここで待ってるから……」
 香夜子がふと足を止めるところに鉄製の、やけにがっちりとした扉があって、錆びついた軋みを発するのを力任せに引くと、石の下り階段が闇の底に溶け込んでいる。
 聞けば、地下に通ずる階段だという。香夜子が尻込みするところから察するに、さだめて夢に住まう魔物の類いでも潜んでいるのだろう。思えば、病弱のガキの頃、テスト用紙の裏に様々の怪物や妖怪の姿を描き続け、ついてはこれを病的と断じられ、おふくろが担任から呼び出しを食らったこともあったはず。おおかた、その当時の魔物の博物館でもあるのだろう。
 勇吉は香夜子から渡された蝋燭を手に、ほとんどラビュリントスの探検の意気込みで地下への階段を踏みしめた。

 さあ、どれほど下ったものか、突然どこからともなく不穏のうめき声が聞こえてくる。もとより、自らのイマジネーションの産物と思えば恐ろしくもなく、つい蝋燭を掲げてみれば、階段の途中に横穴が開いていて、真っすぐ続く廊下に通じている。
 踏み込むと、左右には鉄格子のある鉄扉が居並び、てっきり地下牢のふぜいであった。うめき声はその方から聞こえてくる。いや、うめき声ばかりではない。叫び声。笑い声。キチガイじみた号令。二度と口にすることも憚られるような卑猥の言葉も混じって、あるいは狂人どもの独房というけはいもある。
 とたんに、不安が突き上げる。そう。この地下牢に閉じこめられているのが、断じて微笑みを誘う剽軽な魔物達ではないという確信からであった。考えたことすらない、いや考えることすらあり得ない……

 気付いた時には勇吉は立ち消えた蝋燭を握りしめ、ほとんど四つんばいに階段を這い上がるのていたらくであった。闇の中で何度も躓き、香夜子の名を呼び、光を求めて何時間もの時を要した気分であった。
 はたして、地下牢の中に何を見たというのか。何とシカとは言えぬにして、自分の内部に潜む負の可能性の坩堝であった。そう。地下牢の中には、小児に退行した身が生首を手に踊り、妊婦の腹を裂き、胎児を掴み出し、死肉をあさり、はたまた女装した身が銃剣を手に玉門を抉り、腐肉を穴にぶちこみ、鶴髪振り乱した身が少女の乳首を切り取り、スカートに放火し、萎びた男根をぶちまけたはらわたの海に泳がせていたのだ……
 思い返すも悍ましいながら、世上騒がす犯罪のすべて、猟奇のことごとくが地下でとぐろを巻き、怨嗟の叫びをあげ、脱獄の機会を狙って手ぐすね引くのふぜいであった。もはや、太平楽のキャスターのように、残忍の加害者の属性を人外とは言い兼ねる。そう。それも人間なのだと、認めるべきなのだ。思えば、南京大虐殺。津々浦々から、変態狂人を駆り集めて当地に派兵したわけではよもやあるまい。ああ、かの地下牢の鍵をぶち壊したやつはいったい誰だ、誰だ……誰だ……

 ようやく階段を這い上がれば、香夜子は小さく頷くだけで感想を求めようとはしない。勇吉にして、言葉なく汗を拭い、香夜子の再びの案内に従うしかなさそうであった。
       

        20


 しばらくは、御伽の国の地下に広がる地獄絵の余韻に、香夜子が開く扉の中を覗き込む気にもなれなかったが、やはり夢の中の夢の儚さとでも言うべきか、あたかも恐怖映画を見た直後にも似てようやく人心地、改めての好奇心が舞い戻ってくるようであった。

「ここは、何の部屋かな?」
 香夜子がつい素通りしようとした、薄桃色の扉を指さすと、
「そこは、つまらないわ」
 しらっと言い放ったのが慌てて先を急ごうとするのに、勇吉は逆に好奇心にかられて、止める香夜子を振り切って扉を開いた。
 中は、珊瑚いろどる海の底を象ったハレムのようであった。むせ返る脂粉の香ただようところ、憧憬から冒涜に至るまでのあらゆる欲望を受け止めてくれそうなおんなたちで溢れている。人魚がいる。魔女がいる。白雪姫がいる。怪しい夢魔がいる。清純な若紫がいる。底意地悪そうな妲己がいる。厚化粧のクレオパトラがいる。聖女テレサがいる。おんなたちの肌はみな真珠色に輝き、誰もが思い思いに聖なる媚態を演じて、勇吉に流し目やウインクを送る。
 とたん、香夜子は目を釣り上げ、顔を真っ赤に上気させると、つい近づいてくる紅裙隊を突き飛ばし、
「なによ!」
 一喝けたたましく、次の瞬間おんなたちはキラキラとした白と赤と緑の粉末になって飛び散った。中には、見覚えのあるおんなどもも混じっている気もしたが、くたばって涙の出そうなやつは一人だにいそうもなかった。

 勇吉にして、いっそ香夜子への愛おしさを再確認したというに、御本人は部屋を後にしてからは膨れっ面小憎らしく、案内役も忘れてしまったけしきの早足になってしまった。
「ごめんよ。悪かったからさ……機嫌、なおせよ、な……」
 どこか筋違いの気がせぬでもなかったが、勇吉はつい腰低く詫びながら香夜子の後についた。
 やがて、石を組んだ螺旋階段を上がり、二人は塔のてっぺんの、風吹き渡る物見櫓に辿り着いた。四方に切られたアーチ型の窓の向こうには、溜め息を淀ませたようなどんよりした空が広がり、大小鴉の群れが、最早ない最早ない……そんな風に聞き取れる啼き声かしましく飛び回っている。
「見て!」
 言って香夜子が指さす向こう、つい視線を放てば蔦の絡まる瀟洒な煉瓦色の塔が窺えた。
「あそこに、数年前まで、わたしと仲が良かった王女様がいたの」
 寂しげに呟いたのが、海賊でも使いそうな望遠鏡を持ち出して勇吉に差し出した。これを受け取って、何気なく先の塔に向けて覗き込んでみれば、
「あれ、君のお友達とやら……まだ、いるみたいじゃないか……」
 そう。塔の、やはり一番上の窓の向こうに薔薇色のドレスがぼんやりと窺えたのである。
「よく見て」
 香夜子の辛そうな声に、望遠鏡のピントを合わせたとたん、勇吉は慄然と息を飲んだ。そう。フリル愛らしい華やいだドレスに身を包みながらも、カール巻く金髪を風にそよがせながらも、王女は網状に広がる蜘糸(い)に無惨にいましめられ、その顔はぽっかりと空ろの眼窩を見せたサレコウベであった。
「勇吉さんと違って、夢を見ることを捨ててしまった人のお城よ。だからあの子も、あんなふうに衰弱死しちゃったの……」
 サレコウベの王女はロココ風の華奢なテーブルの前に坐っていて、その上には何十通もの手紙が山を作っている。見れば、王女の白骨と化した指は未だにペンを握っていて、その下の捲れ上がった黄ばんだ便箋に光の失せたペン先を落としているようであった。さだめて、『烏有の扉』すら破壊してしまったかっての恋人に、届く当てのない恋文を書き続けていたに違いない。
「でも、もっとヒドイのよ。塔の下を見て!」
 憤然と声を荒げるのにつられ、勇吉が目にあてがった望遠鏡を城壁に沿うて下ろせば、改めて息を飲み、背筋に氷の針を打たれたに似た。
 そこには老若男女の、累々たる屍の山が見えたのだ。煉瓦の塔は、さながらその山に突き刺さる墓標のようであった。そして、飛び交う鴉の群れが貪欲に死肉をついばみ、その目玉を奪い合っている。風に乗って、粘り着く死臭が漂ってくるようであった。
「腹いせに、あの子のお城の人たちを皆殺しにしたのよ」
「腹いせって?」
「そうよ。取り残されたあのお城の王女様を自分の妾にしようてしたけど、あの子はすでに死んでる。その腹いせよ」
「いったい誰が?」
「『鴉城』の鬼よ!」
 涙ぐんだ声は、それでも絶叫に近かった。
 勇吉が望遠鏡から目を離すと、香夜子は青ざめた頬を震わせつつ、右手窓の遠方を指さしている。勇吉は改めて、その方に望遠鏡を向けた。
 小暗い森の向こう、垂れ込めた灰色の雲を突いて不格好な墨色の塔が見えた。それはほとんど、傍若無人にそそり立った男根の、綿菓子なす夢の中に挿入されたに似た。
「あれが『鴉城』よ。あんな汚らわしいトコの王様なんて、きっとイヤラシイお爺ちゃんに決ってる。わたし、そんなやつの玩具にされようとしてるのよ」
 香夜子の湿った言葉つきを耳に、出し抜け勇吉のこころにチューブから絞り出したばかりのバーミリオンのような怒りが溢れてくる。
「君が、一戦交えたいっていうのも、無理はない」
「ほんと!」
 香夜子を窺うと、その瞳が少女漫画のヒロインさながらに星を湛えて光り輝いている。
「早く、早く。みんなが待ってるわ」
 とたんに声を上擦らせたのが、勇吉の腕を摑んで螺旋階段を駆け降り、廊下を踏み渡ると、広場に面しているらしいバルコニーに誘った。

 香夜子に背中を押され、勇吉がバルコニーに立つと同時、耳を聾さんばかりの大歓声が巻き起こった。
「我らが王に幸あれ! 大王様に栄光あれ!」
 広場は見渡す限り、釣り上げられたばかりの魚の鱗を並べたようなしろがね色で溢れている。よく見れば、鉄板を真ん中から折り曲げ、その折り目から頭を突き出したような奇妙な甲冑に身を固めた騎士たちで埋まっているのだ。

 ふうっと、忘れていた記憶が蘇る。そう。騎士たちは、病弱であったこどもの折に作ったボール紙の戦士たちに違いない。思えば、いのちまで危ぶまれたインフルエンザの予後に、病院のベッドで思いついた遊びであった。漫画を読むのにも飽き、一人部屋ということもあって話し相手とてなく、ついそこに転がっていた菓子箱を解き、小さな矩形に切ったのを折り畳んで屋根型に仕立てた単純な体裁ながら、折り山を爪先で弾いて相手をひっくり返すわざを思いついてからつい夢中になったしだいであった。ついては、ボール紙の戦士たちを何百人も作り上げ、その一つ一つに虫眼鏡でやっと見えるほどの細密さで想像力を膨らませたところの、中世ヨーロッパの騎士を刻みつけたものである。ついで、かかる軍勢をボール紙の質によって二手に分け、ベッドの上の枕や毛布を山や谷となすところ、すなわち戦ごっこの始まりであった。父が頼んでおいたゲームを持って見舞いに来たのも気づかず、勇吉は戦士たちの名乗りや雄叫びを呟きつつこれを操り続けたものである。「ふんにゃふにゃ」。想像の戦場にあって、一人ぶつぶつと呟く勇吉を目の当たりに、父はこの安上がりの遊びをかく名づけたものであった。

 そして今、この時空を超えた武人たちは、屈強なつわものの軍勢として勇吉を迎えているのである。
 つい見渡せば、その武人たちを取り巻き、歓喜する群衆の、憧憬や夢想の晴れ着で着飾ったのが、印象派のパレットさながらに光彩陸離ときらめき渡り、ずっと後ろの方には先に見かけた火焔を吐くドラゴンや翼を持つ大蛇の姿も、あたかも待機する猟犬のようにいきり立っているのだ。
 出し抜けの壮観にしばし惘然とする勇吉に、
「みんなに、手の一つも振ってあげなさいよ」
 香夜子の、浮き浮きとした声に我に返った。勇吉が言われるがままに手を上げれば、とたんに歓声は波を打ち渦を巻き、城壁を震わすばかりに高まった。勇吉もしぜん昂ぶる気分に乗じて、
「わたしが、相馬大王である。諸君はわたしの不在中、幾度もの屈辱に耐えてきた。しかし、屈辱の時は終わったぞ。わたしはこの度、あの暴戻なる『鴉城』攻略に向けて、総攻撃をかけることを決意した……」
 いかなる音響効果なのか、音吐は朗々と響き渡る。武人たちが槍や剣を振り上げて雄叫びを上げるのに、
「王であるわたしの命が下るまで、諸君たちにはじっくりと英気を養ってもらいたい。闘いは近い。我々は――、あのぉ――、暴虐なるぅ――、帝国主義の手先のぉ――『鴉城』を――。断固、打ち破るためにぃ――……」
 つい悪乗りを始める勇吉の背中を香夜子が突くと、
「ねえねえ、一人でいい気にならないで、わたしのコトも言ってよ。王妃だって……」
 いそいそと耳打ちするのに、勇吉もしかたなく、
「さて、ここに控えるは、我が妻我が妃……勝利の女神であるところの、香夜子妃であるぞ……」               
 香夜子はその言葉と同時に、小柄のからだに精一杯の威厳を装い、背筋を伸ばし肩をそびやかして一歩進み出た。
「相馬大王に栄光あれ! 香夜子王妃に幸あれ!」
 再び、大歓声が高まった。香夜子は唇に笑みを湛え、しばし王妃としての矜持に酔い痴れているふぜいであったが、その目をしだいに潤ませたのが、噛みしめた唇をわなわなと震わせ、もうこれ以上は耐えられぬけしきに勇吉の腕を摑むとバルコニーを退いた。
 歓声は、いまだ止みそうにない。香夜子は目を閉じ、たった今の感動を反芻しているけはいながら、すぐに勇吉の手を引くと歓呼の渦をあとに廊下を走り始めた。
「どうした。一戦交えるんじゃねぇのか。てやんでぇ、やってやろうじゃねぇか、『鴉城』がなんでぇ。糞を食らえ。七つのガキもろとも、皆殺しにしてやら……」
 勇吉は香夜子に手を引っ張られ足を縺れさせながらも、うたて興奮がさめない。それでも、香夜子は廊下を急ぎながら、
「勇吉さんがわたしの気持ちをくんでくれただけで、今日は十分よ。それに、わたしのコトを妻だって……。それよりも、仕事があるでしょ。まだ、定着液をかけてない作品もあるし、搬入のことだって……」
 そう言われたにして、いったん火の点いた闘争本能はなかなかおさまらない。つい好戦的気分に拳を振り上げ、『鴉城』の下司どもに対する罵詈雑言を喚き散らしていたが、初めの大画廊に戻り、壁に飾られた白紙を目の前にすると同時、個展という現実にしぶしぶ帰還したけはいであった。

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