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掬えない金魚

ウシガエル、アメリカザリガニ、ブラックバス、ブルーギルなど北米原産の生物が日本の生態系を壊していることは有名な話であるが、北米でも「ある外来種」によって生態系が破壊されている。その生物はアジア原産の「金魚」だ。

私は以前noteでアメリカザリガニの次に来る「赤い悪魔」として金魚を紹介したが、私の予想以上に金魚は「赤い悪魔」だった。

カナダにあるバスケットボールコート2面分ほどの調整池(集中豪雨や洪水などで、河川の流下能力が超過しないよう、河川に入る前に一時的に水を溜める池)にはなんと2万匹以上の金魚が発見された。

中には重さ1.3キロもある巨大な個体も存在し、まさに赤い悪魔だ。現在北米各地の調節池には外来種の金魚がウヨウヨしているという。

調節池は酸素に乏しく、魚には住みにくい環境であるが、金魚には特殊な代謝機能があり、酸素なしでも約5ヶ月間生きることも出来る適応力が強い魚なのだ。

さらに地球温暖化が進むと、水中の酸素が減少するためより他の魚より金魚が住みやすい環境になる。

金魚は食欲も旺盛で、植物の根まで食べてしまう為、水質の汚染にも繋がる。フナの突然変異で生まれた金魚であるが、フナはコイ目の魚。野生に放たれてコイの遺伝子が目覚めたのだろうか。

もちろん人間が放流したからこのような結果になったのだが。

野生の金魚増殖を阻止するために金魚をエサとする「在来種」のブラックバスに食べてもらうしかないのかなぁ。


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