短歌10首「初夏に生まれたぼくたち」詩「六月三十一日」-in the sea Vol.8『みなづきプレリュード』
ネットプリント「in the sea」の第8弾、短歌10首と詩1篇をのせました。
6月は私の生まれ月で一番好きな月です。6月と雨のことをテーマにしました。
ネットプリント
お近くのコンビニでぜひ出力してください。
初夏に生まれたぼくたち
はつ夏 夏がとびきり似合う人になる 初夏に生まれたぼくたちは
ごめんね、土砂降りの日生まれだからどこ行っても何やっても雨で
六月は雨もシフト制なのかな たくさん出勤して偉いね
サムシングブルーの季節 六月が淡い青色に見える理由
紫陽花と雨をいちばん似合わせて 傘だけ持って踊れ六月
雨の日が憎まれ役を買って出て晴れに磨きがかかる、青梅雨
跳ねる靴跳ねる飛沫で水の底 訳はないけど海まで行こう
じっとりと空気が肌を掠めてく 夕立 今年も夏が来るね
人生はまだBメロみたい モテ期は来ないし成功もしてない
今ここに夏生まれだけ集まる 七月半ばの免許更新
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六月三十一日
目が覚めたら六月に取り残されていた
しとやかな雨が降っていて
水のつぶが優しく窓をたたいている
良い天気だと思った
六月にふさわしい、良い天気だった
おもむろに外に飛び出してみる
雨のシャワーを浴びて
アスファルトに溶ける雨水のにおいを吸い込む
どこまでも、六月だった
いつまでも、六月だった
終わらない六月の狭間で
来るはずのない夏を待つ
ずっと欲しかった永遠が
止まない雨に形を変えて
六月三十一日を濡らしていく
短歌の引用、感想をTwitter等で書いていただけると嬉しいです。
今年も6月のことが大好きでした。
誕生日おめでとう、わたし。
気が向いたら、どうぞ。そこまでの感情にさせられたなら嬉しいです。