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「褒める」とはどういうことか

こんにちは。東京は連日の雨模様から晴れ間がのぞき、今はちょうどよい日が差してきています。

昨日は放デイと埼玉をつないでオンライン実験を行い、子どもたちも大満足の過ごし方となりました。
今後はさらにみがきをかけて、実際に対面する場合とオンラインを上手に融合させていきたいと考えています。


さて、どのような学習においても子どもにとって褒められることは必要不可欠なことです。しかし褒めると言っても「すごいね!」「きれいだね!」「かっこいいね!」という言葉にまとめてしまっては具体的に何がどうして褒められたのか分からず、結果として漠然と「自分はすごい」というような受け止め方に変わってしまいます。

日常的な行動や言葉から具体的にしておいてあげることは1つの物事の良い面と悪い面、自身の行動の良かった点や改善点を見つけるときに役に立つ力です。今回は「褒める」ということについてまとめてみようと思います。

まずはじめに、褒めるとはポジティブな変化を伝えることだと考えています。


そしてその変化の大きさによって褒め方も変化しますが、変化に対して敏感であることは大事なことと言えるでしょう。
すごくシンプルな例えですが習っていなかった漢字を読めるとか、いつの間にかスマホのフリップ入力が早くなっていたとかそうした変化は大事です。

1つの例をもとにしてみましょう。

私は最近、小学生の生徒がスマホのローマ字入力を見事に習得していたので早速褒めることにしました。

このとき私が伝えたのは「アルファベットの入力が前に比べて早くなってるんだね。いつの間に覚えたの?」

の言葉でした。

え?これが褒めること?と思われるかもしれませんが実は大事な要素が3つ含まれています。

① 具体的な行動と変化を言葉にする

褒めるというとどこか「すごいね!」「やったね!」「こんなにできるようになったんだね!」という、大きな表現がともなうイメージがありますがこれは必ずしも必要ではありません。むしろ割合で言えばそう多くはないかもしれないのです。
具体的に、そしてこれまでに比べて何がどのように変化しているのかが分かる方が大切です。与えるイメージは具体的である方が伝わりやすいのです。

➁ できている内容をはっきりさせる。

先ほどの補足ですが、できるようになったと思った点をはっきりさせることが重要です。今回のケースでは「アルファベットの入力が早くなった。」という点ですが、これは日常的に接している家庭ではなかなか見つけづらい点ではありますね。また、私たちは知らずのうちに「そのくらいは当然」と考えたり「なんだそんなことか」と考えてしまうことで変化を見つけづらくなってしまいます。するとできるようになったはずのことも大したことがないと考えてしまうので変化が変化とならないのです。
しかし些細な変化にも意味があります。できるようになった点を評価されるのは「しっかり見てくれている」ということを伝えるためのメッセージでもあるのです。

➂ 大げさにしすぎない

今回の場合は特にそうなのですが、特に練習もなく自然に身についた力に対して「なんてすごいんだ!」と言っても響かないですよね。本人が一生懸命取り組んでいたり、他者から感謝されたりといった場合にはもっと感情を込めた方が良いと思いますが、何から何までめいっぱい感情を込めておく必要
はありません。それよりも具体的に、イメージしやすく伝えることの方が重要です。


私たちの仕事は子どもの変化をしっかり把握することにあります。髪の毛が伸びた、爪が伸びた、身長が大きくなった、というような外面の変化。以前に比べて字が丁寧に書けるようになった、計算が早くなった、というような学習能力、そして丁寧に推測を立てるようになった、試行錯誤にかける時間が増えた、というように、見た目では分からない力の変化、さらに今日は疲れ気味かもしれない、楽しいことがあったのかもしれない、というような感情の変化、などです。

特に自己肯定感が低いと自分の何を認めたら良いのか分かりません。それであればなおさら、具体的に自分の力を信じることができるよう丁寧に変化を見つけてあげられると良いと思います。

褒める、というのは奥が深いものです。互いがどんな関係を築いているのかによってその伝わり方は大きく変わります。今回お伝えしたのはどのような場合であっても重要なポイントだと思いますので、あとは子どもとの関係によってバラエティに富んだ褒め方が生まれるかもしれません。

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