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失敗のケア①その失敗は本当に失敗か

こんばんは。最近1日遅くなってしまうことが多く申し訳ありません。
これからはしっかり金曜日にアップできるようにしていきます。

さて、ここからは失敗をどのようにケアするかということについてまとめていきたいと思います。
今後は以下の5段階でまとめていきますね。

1. その失敗は本当に失敗か
2. 改善中の目標を定める
3. 励まさない
4. シンプルな対話で振り返る習慣をつくる
5.できたときに絶賛する

発達障がいや知的遅れをともなう子どもにとって毎日は失敗の連続です。失敗したと思わされる、と言った方が正しいかもしれません。

1日を眺めてみましょう。

7時00分 起床(目覚ましが鳴る)
7時20分 朝食(この時点で学校の出発時間は見通しが立っていない)
7時30分 テレビ視聴(学校に行くことを忘れる)
7時50分 出発時間ギリギリになる(叱られる)
8時00分 準備がないことに気づく(できていない、のではなく準備がない)
8時10分 慌てて出発する(走る)
8時15分 周囲の光景が気になる(立ち止まる)
8時30分 遅刻する(叱られる)

もしかしたら皆さんも身に覚えがあるかもしれませんね。
これはADHD、注意欠陥/多動性障害 という傾向にある子どもをイメージして作成した一例です。

朝の1時間30分だけでも2度も失敗があるのですから、活動時間を1日16時間とみても、1日に20回は失敗を重ねている計算になります。実際は学校生活や外出先などになりますから、少なくみても30回近くは失敗しているといえるでしょう。言い換えれば保護者はこの30回/日の面倒と格闘していることになります。
しかしこれが彼らの日常であり、そうした子どもを育てている保護者の立場です。
子どもは大人の思う通りには成長しませんが、それにしても「せめてもう少し・・・」と願いたくなるのはこうした毎日が続くからです。


 さて1日に30回も失敗を重ねるとその分叱られる回数も増えます。うんざりしますね。
しかし先ほどのスケジュールを見返してみてください。
あくまでも例ではありますが、この子どもは朝の起床時間はしっかりしているのです。そして学校に出発することもできています。
その程度のこと、と思うかもしれませんが、特に朝起床できていたことに注目してもらいたいのです。
この場合生活習慣そのものは崩れてはいないけれど、その後の活動方法が影響して日常生活に支障をきたしていることを表しています。
 しかし学校などでの生活を見ていると「習慣づけがされていない」という風にみなされてしまう。すると生活習慣が全体としてなっていないというように判断されてしまうのです。ちなみにこうしたケースは私が実際に関わった子どもの中にもいました。

 できていることに注目するということにもつながりますが、失敗をケアするためにはこうしたできていること、そして本当に改善したいことをまずはしっかり分けてあげなくてはなりません。ステップアップは1つずつです。
 次週は「改善中の目標を定める」ことに焦点を当てて、失敗のケアということについてまとめていきたいと思います。

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