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【ひきこもり】 親はどこまで・・・

息子の大学には、普通に大学に通えない学生のための支援室があり、
そこには親が集う会もあります。
毎月、数名の卒業生、在学生の親と保健センターの医師で教授の先生、
臨床心理士の先生などが集まり、家族の会を開いてくれています。

家族の会の皆さんの、それぞれのご家庭もなかなか大変そうで。
親の支援なしに独立している子はいない、そんな雰囲気です。
「うちには刃物類が一切ありません。妻も病んでしまって」という方。
「娘のために夫婦で東京に出てきました」というご家族。

私はほぼ毎日、彼を観察しているだけで何もアクションを起こしていないため、
ある保護者の方に「毎月、何の進展もないのは問題なのでは?」と言われてしまいました。

ええと・・・と、苦笑いするしかない私。

話しかけると、露骨に嫌な顔をして、「は?」という態度をとられる。
廊下ですれ違うとわかると、部屋から出て来ない。
食事時間ばバラバラ。自室で食べている。
大事なことはメールで「要返信」として連絡をすると、イエス・ノー的な返信があるのみ。それ以外の〝文章になっている〟回答をもらったことはない。
ちなみに大抵はイヤホンを装着しているため、かなり大きな声で呼ばないと、声をかけられていることにも気づかない・・・。

正直、一緒に暮らしているだけでも精一杯。ごめん。本当に正直言うと。

「喉、どうかしたんですか?」
とよく聞かれるのだけど、それはほとんど会話をしていないから。
声帯がやせ細り、かすれ声になってしまったのだと、咽喉科の先生が大量の漢方薬をくれました。

本当はひと声かけるだけでも、私にとっても結構なストレス。正直言うと。

「もう成人したんだから、放り出せばいいのに」
「食事なんて、用意してあげる必要ないのでは?」
「甘やかしすぎですよ」

これは全世代。彼と年齢の近い20代〜30代前半の皆さんも同意見でした。
私も他人の子なら、そう思うのかな・・・。
「過保護だ。」「子離れしろ」と息子からも抗議のメールが届いたことがある。
それはあの、入院中に部屋を勝手に掃除したのが気に入らなかったらしい。その時だ。

でもさ、それって、「自立してから言えよ」。と私は思うんだけど。
ひとりで生きていけるんなら、私だって心配しやしない。

私はまだ彼を「ひとり立ち」させられていないから。
親としての責任をまだ果たせていないから。
まだまだ、放り出して逃げられない。それだけのこと。

無気力。無感動。ゲームだけは好き。ゲームができているうちは、まだ元気だよね。



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