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フリーデザイナーの道具選び 紙見本・色見本編

印刷物を中心とするグラフィックデザイナーであれば、揃えておくべきツール(道具)、最後は紙見本と色見本を紹介したい。最近はパッケージなど紙に凝ったデザイン以外ではPC上で確認、データを送って終わりという流れが増えてきているが、パンフレットや冊子でも一段上の表現をするための引き出しとして、勉強しておくべきであろう。

紙見本

紙見本と言えば竹尾がまず頭に浮かぶ、直接ショールームで紙を買うこともできるが、まずはミニサンプルであろう。50冊全部いきなり揃える必要はない。およそ一生関わることのないたぐいの紙もたくさんあるので、まずはベーシックな「白い紙」を中心に必要に応じて揃えよう。

最近ではネット印刷のグラフィックが提供しているペーパーカタログを利用する人が増えている。グラフィックはネットイン印刷としては群を抜いて使える紙が豊富だ。ペーパーカタログは竹尾のミニサンプルと違い、絵柄やチャートがすられているので、実際に印刷したときの発色なども確認できる。サイズも大きいのでより厚みや雰囲気を実感できる。

カタログやパンフレットといった紙媒体をデザインしていると、実際はほとんどの場合使うのはコート紙だ。大抵は印刷会社が取り扱っているものをそのまま使うことになるが、コート紙でもメーカーや製品により、質感は様々だ、デザイナーからも提案できるように、アート紙、コート紙といった印刷用紙の知識もつけておきたい。特にマットコートは製品によってマット感が違うので、実物を知っておくのは大事だ。王子製紙など大手の製紙会社の紙見本を取り寄せるのがいいだろう。

色見本

色見本はオフセット印刷のCMYKチャートと特色の色見本がある。どちらも大手文具店やAmazonなどで購入可能だ。特に特色はPCのモニター上では正確な色を確認できないので、必携であろう。
特色インキには主に国内で使えるDICや東洋インキと国際的に使えるPANTONEがある。ポスターやパンフレットではDICが一般的だが、CI、VI、パッケージなど海外でも利用される可能性があるものはPANTONEが一般的だ。つまり、できれば両方揃えておくべきだということだ。

その他の加工

印刷ではインクや紙以外にも様々な特殊加工がある。箔押し、特殊インクなどだ。それぞれメーカーごとに見本はあるが揃えるのは相当な手間だ。お勧めは雑誌「デザインのひきだし(グラフィック社)」だ。毎号豊富なサンプルがつき知識も得られる。バックナンバーはAmazonを探してみよう。

まとめ

最近では何でもネットで完結し、印刷物も質感にこだわることが減ってきた。普段あまり需要がないからといっても、必要になってから慌てて調べるよりも印刷の知識をネットや本で勉強し、自分の引き出しを持っておくことも大事だ。

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