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死語になってほしい。『イクメン』という侮辱。

イクメンとは、日本語で子育てに積極的に関与する男性を指す俗語である。顔立ちの魅力的な男性を指すイケメンが転じたもの。イケメンの語にやや遅れて2000年代から急速に普及した。
引用: Wikipedia

1. イクメンという言葉

 10月19日が何の日か知っていますか。10(トウサン=父さん)、19(イクジ=育児)の語呂合わせで、『イクメンの日』なんだそうです。僕は全く知りませんでした。
 『イクメン』という言葉が浸透したのは2000年代頃から。当時は新語・流行語大賞のトップ10にも食い込む程、世間の話題となりました。   
 以降、数々のタレントをはじめイクメンぶりをメディアで披露し始め、今ではSNSで一般人でも自らイクメンと称する人も珍しくなくなりました。
 具体的にイクメンとはどんな人を指すのかなと思いちょっと調べてみました。

厚生労働省が運営する『イクメンプロジェクト』のオフィシャルサイトを見ると、『イクメンとは、子育てを楽しみ、自分自身も成長する男性のこと。または、将来そんな人生を送ろうと考えている男性のこと』となっています。

・・・考えているだけで、、、?

 一般的に『イクメン』という言葉には、育児をする男性に対する賞賛が含まれており、だからこそ自らイクメンと称する人もいるのではないかと思われます。
 男性が育児をすれば『イクメン』。一方で、女性がどれだけ育児と向き合っても『イクウーメン』なんて呼ばれることはありません。例えそれがシングルマザーであっても『母親なんだから』と逆に尻を叩かれる始末です。
 『育児は女性がするもの』という古く馬鹿げた意識がこの日本で定着していることの裏返しです。

因みにネーミングはどうかと思いますが、男性が育児に参加できる制度作りについては大いに賛成です。

2.  言葉の真意

 私が公園を娘と2人で歩いていると、ある50代の女性から、『お父さんイクメンだねー』と言われた。
 この女性は純粋に賞賛として言ってくれたのだろう。ただ、僕には違和感が感じられた。

なにかカッコ書きで、『男性の割には頑張っている』そう言われた気分になったのだ。僕がひねくれているのだろうか。素直に喜ぶべきなのか、そうも考えたがやはり腑に落ちない自分がいた。

この違和感、この屈辱感は『イクメン』というおかしな言葉が原因であることは明白だ。

この女性から『お疲れさま。子育ては大変だよね。』と言われたら僕は素直にその言葉を励みにしてその後も娘との時間を過ごしていただろう。

 ジェンダーレスが叫ばれる中、何故わざわざまた男女に対して区別するような言葉を生み出すのだろうか。

どうやら僕は少数派ではないみたいです。

 朝日新聞が2019年に実施したアンケートではイクメンという言葉について、7割超が「嫌い」と回答しました。

アンケートの概要はシンプルそのもの、『イクメン』どう思う?
この質問に対し1,400超の回答があり、女性からの回答が55%、男性からの回答が41%、その他4%でした。
結果は、「嫌い」(44%)、「どちらかといえば嫌い」(31%)が7割超を占めました。「好き」(2%)、「どちらかといえば好き」(5%)は1割未満。「どちらでもない」(18%)を考慮しても圧倒しています。

また、『イクメン』という言葉について、あなたの考えに最も近いものはどれですか?という質問では、『男性の育児だけが特別視されている』が68.7%を占めました。

、、、ですよね。ただ世の奥様。なのできっとこの言葉のせいで、やりにくいパパも沢山いると思います。ちやほやされて喜んでるパパもいるかもしれませんが、使われたくない男性も沢山いる事実を知って下さい。

だって考え方が親じゃない。褒められる為に、賞賛をもらう為にやってるわけじゃないですもん。

3. 最後に

 当然ですが、英語では『イクメン』という言葉が存在しません。それは、日本国内の造語だからと言う理由ではなく、父親が育児に参加するのはごく自然なことで、あえてそれを表現することがないからです。

 昔、海外から来た留学生にこんな考えを聞きました。今でも心に残り、深く共感しています。

海外では親になった時に男女関係なく、子供を育てる権利を得たと感じ、男女共にその権利を主張すると。

 親になるという事は、こういう考え方をいうのだと思います。

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